日本では映画として公開されたようですが、韓国ではWebドラマとして作られた作品です。

10分~15分くらいの短編のドラマ(NHKの「朝ドラ」のようなドラマ)をつなぎ合わせて161分の作品にしているようです。


あらすじ

 キム・ジュソンは、若年性のアルツハイマー病で自分が開発した女性サイボーグ・ボンスンすら忘れてしまい、自ら恋愛感情を持ってしまう。

だんだん思い出しますが、サイボーグのボンスンと恋愛関係にならないように我慢していました。

 一方、ボンスンはサイボーグゆえに、恋愛経験がありません。

キム・ジュソンになんとなく悪い感情を持っていましたが、だんだん気になる存在になり、恋愛感情を抱くようになります。

 常務は、意図した通りに『サイボーグが恋愛感情を持った』と喜びますが、『まさか本当に恋愛関係ではないですよね?』とキム・ジュソンを問い質したりします。

『人間とサイボーグの恋愛?』

『自分が作り出した女性ボンスンとの恋愛?』

ボンスンの記憶すら、キム・ジュソンがプログラムしたものである。

自分の記憶をボンスンに移植するかのようにプログラムしたのである。

そんな存在のボンスンを愛するようになってしまった。

ボンスンも、「自分がサイボーグ」だと知ってもキム・ジュソンを愛している。


 常務は、ボンスンを商品として扱い、世間に公表しょうとする。

キム・ジュソンは、それを阻止して、ボンスンを守ろうとする。

 そんな中で、ボンスンは恋愛感情というサイボーグには複雑なデータ処理が上手くできず、このままでは死んでしまう(機能停止してしまう)状況になる。

キム・ジュソンは、それを解決すべくボンスンの記憶システムから自分を消去する事を思い付く。

ボンスンからキム・ジュソンの記憶が無くなれば、恋愛感情も無くなり死ぬこと(機能停止)もなくなるはず。

 一方でボンスンは、「若年性アルツハイマー病の治療のために、自分を開発した時に作り出した記憶システムを利用すべきだ。」と常務に訴える。

それによりキム・ジュソンを救うことができるとボンスンは考えたのでした。


その後、結局、ボンスンからキム・ジュソンの記憶は消去されました。

 時が流れ、しばらくして、写真家?になったボンスンが現れる。

そして、キム・ジュソンはボンスンに移植した自分の記憶を利用してアルツハイマー病から回復する。

(常務がボンスンの提案を受け入れていました。)


 ラストシーンで、二人は久しぶりに出会う。

笑顔で見つめ合う二人。

ボンスンの記憶では初めて会うはずのキム・ジュソンでしたが、理想の人だとプログラムされていたようで『やっと出会えた』と認識したのでした😊。


感想

コンセプトが良かったし、役者も良かったです。 

ただ、時間が短いので、観る側の想像力に頼る部分が多かったように思います。

いつかは、人間型のAIロボットが世界を席巻して、人権すら認められるようになっているかもしれませんね。

「DNAを持つか持たないかで差別することを禁止する」法ができているかもしれませんね。


Wikipediaを見ていて、ユン・ソヒさんはKAIST(韓国技術科学院←ソウル大学と双璧の理系国立大学)に在籍していたのには好感を持ちました。

(ユン・ソヒさんが演じた『仮面の王 イ・ソン』のピョンス会の長の孫娘、ファグンお嬢様は好きな役でした。)


その他

監督は、クォン・スンウクさん(歌手のBOAさんの兄)

脚本は、ムン・ジヨンさん(他の作品に『スタイル』『I LOVE イ・テリ』『君を守る恋 Who are you』など。)


出演は、

キュヒョンさん・・・キム・ジュソン役(BS電子先端ITチームのチーム長、恋愛感情を持つサイボーグを開発)

ユン・ソヒさん・・・ウ・ボンスン役(BS電子先端ITチームの社員だが、実はキム・ジュソンが作り出したサイボーグ)

チ・イルジュさん・・・ピョン・ジェボム役(BS電子の常務。キム・ジュソンの友人。サイボーグ製作の最高責任者)

キム・ユミさん・・・チェ・ソヒ役(キム・ジュソンを慕う。サイボーグ製作チームの一員でもある。)








あらすじ
ファン・クムラン(イ・ユリさん)は成績優秀で進学校にも行けたのだが、家庭が貧しいという理由で商業高校に進学し、卒業後は時給が最も高かったので書店に就職する。
書店勤務も10年が過ぎ28歳になった頃、結婚することになる。
結婚相手は、母親が経営している下宿学生相手の食堂によく来ていた司法試験合格者だった。
ファン・クムランは、貧しい生活から脱け出せると、すがるように彼について行く決意をしていた。
しかし、彼は上昇志向が強くて、もっとお金持ちのお嬢様と結婚したいと考えていた。
そこで、彼は結婚式の日取りも決まっているのに、お金持ちのお嬢様とお見合いをした。
その相手は、ハン・ジョンウォン(キム・ヒョンジュさん)だった。
ハン・ジョンウォンは出版社を経営する家庭に育ち、一流大学を卒業後にその出版社に入社する。
ハン・ジョンウォンは、ファン・クムランと生年月日が全く同じで、同じ病院で生まれていた。
二人は病院で取り間違えて育っていたのだった。
本当なら、自分があのお金持ちの家に育ち、大学にも進学し、恋愛も思うままだったはずだ。
ファン・クムランは人生をハン・ジョンウォンに奪われたと感じた・・・そして。

こんな感じでドラマが展開し始めます。
当初は、
ファン・クムランは、しっかり者の母と、個性的でハッキリものを言う長女と三女の中で、家族想いの優しい次女で大人しく控え目な女性でした。
ハン・ジョンウォンは、いかにもお嬢様でブランドもので身を飾り、傲慢な印象を与えていた。
しかし、お互いの出生が明らかになってからは、
だんだんと、ファン・クムランはハン・ジョンウォンを蹴落とそうと悪事を企むタイプになり、ハン・ジョンウォンは一途で思いやりのあるタイプへと変化しました。
結局は、ファン・クムランは、挫折と失敗ばかりとなり、最後には刃物で刺されて瀕死の重傷を負います。
そして、だんだんと元の優しい女性へと戻って行って、ハン・ジョンウォンとも友好関係になって行きました。
『きらきら光る』とは、輝かしい誰かになるのではなく、与えられた人生の中で最善を尽くすこと、自分自身でいることが最も輝きを放つということを描きたかったと感じました😄。

しかし、『嘘の嘘』のイ・ユリさんと、『きらきら光る』のイ・ユリさんのキャラクターがあまりに違うので、本当に本人なのかと確かめたくなりました😅。
「どの作品もすべて同じに見える」と言われてしまう俳優さん・女優さんがいる中で、『本当に同じ人なのか?』と思うほど、役になりきってしまうのは凄いですね😊。

脇をかためるのは、コ・ドゥシムさん(ファン・クムランの養母・ハン・ジョンウォンの実母)やパク・ジョンスさん(ハン・ジョンウォンの養母・ファン・クムランの実母)などベテラン女優の共演も興味深く楽しめました。
また、カン・ドンホさんも司法試験受験生役として、ハン・ジョンウォンとファン・クムランの二人を支える男性として誠実さが良かったと思います。
どの世代も楽しめるように、若手からベテランまで上手く配役されていたと思います😅。


韓国ドラマ『嘘の嘘』登場人物(BS12より)
「ヒロインは「福寿草」「凍える華」など、愛憎ドラマの女王として名高いイ・ユリ!本作では、養子に出された実の娘を取り返すために、実の娘の養母になろうとする女性チ・ウンスを演じる。財閥の嫁だったウンスは、ある日突然夫殺害の犯人として逮捕されてしまう。無実を訴えるも有罪となり10年間服役した彼女は、刑務所で産んだ娘が養子に出されたことを知り、娘を取り返すため人生をかけた嘘をつき始める…。娘には柔らかく優しい母の表情を見せる一方で、自分を陥れ娘を危険な目に遭わせた裏切り者には冷たくぞっとするような復讐者の顔を見せるウンスをイ・ユリが繊細な表現力で演じ抜く。本心なのか、嘘なのか、ウンスの人生をかけた嘘に視聴者も騙され、予想できない展開の連続に最終話まで目が離せない!」(韓国テレビ局・channel A公式サイトより)

「愛憎ドラマの女王」・「視聴率の女王」などと呼ばれるイ・ユリさんだけあって、このドラマもプロデュースしたテレビ局・channel Aドラマ史上最高視聴率を記録したそうです。

私も何気なくBS12で見て、そのまま最終回まで楽しみに観ています😊。
イ・ユリさんの作品は初めてかと思っていましたら、Wikipediaで調べると、『明成皇后』や『きらきら光る』も観ていました😅。
かなり前に観たからもありますが、どこに出て来たのだろうかと思うくらいに、
あまりに『嘘の嘘』とキャラクターが違うので、同じ人が演じているとは思えないくらいです。
そのくらいに役になりきっていると言えますね😊。
『嘘の嘘』では、どこか陰がありながらも、純粋さを感じさせる役を演じています。
母の娘に対する愛は凄いものがあり、執着に近いものを感じました😅。
生命誕生約40億年以来、遺伝子のバトンだけは続いていますから、子孫を思う気持ちの大きさは無理からぬところだと思います。
しかも、年齢を感じさせない容姿もさすがだなと思いました。
年齢とともに知性が表情に現れて来ているような気がします。
天性だけでなく、日々の努力の成果だと思います。
ドタバタ劇も大袈裟な設定もなく、全体的に落ち着いたドラマに仕上がっていると思います。
演出が韓国映画『リメンバー・ミー』の監督だったキム・ジョングォンさんなので、なるほどの落ち着きだと思いました。

韓国ドラマ『明成皇后』
純明孝皇后役2001年・20歳
韓国ドラマ『きらきら光る』2011年・30歳
韓国ドラマ『嘘の嘘』その1・2020年・39歳
韓国ドラマ『嘘の嘘』その2・2020年・39歳


663年の白村江の戦いの前の百済を、現代の韓国の人達はどのように見ているかが知りたくて『ケベク』を観ました。

一気に最後まで楽しく観ることができました。

ケベクの初恋の相手のウンゴ(のちに義慈王の妃となる)は、百済の貴族モク家出身でした。
日本の蘇我氏も百済のモク家出身だとする説もあるので興味深かったです。
(ウンゴが落花岩から自殺したような終わり方でしたが、史実だと百済滅亡後に義慈王と息子の太子と一緒に唐に連行されたとあります。)

ウィジャ(義慈王)の父と母は、韓国ドラマ『ソドンヨ』の主人公の武王と善花(ソンファ)王妃です。
善花王妃の姉は、『善徳女王』です。
『ソドンヨ』や『善徳女王』も観たことがあったので、ここも興味深く観ていました。

新羅との最後の戦いの前に、ケベク将軍が妻・チョヨンと子供たちを殺すのは、納得できないところがありました。
背水の陣を敷くために妻が申し出たという事になっていましたが、それでも、「必ず生きて帰るから、待っていなさい。子供たちを頼む。」と言って別れたほうが納得できました。
もし、妻子が生きていて、ケベク将軍が亡くなった後で、他の百済の人達と一緒に倭(やまと)に渡って来ていたら、ケベク将軍の子孫が生きていたかもしれません。
それが少し残念に思いました。

日本に渡来して来た百済の王族は、継体天皇以後だと、おおまかに3つのグループがあります。

1、『帝王の娘・スベクヒャン』のスベクヒャンの父・武寧王の流れをくむ氏族「和(やまと)氏」があります。
和氏は、奈良県の王寺町・天理市あたりに所領があったようです。
和氏から桓武天皇の母である高野新笠さんが出ています。

2、631年に義慈王の王子の余禅広が倭にやって来て百済に帰らずにそのまま留まります。
そして、「百済王(くだらのこにきし)」という氏を名乗るようになります。
その子孫は、難波あたりに本拠地を置き、のちに枚方・交野あたりに本拠地を置くようになります。

3、663年の白村江の戦いで破れた後に、百済の官位第一位・佐平の余自信(よじしん)という百済王族がやって来ます。668年に百済移民たち2000人を引き連れて近江国蒲生郡に移住しています。

その他の王族は、鬼室福信の子の鬼室集斯も、665年に百済移民400人と近江国神崎郡に移住しています。
天智天皇も667年に近江に遷都しているから、余程、百済系の人たちを信頼していたと思います。
江戸時代だと、外様大名は遠くに配置されて、信頼できる旗本・御家人を江戸に置きましたから、天智天皇の百済系の人たちに対する信頼が分かります。

ところで、
桓武天皇には史料に出て来るだけで配偶者が27人いて、皇子16人、皇女19人います。
配偶者の少なくとも9人は百済王族の出身で、百済王武鏡(くだらのこにきしぶきょう)の娘・教仁(きょうにん)との間に大田親王、
百済王俊哲(しゅんてつ)の孫娘・貞香(ていか)との間に駿河内親王がいます。
百済王理伯(りはく)の娘・明信(みょうしん)は、藤原継縄(つぐただ)と結ばれます。
継縄は桓武天皇の時代に右大臣となり、明信は宮中の女官トップの地位である尚侍(ないしのかみ)に就きます。
ウィジャ(義慈王)の子孫が、日本の宮中女官のトップになったり親王や内親王になっているのは興味深いと思います。



「ケベク将軍が亡くなる前後の歴史的な出来事」
660年5月、新羅のキム・ユシン将軍指揮下の5万人の軍隊が新羅の都・金城(クムソン)を出発。
660年6月、唐の蘇定方指揮下で13万人の水軍が百済へ向かう。
660年6月21日、徳勿島(トクムルド)で、蘇定方と新羅の太子キム・ボムミンが作戦会議。
660年7月9日、黄山の戦いで、ケベク将軍指揮下の5千人とキム・ユシン指揮下の5万人激突、百済軍は20数人の捕虜以外はケベク将軍以下全員が戦死。
660年7月9日、白江の戦いで唐軍が百済軍を破り、唐軍と新羅軍が合流し、錦江(クムガン)沿いに百済の都・サビ向かって進軍。
660年7月12日、サビ城陥落、義慈王(ウィジャ)は百済の旧都のウンジン城へ逃れるが、逃げ遅れた官女3千人が扶蘇山(プソサン)城の断崖から白馬河(ペンマガン)に身を投げる悲劇が起きる(落花岩)。
660年7月18日、ウンジン城陥落、百済滅亡。
660年9月2日、義慈王以下王族および臣下93名と人民1万2千人が唐に連行される。
連行後2ヶ月も経たないうちに義慈王(ウィジャ)崩御。
661年6月、新羅の武烈王(キム・チュンチュ)が崩御。
661年7月、百済再興のために九州・筑紫の朝倉宮に来ていた斉明天皇が崩御。
(参考文献・日本書紀、三国史記新羅本紀、続日本紀、韓国歴史地図(韓国教員大学歴史教育科著・吉田光男監訳・平凡社)、継体大王と渡来人(森浩一・上田正昭編・大巧社))


今週の土曜日(2022年2月12日19時30分)にNHKBSプレミアムで「藏」が再放送されます。

初回はもう25年くらい前みたいで、今まで2回NHKで再放送されたようです。



宮尾登美子さん原作で、中島丈博さんが脚本を担当しています。

主演は松たか子さん、子供時代を井上真央さんが演じています。

その他に、壇ふみさん、鹿賀丈史さん、高橋恵子さんなどが出演しています。


Amazonの紹介文を抜粋すると、

「新潟の造り酒屋に生まれた烈は、病気のために失明する運命にあった。
しかし、烈は、叔母の佐穂に支えられ、逆境に負けず、強くたくましく生きていく。
烈と佐穂、相反する立場と性格の二人の女性を軸に、過酷な運命を生きる家族の愛憎と絆を描く。」以上抜粋。


私が印象に残っているのは、烈の母(高橋恵子さん)が亡くなった後、再婚相手は母の妹で叔母の佐穂さん(壇ふみさん)かと思っていたら、無情にも若い女性(洞口依子さん)と再婚したことです。

佐穂さんの娘時代を小島聖さんが演じていますが、その時代から想いを寄せていたのに、恋は叶いませんでした(しかし、最後の最後で・・・😊)。

一方、烈は、視覚障害者で盲目ゆえに見た目ではなく心で相手を選んだようで、お嬢様であっても身分が下の男性と初心を貫き結婚しました(結局は二人とも初恋を成就させましたね😊)。

(第13回(1996年)ATP賞テレビグランプリ受賞作品)



NHK・DVD「藏」表紙より、松たか子さん


NHKアーカイブス「藏」より、壇ふみさんと井上真央さん(叔母と姪)

NHK記者会見より、「藏」から20年後、大河ドラマ「花燃ゆ」で再会した壇ふみさんと井上真央さん(母と娘)
ドラマでありながら、その時代を生きた記録のように年を重ねて行く姿が残って行くのは役者として嬉しいのではないかと思います😄。

NHKのサイトより。

現在、NHKBSで放送中の「王女ピョンガン 月が浮かぶ川」を見ています。
まだ最後まで見ていないのですが、途中でも書きたくなりました。

高句麗の王女の話です。
日本では推古天皇や聖徳太子(厩戸王)と同じ時代のドラマになります。

韓国は王にまつわるドラマがよく作られますね😊。
日本だと、天皇に関するドラマはほとんど作られません😢。
皇子や皇女の中でまだ見ぬキャラクターの人を脚色して、素晴らしいスターを作り出せる可能性がありますね。

私は女性で武術の達人が登場するドラマが好きなので、このピョンガン王女の達人ぶりは嬉しい限りです😄。
『オクニョ』や『チェオクの剣(茶母)』など女性が主役で武術の達人でもあるドラマが好きな人なら興味深く楽しめると思います😊。

これまでの話を簡単にまとめますと、

ピョンガン王女は、敵対勢力の策略により母である王妃は殺され、母(王妃)と同じ現場にいた王女は何とか生き延びるのですが、妙薬により記憶を失い、刺客として育てられました。
8年が過ぎたある時、「もう刺客をやめたい」とリーダーに願い出ると、「最後に王を殺せ!」と指令を受けます。
記憶を失っているため王が父とは知らないで、危うく殺しそうになりますが、薬の効き目が薄れ、徐々に記憶を取り戻し、元乳母との出会いもあり自分が王女であることを自覚します。
そして、父である王に、そして、母の王妃を殺した敵対勢力にも、ピョンガン王女が生きていることを知られました。

今後、王女ではなく一般人として生きるのか、王女として生きるのか、そもそも母の王妃を殺めた敵とは、母の王妃をかばったために逆賊扱いされて処刑された部族の将軍の息子との恋愛は・・・など様々なことが交錯する中で、今後のピョンガン王女の生き方が見ものとなります😅。

資料を参考に脚本されていますが、参考文献はわずかなので、創作しやすいかもしれません。
韓国の時代劇は脚色がすごいので、同じことを日本でしたら、「史実とは違う!」と批判されそうです😅。

日本も本当は古代天皇家について、百済との関係や廃妃・廃皇太子された皇族の話などを脚色して興味深いドラマにしやすいと思いますが、王がいない韓国と違って、天皇が健在している日本では書きにくいのかもしれませんね(^_^;)。







韓国ドラマ『武神』


最後をどう描くのか?気になって見ていました。

最後は、主人公のキムジュンが暗殺されるシーンで終わりました。

その後、高麗王がモンゴル(元)に服従し忠誠を誓う証(あかし)として、王は「忠」の文字を名前に使う事になったことはドラマでも伝えていました。

これは日本で例えるなら、太平洋戦争で負けた後に、皇族男子の名前に使われる「仁」の字を「忠」に変えられるようなものですから、かなりの屈辱的な出来事だったと思います。

もしキムジュンが暗殺されなかったら、もう少しモンゴルに徹底抗戦していたと思います。


ドラマでは描いていませんが、この後、キムジュンの家族は子供も含めて皆殺しになっています。

子孫はすべて殺されました。

つまり、ホンアルムさん演じる妻のアンシムさんも亡くなっていたと思います。

マキャベリの「君主論」、孫子の「兵法」にあるように、非情ながらも、将来の憂いは断つのが権力闘争に勝つために必要なのかもしれません。

それをしなかった平清盛は、源頼朝を生かしたばかりに後々、平家を滅亡させました(実際は滅亡してはいないのですが)。


私はもっと家族だんらんシーンが見たかったのです😅。

武神ではそんなシーンはほとんどありませんでした😥。

それでも、元寇の前に朝鮮半島で何があったのか、モンゴルと高麗はどんな戦いを経て日本に攻めて来たのかを垣間見ることができたと思います。






『いっしょに走ろう』(道下美里さん著)(『』→本文から抜粋)


この本は2015年5月に原稿を書き終えているようなので、リオデジャネイロパラリンピックの前に出版されています。

この本の後に、リオデジャネイロパラリンピックで準優勝、東京パラリンピック優勝されています(銀メダル、金メダル)。

あの明朗さはどこから来ているのか気になり著作を読んでみました。


『実家は「中野書店」という本屋さん。人々が活字に飢えていた戦後間もない1948年に祖父が創業しました。最盛期には本店の他に六つの支店を構えるほどの規模がありました。』

本店以外に6店舗もあるなら、地域ではかなり大きな本屋さんだったのではないでしょうか。

奈良県で言えば、全国規模の書店の奈良支店を除くと、7店舗もある地域密着の本屋さんは、1社くらいかと思います。



『中学二年で右目の視力を失う』

成功率97%と言われた角膜手術、計4回の手術でも視力が戻ることがなく失明することになりました。

手術後の高熱と吐き気で血の混じった涙を流したそうです。

それでも、まだ左目が見えたので、その後、高校では体育の授業も普通に受けていたそうです。

中高生の頃は、アイドルを目指していたそうです。


『右目はダメだけど左目がある。それは私の希望でした。その希望さえ奪われたのは、短大を卒業してレストランに勤めていた時のことです。

その頃の夢は、レストラン経営でした。自分のお店を持って、将来いっしょになる人と小さなレストランを経営したいな、なんて思っていました。』

無事に調理師の免許もとって、夢に邁進していた矢先に、左目に右目と同じような症状が現れはじめて、レストランの仕事にも支障をきたすくらいに視力が落ちてしまい退職することになります。

レストランを辞めてから、実家の書店で働いている時も、注文票の枠の中に文字が書けなくなり、お客さんには「他の人を呼んで来てください」と言われるようになります。


『そんなある日、親子連れがレジに並びました。その小さな女の子は、お母さんの後ろに隠れる形で、わたしの目をじーっと見つめていました。そして、「お姉ちゃんの目、こわーい」、その言葉を聞いた瞬間、私は胸にナイフを突きつけられて、えぐられるような気持ちになりました。「私の目って怖いんだ」そう思うと涙があふれ出てきました。』

子供の何気ない言葉に、書店にも居場所がないと感じるようになり、病院に向かいます。

遺伝子検査で、「膠様滴状角膜(こうようてきじょうかくまく)ジストロフィ」という常染色体劣性遺伝疾患だとわかります。

その結果を受けて、盲学校に行くことになりました。


『盲学校で過ごした三年間は、私の人生を切り開いてくれたかけがえのないものでした。ここで出会ったクラスメイトたちは、目が見えないというハンディキャップがあるにも関わらず「超」がつくほど前向き。

そんなクラスメイトたちと生活をともにすることで、私もどんどんものごとを前向きに考えられるようになっていきました。』

盲学校に入ったことで、今、私たちが知っている明朗な道下さんができ上がったようです。

盲学校は、10代から50代まで幅広い世代の人々が学んでいるようです。

そして、盲学校で出会った50代の韓国人女性に、「盲学校に来たからあなたはもう大丈夫。学校に来るということは前向きな人、前向きになれた人。あなたもそのうちの一人になれたのだから、もう大丈夫ね」と言われたそうです。

すぐには前向きになれなかったと書いていますが、後の道下さんの活躍を見ると、その通りだったのではないかと思いました。

この本に出てくる盲学校の人々は前向きな人が多いという印象を持ちました。

絶望を知った者が出せる明朗快活さや優しさがあると思いました。


『走るきっかけはダイエット。

ダイエット目的で放課後にランニングをはじめたんです。200メートルのグラウンドを毎日10周、二キロ走って帰ることを日課にしました。』

目が悪くなって運動不足になり、ぽっちゃりしてしまったのが走り始めるきっかけだったようです。

中学時代に陸上部だったそうなので、走るのは好きだったと思います。

それから、盲学校の陸上大会に出るようになり、現在の活躍に繋がっています。

職業選択は、『好きなこと、得意なこと、お金を稼げること』この3つが重なるものがいいと勝間和代さんがおっしゃっていましたが、走るという好きなことが、毎日の練習により陸上大会で優勝するほどの得意なことになり、それで生計が立てられるようになったのですから、とても良いかたちで人生を切り開いて行ったと思います。


彼女も障害を受け入れられない時期は、白杖を使うのを避け、友だちにも目が見えているふりをしていたと書いています。

盲学校に入ることで、だんだんとすべてを受け入れて、本来の彼女の明朗さが出て来たように思います。

いろいろな人に協力してもらっても、それを「人に迷惑をかけているから走るのをやめよう」ではなく、「それゆえに、精一杯がんばろう。結果で恩返ししょう。」というタイプの人間になって行ったように思います。

私たちは、往々にして他人迷惑をかけるのを避けるために、一人で抱え込んでしまう傾向があると思います。

それと同時に、私たちは、前向きに頑張っている人を協力できたら、嬉しいという傾向もあると思います。

応援した人が良い結果を出してくれたら、こちらも幸せになります。

彼女は、そんな感じで周りの人々の協力を得ながら、周りの人々を幸せにしているのではないかと思いました。

この本が出版された6年前よりも、今年の東京パラリンピックの方がマラソンの記録が良いのが努力の賜物だと思います。

抱えている問題は人それぞれ違うと思いますが、彼女の本を一読したら、前向きに頑張る姿が励みになると思います。





(テレビ大阪の紹介ページより添付しました)

2017年4月4日から9月17日にかけてKBS2連続ドラマとして放送され、子供の命を守るため刑務所に入り名前を捨てた女と我が子を守るためならどんな手段を選ばない女の葛藤を描いた作品。(Wikipediaより抜粋)


9月29日、再放送全75話の最終回でした。

早い段階で、敵対する二人が実の母娘だと視聴者は知っている設定なので、いつ二人がお互いを母娘だと認識するのか気になっていました。

70話前後で、やっとお互いに母娘だと知りますが、娘の方がなかなか素直にはなれず、それまで通りに母を『ホン・ジウォン』と呼び捨てにしていました。

娘のソン・ヨリからしたら、殺人犯にされて10年も服役し、生まれたソン・ヨリの娘は移植ドナー用に勝手にホン・ジウォンの養娘の養子にされ、育ての父も10年以上監禁状態だったという事実から、それを裏で指示していたホン・ジウォンに対して、『実の母です』と言われても、すぐには素直になれなかったのでしょう。

服役途中に、一時脱獄して、司法試験に合格し弁護士になりますが、その時、戸籍上の父母になってくれた支援者夫婦とは最後まで良好な関係となりますが、養母ずっと『オモニ』と呼んでいました。

だから、きっと、最後は敵であった実母のホン・ジウォンを『オンマ』と呼ぶだろうと思っていました。

今まで見た韓国ドラマで、離ればなれだった実母と子供の再会では『オンマ』と号泣するシーンが印象にあったからです。

やはり、このドラマの最後にも、『オンマ』と号泣してホン・ジウォンを見つめるソン・ヨリと、笑顔で微笑むホン・ジウォンの姿がありました😭。

本当のラストシーンは、孫娘のソン・ボムが母ソン・ヨリと祖母ホン・ジウォンに駆け寄るところで終わりました。

あと数秒延ばして、三人が寄り添っている画像で終わっても良かったのではないかと思いました😅。


「終わり良ければすべて良し」的な終わり方でしたが、途中、そんなバカなと思うシーンがたびたびでした😥。

でも、良かった点は、実の母娘と分かった後に数話分ドラマが続いた事です。

例えば『恋するダルスン』では、最終回に実の母娘だと分かって、それでエンディングでしたので、見ている側としては、もっと仲良くするシーンが見たかったという想いがありました。

この『名前のない女』は、実の母娘と分かった後も、(母は娘を助ける側になりますが、娘は過去の犯罪行為により素直にはなれなかったにせよ)、ドラマを数話分描くことで、見る側としては納得できるところもあったと思います。

本当は、記憶喪失になった状態ではなく、確実に正気に戻った状態で、『オンマ』と呼んで抱き合い、普通に幸せに暮らす祖母・母・孫娘の姿が見たかったのですが、それは見る側の想像の世界に任せる方がドラマのエンディングとしては最善なのかもしれませんね😊。




『勝間式ロジカル不老長寿』(勝間和代さん著)

抜粋(・・・箇所は付け足し補強)


『老化とは、死に至る慢性病である。老化は病気だと考える。老化は細胞分裂する際のミスコピー・・・老化は、転写ミスが重なることで、シミ、シワ、イボなどが外見上見えて来る現象。老化が進んでいるとは、細胞分裂のミスコピーが増加しているシグナルである・・・』


『アンチエイジングは、老化への治療である。』


『人生100年時代を生きる場合、70~80歳を超えたときに、3つのリスクに対峙しなくてはいけなくなります。その1・身体的な衰えのリスク、その2・金銭収入減のリスク、その3・社会的つながり減のリスク』


『体幹や上半身に比べて、下半身の筋肉は20歳以降の衰えが著しい。下半身の筋肉を維持するために、意識的に散歩やスクワットをしなければならないのです。』


『金銭収入減のリスク対策は、若いうちのマネジメントが大事』


『私たちは高齢になればなるほど、若い人たちからは敬遠されがちだということは、十分に自覚する必要があると思います。同世代の人としかつるめない高齢者というのは、若年層の人たちには魅力のない人たちです。』


『高齢者であっても社会に貢献し、対価として金銭を得るには、それなりの魅力を保っていないと実現できないことだと思います。』


『私たちの寿命と普段の歩行スピードは相関しているようで、実年齢にかかわらず、歩行スピードが速い人は健康寿命が長く、逆に遅い人は健康寿命が短いのです。・・・100歳以上と長寿だった𠮷行あぐりさんや100歳まで長生きされた新藤兼人監督は、亡くなる直前まで毎日1時間くらい散歩されていたと著作に書いていました・・・』


『労働時間は最低でも7時間以内、できれば6時間以下まで下げることが好ましいでしょう。そうでなければ、1日1万歩歩いたり、8時間以上睡眠をとったりするなんてことはほとんど不可能な気がします。』


『昭和の8時間労働は、令和では4時間に短縮することだって不可能ではないのです。

1日4時間労働のライフスタイルが好ましいのは、人生100年時代の今日、100歳もしくはそれに近い年齢で、死ぬまで働き続けることができる見込みがあることに尽きます。』


『十分な睡眠こそが万病への特効薬となり、老化から認知症まで、多くの病気を防ぐことがわかってきています。』


『寝るということが、最も物理的に効果のあるアンチエイジング法だと、改めて実感しました。』


『私は、自分でお金を稼いでいる人と、これまで貯めた資金と年金のみで暮らしている人では、まったく違う「人種」になってしまう、ということを嫌というほど体感した。』


『当たり前のようにお酒を飲んで、白米を食べて、65歳を仕事の終点と考えて人生設計をしている人が大半の世の中で、本書を読んでいるみなさんは、ぜひお酒や白米を控え、100歳を終点とした人生設計に、いち早く切り替えてほしいのです。』


『ロールモデルを持つ。私自身は、コンテンツ制作者ですから、ロールモデルの1人として作詞家で音楽評論家の湯川れい子さんを尊敬しています。』


『こうした話を総合して考えると、企業勤めで60歳、あるいは65歳で定年がきて、その後は年金暮らしという生活スタイルは、危険だということが直感的にわかっていただけるのではないかと思います。』


『高齢者の人たちは、自分の子どもや孫からどれくらい大事にされるかは、実は、その人が十分な財産を持っているかどうかの影響が色濃いのです。』


『お金に余裕がある間は誰でもだいたい良い人』


『自分が日常的に「このように暮らしたい」と思うライフスタイルを気持ちよく送ることができるだけのフローとストックがあることで、私たちはいつでも自分らしく振る舞うことができるようになるのです。』


『企業に勤めながら副業を始めたり、もしくは独立したりするのは、「怖い」と言う人も多いと思います。しかし、私から見れば、手に職がないまま60歳、もしくは65歳の定年を迎えてしまうほうがよっぽど怖いです。』


『私たちは、一回しかないこの人生のなかで、さまざまな創意工夫でお金を稼ぐというのは、最高のエンターテイメントである、と考えるスイッチを押す必要があります。』


『少なくとも40代を超えてくると、年齢よりも若く見える人は総じて人気があり、年齢よりも老けている人は総じて人気がない、ということを改めて意識しましょう。』

以上、抜粋。


<感想>

 勝間さんは読書家だなあと感心します。

医学や栄養学の専門家なら当たり前に知っている知識だとしても、他の分野の評論家である勝間さんが本にまとめるとなると、参考文献を読みこなすだけで大変かと思います。

でも、勝間さんは、好きなこと、得意なこと、をする人なので、出される本はご自身が興味を持った分野なのだと思います。だから、楽しく読書したのではないかと思います😊。

 老化とは、慢性的な病なのだという発想がなかったので、新鮮に思えました。

長年、体を使用して来たら、細胞分裂する際にミスも起こるようになり、それが積み重なってシミやシワなどが目立ち始める。

だから、「老化は、シミやシワなどという外見により、細胞分裂の転写ミスが多発しています!」という合図なのですね。

アンチエイジングをムダなあがきと軽くみる人もいますが、死ぬ間際まで心身ともに有効活用するために必要なことだとこの本を読んで思いました。

 健康でお金に余裕がある人は悩みが少なく、不健康でお金に余裕がないと人生の選択ミスも増えるものですから、何事も余裕があるうちに準備しておくのが良いですね😅。