W杯プレイバックレポート 日本-ソロモン諸島
テーマ:W杯②
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日本 7-2 ソロモン諸島
胃が痛くなるような試合とはこのような試合を指すのであろう。確かにソロモン諸島(以下ソロモン)のポテンシャルは素晴らしかったが…。日本のW杯初勝利は決して喜べない、怒りさえ込み上げて来るような勝利となった。
日本はこの試合から稲田が合流し、さらに稲葉の出場停止を受け浦安セットに金山を入れる。これにより、稲田-金山のCASCAVELコンビが復活する。だが、小野の怪我は重傷のようでこの日メンバーから外れた。
2分、左サイドでその稲田の縦パスから藤井の折り返しを金山が決め日本が先制。9分には稲田のパスを受けた木暮が一旦足裏でナメてGKのタイミングをずらしてから技ありシュートを決め2-0とする。 さらに、11分には右サイド金山の折り返しを小宮山が詰め早くも3点差をつけまずは一安心となるかと思われた。
この日1得点2アシストの金山。チームとしては苦戦したが、金山にとっては失っていた自信を取り戻す良いきっかけとなる試合だった。
だが、今日の日本はここで畳み掛けられない。なぜならこの日は対ソロモンのスカウティングの結果ということでサッポはピヴォ当てを選択するが、如何せん付け焼刃の雰囲気は否めず、パス回しの面でギクシャクしてしまったからだ。まるで、4年前にタイムスリップしたかのようなやり方だ。ピヴォ当て自体を悪とする訳ではないが、特に木暮、小曽戸、金山、北原の2ndセットの連携が悪く、木暮は両手を広げ盛んに主張する。そのことについて、小宮山はこうフォローする。
「彼はいつもアラでプレーしている。だけど、今回はピヴォでプレーしている。いろいろな部分があると思うんです。今までは言い合うというのがあまり無かったと思うんですよね。やっぱり、木暮、鈴村、小野が言った事が全部が正しくて、パッと見はギスギスした部分があるのかなと、でも前は言いたくても言えなくて、どこかでフラストレーションがたまっていた。でも、今はバンバン試合中に言い合えるというのは、大きな部分だと思うんですね。試合の中で合わせるのっていいか悪いかって言ったら悪いと思いますけど」
この小宮山の願いも空しく、17分、一つのプレーで流れは大きく変わる。決めたのは前田だ。左サイドからエリオットが中にドリブルで切れ込む。一旦は小曽戸がボールを触りボールは前田の足元へ。これで難を逃れたかに思われた次の瞬間、彼は何を思ったか自陣のゴール右上へ豪快に蹴りこむ。川原は一歩も動けずソロモン諸島へ1点をプレゼントした。日本ベンチは一瞬何が起きたかわからない様子だった。どうやら前田はうまくいかないチームに喝を入れる為、クリアボールを思いっきり蹴ったようだが、結果は最悪の自殺点。
これで一気に雰囲気が悪くなった日本。それに対し、勢いに乗るソロモンは1分後、ギニオのファー詰めで3-2とする。一気に試合はわからなくなってきた。ちなみに、このシーンでギニオのマークをしていたのも前田だった。彼は1分前の悪夢をおそらく切り替えられていなかったであろう。自殺点を決めた瞬間に前田を代えてあげるべきだった。前田を潰さない為に監督として配慮があってもいいと思うのだが…。その後は何とか凌ぎ前半を3-2で折り返す。
序盤からソロモンの高いポテンシャルに苦しめられた日本。だが、後半の"ケンタゴール"で日本は息を吹き返す。
とにかく何とかしたい日本は、後半開始早々、川原のロングボールに対し、裏へ飛び出した藤井がダイレクトでGKの股下へ蹴り込み4-2と貴重な追加点を挙げる。この1点で日本はやっと落ち着きを取り戻す。
するとその後は、今大会チームの得点源である小曽戸の裏への飛び出しからの2ゴールや、金山がノールックでファーサイドの稲田へというCASCAVELコンビのゴールが決まるなど7-2とソロモンを突き放し勝負を決めた。とにかくこれで日本は記念すべきW杯初勝利を挙げ、最悪の事態だけは間逃れた。
だが、選手達の顔色も良くない。それもそのはず、内容であまり得るものはなく、どうやらチームはブラジル戦での大敗でバラバラになりかけているような感じすら受けた。とにかく今チームの状態は最悪だ。それでも、勝てた。
「プレッシャーとかもある中でまずはこの一勝を自分達でどう持っていけるかがポイントになる。一人一人がもっと自信を持たないといけないのかな。自分達がやってきたことの集大成なんだからそれをやるしかない。このチームならできると自分では思っている」
と藤井はポジティブに自分に言い聞かせるようにこう振り返る。確かに今回の勝利は相手がソロモンだったからに過ぎないが、この勝利でとりあえずは次のキューバ戦につながったことは事実だ。そう、立ち止まってはいられない。戦うのだ、今までの集大成を出すために。














