ケトン食+高濃度ビタミンC点滴でがんと闘いたい方にお伝えしたいこと。
ケトン食+高濃度ビタミンC点滴が奏功するのには「タイミング」があります。
数人、ビタミン・ケトン療法をさせている方を見てきて最近特に思うことです。
ケトン食+ビタミン・ケトン療法を、
ステージ4になってからの「奥の手」とは決して思わないでください。
がんと言われたら、なるべく早くに始めるべきです。
早ければ早いほど効くと思うし、結果的に治療費の節約にもなると思うのです。
ビタミン・ケトン療法の快進撃が話題となっています。がん末期でも寛解を目指せる、奇跡の治療であるかのように。
でも、奇跡の治療なんてあるわけありません。
ケトン体は、正しく食事と向き合い、自らの意思で故意に「出す」努力をする時に初めて私たちの力になってくれるもので、
急ごしらえで無理やり「出す」
とにかく「高ケトンであればいい」というものではありません。
体力的な余裕や、時間的な余裕が必要なのだと思うのです。
※状況的にそうせざるを得ない場合もありますが…
ケトン食は「食べる治療」です。
特に、超高脂肪食になってしまうので、普通でも消化器症状は起こってしまいやすい食事です。
「食べれる」時期に開始してほしいと強く望みます。
「食べれない」というのはやはり体の強いアラームです。
こうなると、がん細胞の勢いが相当に強い状態ですので、ビタミン・ケトン療法をしても命が救えないことが多くなってくると思います。
意味がないと言っているのではありません。
ビタミン・ケトン療法をすることで、エネルギーが満たされ、最後のQOLが格段に上がることは間違いないと思います。余命も伸びると確信しています。
ただ、多くの患者さんは、「なんとか助かりたい」「死にたくない」という思いで治療に向き合われます。
この点でいうと、取り組んだ「結果」のもたらすインパクトはとても大きいと思います。
結果ははっきりしています。寛解を目指されていた方には、「死」はある意味「敗北」です。
高い治療費を捻出して、周りからもやんやん言われ、よからぬ宗教に入信したような目で見られることも往々にしてあります。終末期にビタミン・ケトン療法に取り組むのはメリットだけではありません。
こんなことを言うと、「何をいまさら」
「お前がいいといったんじゃないか」「無責任な」「うまくいかなかった時には言い訳するのか」
そんな風に感じられる方も多いと思います。
しかし皆さん、どんな治療も、万能ではないということはお分かりかと思います。
メリットとデメリットが物事には必ずあります。
希望をもって取り組むことは非常に素晴らしいことです。どんな状況でもあきらめないで取り組むことで状況が打開することもあります。
でもステージ4、特に炎症と低栄養、がん性貧血と食欲低下が起こってからの治療は、
相当に「厳しい」ということを忘れてはいけません。
私はちゃんとそのことをお伝えできていただろうか。
末期でも治る、きちんと取り組めば必ず良くなる、そんな風に言ってしまっていたんじゃないか
大きな期待を持たせて、結局裏切ることになってしまったのではないだろうか。
最後に糖質制限に出会われ、ご家族で一生懸命取り組まれた患者さん。
静かに旅立たれたと報告がありました。
救って差し上げたかった・・・
周りから吹く風が結構あったと耳にしました。守って差し上げたかった・・・
患者さんが最後に見せてくれた、笑顔が忘れられなくて涙が出ます。
16年この仕事を続けてきて、たくさんの方の旅立ちをお手伝いしてきて、最近では死後の処置をしても泣くことはほとんどなくなった私ですが、
ご連絡をいただき、感謝の言葉を述べられ、ご家族の闘病生活と心情を思うだけで・・・
涙が出ます。
なぜこんなに悔しいのか、なぜこんなに悲しいのかわかりませんが、
すごく悔しくて悲しいです。
人間はなぜ病気になるのでしょうか。
なぜ夢半ばで死ぬようなことがあるのでしょうか。
どうして、大事な人をこんなに冷酷に連れて行ってしまうのでしょうか。
いいわけでも、逃げでも自己保身でもなく、命に向き合う看護師として皆さんにお伝えします。
人生は有限です。
病気になってからでは遅い。
治療より、予防です。
食事を大切にしましょう。
人生を大切にしましょう。
患者さんのご冥福を心からお祈りします。