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タロウが4歳くらいの時に購入して、以来ずっと愛読している本です。
(寝る前の読み聞かせの本を選ばせると、しばらくずっとこの本をチョイスしていたこともありました)
この本の何が良いかというと、けして数字を使った計算のテクニックを教えている訳ではなく、
数学の概念、考え方を分かりやすく、楽しく伝えていることだと思います。
この本には、数字はほとんど出てきません。
計算式も、出てきません。
だけれど、立派に「数学」なのですね。
読めば読むほど、大人もなるほど、と感心させられること請け合いです。
たとえば。
1巻の「ふしぎなのり」という章に、このようなページがありました。
ーーーーー
きるものに いろを つけました。
うえの ますめのなかに きいろの ぼうしが ありますね。
では、あかい くつは ますめのなかの どこでしょう。
あおい くつしたは どこでしょう。 ゆびさすことが できますか。
ーーーーー
これを読んで、ほほうと思いました。
かけ算の概念を、わかりやすく説明しています。
また、タテ軸とヨコ軸を x、y などに変えれば、座標もこれで理解できそうです。
この応用として、こんな楽しい遊びにも発展できます。
ーーーーー
こんどは、ことばと えを くっつけてみましょう。
「ぺちゃんこの おつきさま」
「まっくろけの にんじん」など、なかには へんなものも でてきます。
ーーーーー
タロウはこのページに大受けで、ゲラゲラ言いながら楽しんでいました。
また、別の章ですが、
なるほど、と思ったことには、こういうのもありました。
ーーーーー
これは、(省略)みずの せいくらべの ぼうです。
この みずに、 それぞれ かくざとうを いれてみました。
どれが 1ばん あまい さとうみずになるでしょうか。
これは すこし むずかしいのですが、しらべてみましょう。
ーーーーー
「割合」を知っていれば、砂糖水の濃さをパーセンテージを調べて算出することができますが、
この本ではその計算式を指導するわけではありません。
かわりに、このような図を提示しています↓
遠近法の理ですね。
あとがきを読むと、
「割合とか、比といった言葉はわからなくていいのです。ここではただ、割合ということについて直観的な見方を経験できれば、幼児には充分です」
とあって、う~んと唸らせられました。
しかし、遠近法 とは!
それは美術の分野と、思っていましたが…
割合というと、数学や理科だけの問題と考えてしまうかもしれませんが、
そうか、遠近法という方法を取れば、美術にも応用できたんだ!と。
あらためて、気づかされました。
美術だけでなく、数学というのは、生活のあらゆるシーンで散見できるものなのだなと。
ひいていうならば、
あらゆる学問は、横に繋がっているのだなと。
かのレオナルド・ダビンチが、数学者であり、芸術家であり、解剖学者であり、軍事家でもあったということまでも連想してしまいました。
「数学=数字」と思ってしまうと、数字が苦手な私のような文系人間にはとくに、拒否感を感じてしまうのですが。
数字を扱う学問=数学 という訳ではないのですよね。
数字はあくまでも、概念をわかりやすく理解するための方便にすぎないのではないかな、なんて。
数学(算数)=数字という、固定概念を感じない就学前の今だからこそ、
数字を使わない数学、つまり、シンプルな数学の考え方そのものに触れることが出来るのは、意味のあることなのではないかと思っています。
話は脱線しましたが・・・
この本は、このほどかように、
数学の楽しさ、幅広さを、子供と一緒に体験できる、素晴らしい本だと思います。
この本については、もうちょっと書きたい事もあるので、次のエントリーに書こうと思います。
ということで、続く。
。。。
絵も可愛いし、内容も奥深い。
作者の安野氏に敬意を表します。
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