柏木信昭先生



幼児教育・保育研究会-柏木信昭先生



聖ドミニコ幼稚園園長


青山学院大学大学院博士課程修了後、短大、専門学校にて保育士養成に関わり、平成17年より聖ドミニコ学園幼稚園園長就任。


幼児教育・保育研究会-幼児教育・保育研究会第3回



タイトル:『聖ドミニコ幼稚園の生活』



今日、ご参加の方は、保育に実際に関わっている方、もしくは関心のある方ばかりということなので、幼稚園の単なる紹介というより研究会にふさわしい少し突っ込んだ内容でお話したいと思います。私も勉強になるので是非ご意見、ご質問などお願いします。

聖ドミニコ学園幼稚園は、世田谷区の岡本という住宅街の中にあります。緑にあふれたところです。今年で55年目を迎えました。もともとは、世田谷の池尻にあったイメルダ幼稚園から経営を継承した幼稚園です。学園自体は、目黒区駒場にあり、昭和29年学校法人の認可を受けました。379月に今の岡本の地へ移転しました。

幼稚園の規模は、全園児240名で6クラス編成になっています。縦割り混合保育をしており、各クラスに年長、年中、年少が約13名ずついます。担任各クラス2名です。

一日の生活の流れをお話します。

9時登園して、それぞれのクラスで、モンテッソーリの教具に取り組むことを中心にした時間があります。これは「おしごとの時間」といいます。教具を使って感覚機能を伸ばし、直観力や知的な能力を伸ばします。大人のお仕事と似ている事からこう呼んでいます。

このモンテッソーリ教育法は、イタリアの女性医師として初めて博士号を取得したマリア・モンテッソーリが確立させたものです。当時、勤務していた精神病院で知的障害があると見られた幼児に教育の可能性を発見し、自らの「子どもの家」を設立し、試行錯誤しながら独自の方法論を作り出しました。

子どもたちは教具に取り組む時、自分で自由に選ぶことが出来ます。始めに教具の使い方を、伝えますが、実際に取り組んでいる時は、どの子どもにも、教師からは、強制的な声かけをしないようにしています。

私たちが、縦割り保育を採用しているのは、社会生活をする上でその形態が最も自然だからです。年下の子どもが年上の子どもに憧れ、年上の子どもは見本になるよう努めるということが、クラスの中にあります。

年長は下の学年のお世話をするが、手伝い過ぎてはいけないことを理解しています。自分の分を子どもなりにわきまえている子どもが多いと思います。

幼稚園の設置基準では、同年齢で保育するというのが基準となっているので、同年齢同士の活動も活発に行っています。運動会、クリスマス発表会、お別れ会は、学年別に活動を行っています。同年齢の子ども同士で刺激し合うことも成長にとってはとても大切だと考えています。

1020分頃からお祈り

今までは全館放送で園長がお祈りの先導と聖歌のテープ流し、講話をしていた。しかし、お祈りは本来放送でするものではないと考え、今年から、各クラスで担任がピアノを演奏して、お祈りをするように変更した。信者ではない教師が多いので、職員と共にカトリックの教えを学んでいる。聖職者が宗教教育、保育者は生活教育と別れてしまうのではなく生活そのもの中から、神様が伝わる教師になることを目指している。宗教は、作法や、神様に関する知識を得ることではない。神様がいかに自分を知っているか、守って下さっているかを伝えることだ、と職員に伝えている。私が神様のことをどれくらい知っているか、よりも神様に守られていること、家族からも、友達からも、先生からもみんなから自分が愛されているということを認識することによって、それを外に向けていく力が湧いてくる。これが愛するということ、それを伝えて欲しいと職員に伝えている。

1040分~外遊び

私は、外遊びそして自由遊びを重視しています。全園児が一斉に外遊びに出ています。外遊びは、生活活力を作っていくと考えているからです。

1130分~お弁当

お弁当の前などクラスで集まる時に、発表の時間というのがあります。これは、家で作った物や、ピアノの発表、家族でしたイベントの話などなんでも発表することが出来ます。お父さんお母さんから発表の用意が出来ている旨の連絡があれば、いつでも発表する機会を作っている。みんなの前で自分を表現する練習になっています。

後は園生活の様子を映像でご覧下さい。



幼児教育・保育研究会


質疑応答・意見交換


Q:初めて入園した子どもは、園生活に馴染むのが難しいかもしれないが、早く慣れるための工夫はあるか?

A:園生活に入る前に体験入園という日が3回あり、子どもの様子を見ています。モンテッソーリの活動に関しては、年少の子どもは見ているだけ、うろうろしているだけということもありますが、子どもが興味を持てるものを色々観察しながら教具を並べるなどしています。


Q:お子さんが年齢の違うお子さんの面倒を見る場合に、担当は決まっているのか?

A:年長の子どもと年少の子どもの組み合わせは決まっています。お世話をする場合もあり、葛藤する場合もあるが、それも経験だと思っています。


Q年長がうまくいかずにストレスを感じる場合どうしているのか?

A:自分の担当する子について、教師とゆっくり話しながら良い関わりが持てるように話をしています。自信をなくしたり、嫌になったりということがないよう、粘り強く対応しています。すぐに成果を求めるのではなく、時間をかけて寄り添っています。


Qモンテッソーリ教育の難しさと学びの時間がかかることは自覚している。教具の値段も高い。教義も難しい。保育の専門性が高いと認識している。その中で、教員教育に特に時間をかけていることは?

A:教師自身が、希望し、園長が認めた研修に出来るだけ出しています。そこで得たものを全員で分かち合っている。教師に、この仕事の本当の面白みと深みを味わってほしいと、思っています。


Q:同じようなモンテッソーリの園でやっていたが、子どもと親が最近変わってきている事を感じた。その辺は、変わってきているか。

A:私は、園長になって5年で、昔との比較が十分に出来いのですが、あまり変わっていないような気がする。


Q:最近の親は子どもから離れられるようになるまで時間がかかったりもする。両親教育への心配りが大きくなってきている気がする。

A:親が子離れできないことは、自分も気になったことはありました。なので、体験入園があって、その際に、子どもを奪っていきます覚悟してくださいと話をしている。

なんてひどい幼稚園だと思うと思うが、後から必ず良かったんだと思えるはずだ、と伝えている。


Q縦割りの教育は面白い。年少と年中だけだと縦の関係が難しいが、年長がいるとうまくいく。その場合の年中の役割が難しい気がしている。年中を育てるのはどのように工夫しているのか。

A:年中は、一人で何でもできて、人のお世話も出来る年長になるための一段階と位置付けています。年中は年中の課題があって、それを縦割りの中で伸ばそうと思っていますが、確かに難しさを感じています。小学校34年や中学2年生の難しさと似たようなものがある。


Q縦割りだと位置が決まっていて、小さな集団だが、同じ学年で遊ぶ場合が多い。同じ学年の中での位置付けが変わってきたりもするが、いつも上下関係が固定されているのは、どうか、

A:兄弟の中での上下関係と同じように考えている。同じ年の子どもだけで1日生活したり、お弁当を食べたり、外遊びでは、同年齢で遊んでいるので、いろいろな関係作りが出来ていると思います。


園内の職員間の情報共有のデジタル化に関して・・・

G:保育園でもデジタル化は進んでいる。全員が使用している。


Q大人への宗教はどうやって伝えていくのか

A:保護者への宗教は、幼稚園ではしていません。学園全体で講話の時間があるので、そちらに関心のある方は出ています。教員は、宗教やキリスト教に抵抗のある人は就職してきません。園長が、宗教講話を職員にする場合、信仰を強制するのではなく、幼稚園として子どもに伝えたいこと、キリスト教の姿を客観的に話しています。

以上





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