生頼範義展Ⅱ 図録閲覧! | 映画と旅と洞窟のブログ

生頼範義展Ⅱ 図録閲覧!

世界的イラストレータ-として活躍した生頼範義氏が、2015年10月27日に、宮崎県内の病院で肺炎のためお亡くなりにました。享年79歳でした。

その生賴範義氏の展覧会が、みやざきアートセンターで行われました。題して「生賴範義展Ⅱ 記憶の回廊」2015年7月9日~8月30日の開催でした。ニコニコ

とても見たかった展覧会でしたが、さすがに宮崎県まで行けません。せめて図録だけでもと思い通信販売で予約購入しておきました。クラッカー
まだ中身を観てなかったのですが、ようやくじっくり鑑賞することができたので、改めてご紹介します。本

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みやざきアートセンター「生賴範義Ⅱ 記憶の回廊 1966-1984」

生賴範義(おおらいのりよし)と聞いてピンとくる方は、かなりのSF通ですね。ひらめき電球あまり聞いたこと無い方のほうが多いかもしれません。はてなマークしかし名前は聞いたことがなくても、その作品は誰でも一度は目にしたことがあるほど有名な作品が多いのです。では、図録を見ながら、生賴範義の仕事をみてみましょう!音譜

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『スター・ウォーズ 帝国の逆襲』

1980年、SF雑誌に発表した「スターウォーズ」のイメージ画が、ジョージ・ルーカスの目に留まり、映画のポスターデザインを正式に依頼されました。ビックリマークそれが、映画『スター・ウォーズ 帝国の逆襲』の国際版ポスターです。合格

卓越した構成力で、SWの作品世界を一枚のポスターに凝縮したこの作品は極めて高い評価を受けました。この作品によって生賴範義の名は世界的に有名になりました。ひらめき電球

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「ゴジラFINAL WARS」

また1984年から「ゴジラ」シリーズのポスターを手掛けて、「ゴジラFINAL WARS」まで平成ゴジラシリーズの全てのポスターを担当しました。メラメラ日本人なら、映画館や雑誌などで何度も目にしたことがあるはずです。チョキ

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『狼の紋章』挿絵(ハヤカワ書房)

しかし生賴範義といえば、なんといっても平井和正や小松左京など、日本の代表的なSF作家達の装丁イラストですね。ビックリマーク

特にハヤカワ書房から発表された、平井和正のウルフガイシリーズで初めて、SF小説向けイラストを書いてから、SF小説の挿絵画家としてその才能を発揮しました。メラメラ

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幻魔対戦シリーズ(角川書店)

生賴範義は兵庫県明石市出身で、東京芸術大学美術学部を中退後、1962年からイラストレーターとして活動しましたが、漫画雑誌「ぼくらマガジン」の漫画版ウルフガイの表紙イラストを描いたのが縁で、早川書房の編集者がその才能に目を付けて、SF小説の装丁イラストを依頼したのが始まりです。ひらめき電球

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アダルト・ウルフガイシリーズ(祥伝社)

一連の平井和正のSF小説では、タイトルカバー及び挿絵イラストを担当しました。ビックリマーク
平井和正と生賴範義のコンビはその作品世界とイラストが読者の想像力をさらに喚起して、ウルフガイシリーズや幻魔対戦シリーズなどのSF小説が大ヒットしました。!!

実際の書籍と比べてみると、原画の迫力が伝わってきますね!ビックリマーク青年時代には、ウルフガイ・ストーリーと生賴範義のイラストに、興奮して、ページを捲ったものです、懐かしい。グー

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小松左京『果しなき流れの果に』『神への長い道』他

また、小松左京、豊田有恒、西村寿行、笠井潔、清水一行、大藪春彦など、日本を代表するSF作家や冒険小説の装丁イラストを制作しています。ビックリマーク
そのいずれもが、日本人離れした骨太で力強いビジュアルと卓越した表現力で、大くの人を惹きつけました。目

小松左京氏は、自著のイラストを観て、外国人イラストレーターだと思っていたそうです。あせる
他にも「信長の野望」「三国志」「提督の決断」等、ゲームのパッケージイラストも手掛けています。音譜

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笠井潔『ヴァンパイア戦争』(角川ノヴェルス)

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『月刊パーゴルフ』表紙イラスト

架空のSFジャンルだけではありません。第二次世界大戦の戦記物イラストや、月刊誌の人物イラスタオなど、多岐に渡るイラストを創作しました。目
ゴルフ雑誌の表紙イラストなんか、写真かと見間違えるほどの緻密さです!
とにかく映画のポスターから、雑誌・小説のイラスト、コミック装丁イラスト、ゲームのパッケージイラスト、等々あらゆるジャンルで描き続け、膨大な作品を残しました!音譜

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生頼範義「死んだ鷺」

また、仕事の合間に創作していた、オリジナル作品等も収録されていました。ひらめき電球
商業誌で注文されたイラストやポスターは、リキテックスというアクリル系顔料インクを使用していたそうですが、それ以外のオリジナル作品はキャンバスに油彩で描いたそうです。えっ
シンプルな作品ですが、重厚で圧倒的な存在感を感じます。目

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生頼範義「DAK TO 1967(ベトナム)」

さて現在、生賴範義展Ⅲが企画されているそうですが、ぜひ関東でも開催してほしいものです。音譜
展覧会で生の筆致をじっくりと鑑賞してみたいものです。グッド!

<追記>
虫の知らせで、10月24日に記事を書きました。しばらく表に出ていないので、なんとなく予感がありましたが、訃報が飛び込んで来た時は、やっぱりと思ってしましました。あせる生賴範義氏のご冥福を、心よりお祈りいたします。しょぼん

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