2007-06-04 00:45:01

「消えた年金記録5000万件」 老害大国ニッポン

テーマ:IT全般

以前よりニュースを賑わしてる年金問題。10日ほど前から「消えた年金記録が5000万件」という問題で一層ヒートアップしてきた。IT屋からしても非常に興味深い問題だ。


■あまりにひど過ぎる組織とほったらかし体質


思うに、社会保険庁・年金問題はあまりにたくさんの要素が含まれ分かりにくいので、一度紐解いておこうと思う。それにしても、問題のオンパレードだ。


・グリーンピア問題に象徴される年金保険料の無駄遣い

・芸能人から大臣、党首に至る年金未納問題(転職時などの手続漏れ)

・職員による不正なシステム閲覧と個人情報漏洩(未納情報をマスコミに提供)

・国民年金の空洞化(若い人を中心に該当者が払わない、払えない)

・出生率を高く見積もる楽観的な体質(制度崩壊の危機)

・国民年金の不正免除問題(ノルマ達成のため本人申請無く職員が勝手に免除扱いに)

・天下り先の特殊法人での無駄遣い(老害の典型例)

・天下りによる高額な退職金(社保庁だけの問題ではないが)

・システムへの入力ミス、入力漏れによる支給漏れ(氏名の読み違いなど)

・お役所体質な職員によるぞんざいな対応(台帳を自分で探せと言ったとか)

・5年の時効(後から支給漏れに気が付いても5年経つと支給されない)


そして今回の「消えた年金記録5000万件」問題だ。「なんとなく集めてなんとなく支払って適当に使っちゃえ」といった感じだろうか。


職員レベルでは一生懸命やってるのかもしれない。しかし、社会保険庁という組織全体やチェックすべき立場である政治家全体の瑕疵があまりにひど過ぎる。国民不安の第1位は年金問題で、「ちゃんと年金が払われるのか不安」という人が多数に及ぶのだが、こう問題が続くと「きっとまともには払われないんだろう」と思っていたほうが正しいのかもしれない。


こうなると、年金の制度や運営体制をイチからやり直して欲しいという気持ちにさえなるが、まずは問題解決を暫定対処と本格対処に分別し、それぞれを迅速に実施するのが本来あるべき姿ではないかと思う今日この頃(なので、野党の対応にも不満はある)。


■何が5000万件なのか?


さて、これは具体的に何を指しているのかが気になったので調べてみた。今騒がれているこの5000万件はどうやら「基礎年金番号が付与できていない年金納付記録」のことらしい。一応公式見解を見てみる。


年金記録問題について(社会保険庁)

http://www.sia.go.jp/top/kaikaku/kiroku/index.htm

(リンク先に参考資料が載っているものの、残念ながらそれを読み込んでようやく分かるようなお役所文書で、今回の「5000万件」が何なのかをストレートに説明できてない。隠蔽体質や国民説明感覚の希薄さが悲しい)


年金1 年金の中で国民年金と厚生年金が大きな存在であることはご存知だと思う。私のようなサラリーマンは両方に加入しており、「厚生年金保険料」といった名目で給料天引き・一括徴収されている。


で、この年金は1997年に「基礎年金番号」という統一IDで管理されることになったのだが、この「5000万件」とは残念ながらそれまでの記録がうまく「名寄せ」できずに、いまだに残っているデータが5000万件ある、という意味であった。


ちなみに「名寄せ」とは、複数の個人データがあった場合に同一人物と特定してデータを関連付けたり集約する処理のことを言い、いろいろな企業でも行っていることだ。皆苦労しているので、統合的なIDで管理しようとするのが常。


年金2
確かに私のところにも1997年に社会保険庁から封書が送られてきた(写真)。


そこには基礎年金番号と氏名・生年月日・性別が書いてあり、「変更や訂正がある」場合や、「他の年金に加入したことがある人」「2つ以上年金手帳を持っている人」は添付ハガキで返信するように書いてある。


いわば、「名寄せの可能性大小に関する本人申告」を受け付けたということ。社会保険庁の資料によるとその数は917万人。その後も社会保険庁はシステムによる名寄せ処理を行い、合計1,818万人に照会したとのこと(うち1,147万人から回答があったという)。


社会保険庁の資料を読むと、「統合前に死亡した人」「受給資格に達してない人(無年金者)」もこの中には含まれているとのこと。うーん、分かったような分からないような・・・。ということは、死んだ人の中には年金をもらい損ねた人がいたり、本当はもらえるはずの年金も資格に達していないということでもらえなかった人がいるのだろう。


いずれにせよ「消えた」という表現は微妙なところで、年金を支払った方からすれば「自分だと認めてもらってないデータ」なので、まぁ「消えた」ことにはなるのかもしれない。が、システム上は5000万件が厳然と存在しているので「宙に浮いた」という表現のほうが正確なのかもしれない。


ちなみに先日、社保庁のシステムに関わっている人から聞いた話は、「5000万件は5000万人では無い」ということ。つまり、毎月支払う人もいるので「5000万レコード」というのが正しいようだ。ただ、具体的にこれが「何人」のデータなのかはよく判っていない。


■この問題をどう理解すればいいのか


なぜこの問題が生じて今に至るのか。今日のTVでも与党と野党が「菅さんだ」「いや小泉さんだ」といったバトルを展開していたが、国民の1人として情け無く感じる。今になって水掛け論をやってるのを見ると、低レベルというか「政治は三流」という言葉を思い出す。北朝鮮からミサイルが飛んできても、きっと同じような不毛な議論をやるのだろう。


そもそも基礎年金番号を導入する際、このような名寄せ漏れの問題は予測できたはずだ。だからこそ、あのようなハガキを用意したのだろう。しかし、その後10年経ってもいまだに膨大な量が残っているというのは、リスク感覚というかビジネス感覚というか当事者意識が社会保険庁に皆無だったとしかいいようが無い。基本的に「触らぬ神に祟り無し」、やる気が無いのだろう。


前述の社保庁システム関係者の話によれば、これまで相当数のチェックツールが作られてきたらしい。各種資料からも分かるように、システム上で長年名寄せ処理を行ってきたということは、ITの世界、つまりデータベース上の名寄せ処理は多分やり尽くしたと推定される。


こうなると、後は社会保険庁の職員が1件1件のデータを眺め、一部残っているらしいマイクロフィルムや紙資料なども眺めながら、類似する氏名の人や関係者に電話するなり訪問するなりして、データが示すものを突き詰めていくしかないのだろう。これまでの数十年間おろそかにしてきたことのツケを、自分たちの手で回復するしか方法は無いはずだ。


ちなみにビジネスの世界ではこういった不完全処理を割り切ったりアウトソーシングしたりして、それにかかる人件費を削減しながら別途リスク対策を取るという手法が用いられるが、今回の問題の場合、社会保険庁に対する国民感情やこれまでの不祥事を勘案すると、多大な汗をかいてもらわないと納得感が得られないだろう。それも、過去の社会保険庁の責任者にこそ率先してお詫び行脚をしてもらわないと。


なお、今回の「5000万件」以外にも基本的な「データ入力漏れ」や「入力誤り」という問題も存在する。つまりデータ自体に誤りや欠落もあるのだ。社会保険庁では「ねんきん定期便」というDMを発送する予定で一部の人には既に送付済みらしいが、これで初めて「自分には届かなかった」と気づく人がいるかもしれない。


年金の世界で受給額が決定することを「裁定」というらしいが、「裁定」が下るまでにいかに自分のデータをチェックするかがこれからの時代の鍵になるのかもしれない。悲しいことに、役所の事務処理とデータ精度を国民がチェックしないといけない国に日本は成り下がってしまったのだ。


■20代・30代こそ怒れ!


まぁ若い人の中には「俺には関係ないだろう」と思う方も多いだろう。しかしそうでもない。朝日新聞の報道によれば、その年齢構成は多岐に渡っている。


年金3

(注:本図で数値に誤りが有り、6/5に修正しました)

年金救済対象は不明 調査どこまで 与党・特例法案提出(asahi.com)

http://www.asahi.com/special/070529/TKY200705290477.html

見ると20~30代のデータは425万件(約8%)に上る。若い頃転職したり結婚・離婚などで手続きが漏れてしまった人などは、この中に入っているかもしれない。もしかしたら私のデータが入っていないとも限らない。やはりできるだけ、社会保険事務所に行って確認したほうが良いかもしれない。自分も近いうちに行ってみようかと思っている。

ちなみに社会保険庁サイドは、まず年金受給権のある60才以上+年齢不明の2880万件をピックアップして、現在年金受給されている3000万人を対象に名寄せすることを優先するらしい。先にお亡くなりになる方を優先するのは妥当性のある話にも思えるが、若い世代から言わせれば違和感も否めない。


よく会社の上司や年寄りから、「俺たちの年金は皆に払ってもらわないといけないんだから、頑張ってね」などという先輩風を吹かせた話を聞かされたものだが、日本の年金は「賦課方式」と言って、「若い世代から集めた金」→「年寄り世代に支払う金」というのが基本形。こんなツケを残してきた年寄り世代には、「あなた達の年代がやったことなんだから、自分達で後始末して下さい」「自分達の失敗なんだから、自分達のお金が減ってもしょうがないんじゃないの?」とでも言いたくもなる。


社会保険事務所の若い職員にしたって同じだろう。しようも無い失敗の尻拭いを任されるのだ。それもひたすら職場環境が悪くなっていく中で、オジサン世代はのうのうとガッポリ退職金をもらって逃げていくわけだ。若者世代から見れば、逆に気の毒に思える話だ。


年金問題以外にも、談合問題や天下り、企業の不祥事など今の年寄り世代が残した負の遺産が、今の若い世代の両肩にのしかかっている。そして張本人達は「団塊の世代」などとのたまって、ノホホンと退職後生活や自分の年金額ばかりを気にしている。若い世代は「こんなニッポンにしたのは誰なんだ」という怒りをもっとぶつけても良いのではないだろうか。


■ソーシャル・セキュリティ・ナンバーを導入すればいいんじゃないの?


昔は「国民総背番号制度」といった言葉がよく新聞紙面を飾った。日本人の1人1人にIDを付けて住民登録や年金・保険、税金などの手続きがスムーズに進むというものだが、当時はマスコミも加わってプライバシー侵害だ、といった批判論調が強く立ち消えになった。


なので、「今になってこんなに大騒ぎするのなら、最初っから国民総背番号制度を導入しておけば良かったんじゃないの?」と私なんかは思う。勿論、社会保険庁という組織全体の問題もあり、番号を導入しておけばこの問題が起きなかったというわけではないと思うが、少なくともより名寄せしやすい状況は出来ていたと思う。


アメリカでは古くから「ソーシャル・セキュリティ・ナンバー」(SSN)というものが機能してきた。一生同じSSNを利用するのだから、今回のような問題は発生しない。


自分達が希薄だったコンプライアンス意識を若い世代に押し付けて去っていく日本の老害をさんざん見せ付けられてきた私としては、今こそ合理的なIDを導入して、もっと合理的で便利な社会を作っていけば良いと思うのだが。

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2007-06-03 00:47:15

自席でタッチ、タッチ!

テーマ:PC - Windows

■カラオケメーカの方とカラオケ


昨晩、あるカラオケメーカの方々と一緒にカラオケボックスに行くという貴重な機会がありました。


単純に「カラオケしたい」という方が多かったので歌いに行っただけなのですが、いざボックスに入ると、リモコン装置をいじりだし「こんな機能があるんですよ」と説明して下さるマネージャ格の方。単に歌うだけじゃなく、いかに楽しませるかという想いと装置に対する愛着がヒシヒシと伝わってきました。


また、カラオケ装置本体やホストコンピュータなどの開発をした方もいらっしゃって、事業立ち上げ時のエピソードや注入された技術などの興味深い話も聞けまして、大変面白い夜でした。


そしてあのカラオケの多機能リモコン。安く作る努力はしているものの1台数万円するシロモノらしいです。「1部屋に2台あるといいんですよね~」と言うと、そんな答えが返ってきました。まぁ、高レスポンス・タッチパネルセンサー・赤外線通信機能など搭載したある意味PDA的なモノで、しかも出荷台数も限られるので仕方が無いのかなぁ、と・・・。


■居酒屋のタッチパネル端末


話は逸れますが、あのリモコン装置は人の心をくすぐるアイテムですよね。同じようなものが最近は居酒屋にも置かれてます。コロワイドグループの居酒屋「TAPA」で先日見かけたのですが、料理のメニューを見たりオーダーができたりとついついいじってしまいました。


メニウくん
カラフルな大画面で料理が美味しそう

しかもこれは女心をくすぐるようで、一緒に飲んでた女性は10分以上もタッチセンサーをいじってました。


その時点での飲食代も分かるので、逆に「あ、もうやめとこう」という気持ちも生まれるのですが、割り勘計算もできたりするので結果的には利便性向上・顧客満足度向上しますし、なんと言っても店員数削減に寄与することだと思います。


どうやらこれは「ワールドピーコム」という会社が作ったWindowsCEの無線注文システム「メニウくん」というらしく、これが経営に貢献してこともあって、2005年に株式の90%以上を取得してコロワイドの連結子会社として吸収したとあります。その女性のようについつい注文をしてしまった方が多かったことでしょう。


ワールドピーコム株式会社の株式の取得 (連結子会社化) に関するお知らせ(コロワイド IR)

http://www.colowide.co.jp/datafile/ir_file_27.pdf


■席に着いてリモコンをいじらせるビジネス


カラオケリモコンにせよ居酒屋リモコンにせよ、「自席」で「自分を楽しませるもの」を「たくさんの中から選ぶ」場合に「できるだけ便利に情報閲覧できる」という条件下ではこのようなタッチセンサー付デバイスが活躍するような感じですね。そういえば最近の飛行機の席には一人一人に液晶モニターがついてたりしますし、まぁ家のテレビも一緒と言えば一緒でしょう。


そう考えると、まずはお客さんを席に着かせてしまえばある意味「こっちのもの」なのかもしれません。昔喫茶店には100円で出てくるクジの機械が置いてありましたが、あんなものでも結構収入を上げたという伝説が残っています。居酒屋やファミレス、はたまた美容室なんかにあっても良さそうな感じがします。


いかに価格を下げるかという問題を解決できれば、かなり広範囲にも普及しそうな気がしますし、皆が持ってる携帯電話、特に「おサイフケータイ」などと組み合わせることでクーポン発行やOneToOneみたいなことも実現できます。


■Microsoftも「タッチ、タッチ」に進むようです


そんな中驚いたのが、あのMicrosoftが「Surface」というインターフェースを発表しました。テーブル上で映像を操作する次世代のUI(ユーザインタフェース)で、複数の指で画面を操作するところが特徴的。


Microsoft、複数の指でテーブル画面上の操作が行なえる「Surface」

~画面上に触れた物体も認識(Impress PC Watch)

http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/0530/ms2.htm



さすがにカラオケボックスや居酒屋で使われることは無いと思うのですが、iPodの登場以来、やはり指で操作するといった「タッチ、タッチ」の感覚は今後更に普及・発展することになりそうな気配です。


Wiiの時も思いましたが、「いかに人間が操作しやすいか」「いかに直感に訴えるか」という切り口は今後最も大事にされる要素になることでしょう。「凄い」技術をさりげなく使うスマートさというべきものでしょうか。今まではキーボードとマウスというデバイスに人間の想いを憑依させていた時代でしたが、今後は人間とコンピュータがより自然に接触していくことで、無意識に感じていたストレスを軽減したり、より人間らしさを取り入れたものが社会に受け入れられていくことだと思います。

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