7.レファレンスサービス

 

※図書館資料は、文字であれ、画像であれ「情報」が「記録」されているもの。

→図書館はあらゆるメディアを取り扱っている。

→すべての利用者がこれらのメディアの利用方法が分かっているわけではない。

→図書館員の役割

・利用者に利用方法を案内・指導する

・利用者の知りたいことを聞き、探し方のアドバイスを与えたり、利用者に代わり資料を探したうえで提供する。

⇒情報提供サービスの必要

 

・レファレンスサービス

 レファレンスサービスとは、利用者が求めている資料・情報について、図書館員が仲介的な立場から提供・提示するサービス(それにかかわる諸業務も含まれる)。レファレンスサービスは貸出サービスとならぶ図書館サービスの基本。

※文部科学省『これからの図書館像』2006年

 レファレンスサービスの充実。課題解決支援(ビジネス支援、子育て支援、医療・健康・福祉・法務情報の入手支援)の充実。

○質問回答サービス

 利用者の具体的な質問に応えるサービス

 

a.レファレンスプロセス

 レファレンスの一連のプロセスのこと

 

 レファレンス質問の受付→質問内容の確認→レファレンスインタビュー→質問の分析→探索方法の決定→探索の実行

 

b.レファレンス質問

 レファレンス質問には、難易度に応じて次の4段階がある。

 1 案内質問

 2 即答質問

 3 探索質問  難易度

 4 調査質問  難易度高い

 

※利用指導質問

学校図書館や大学図書館、特に学部学生を対象とする大学図書館では、指導の面を重視

・しかし、専門図書館や、大学図書館のうち、特に大学院生や教員を対象とする研究型の図書館では、情報提供機能が優勢

 

c.レファレンスインタビュー

 利用者がレファレンス質問として表明した情報要求の内容について確認し、曖昧な点を明確にし、利用できない点の説明を求めるために、図書館員により利用者に対して行われるインタビュー。

 

 ※利用者の情報要求を把握するにあたっては、質問の主題を確定するとともに、要求が生じた状況や背景、情報利用の目的や動機などを手がかりとして確認するが、その際には、質問者の身振りや表情などの非言語コミュニケーションにも注意を払う必要がある。

 

〈レファレンスインタビューの注意点〉

・質問の主題は何かをはっきりさせる。

・質問の動機および目的は何か。

・利用者が期待している回答の形式は何かを聞きだすことが重要である。

 

・開質問

5W1Hの要素

「誰がwho」

「いつwhen」

「どこでwhere」

「何をwhat」

「なぜwhy」

「どのようにしてhow」

・閉質問

 「はい」

 「いいえ」

 

d.レフェラルサービス

 利用者が求める情報が図書館内の資料で提供できない場合に、他の専門家や専門機関を紹介することや、そうした機関などに資料・情報の有無等を紹介するサービス。

 ※レフェラルとは「紹介」

 ⇒紹介に際しては、事前に図書館から専門機関に必要とする資料等を連絡しておき、利用者には図書館長名などで紹介状を発行することがある。

 

e.デジタルレファレンスサービス

 インターネットを介したレファレンスサービス。電子メールや図書館ホームページから、郷土関係のレファレンスを受け付けている図書館が多い。

 

○レファレンス資料

レファレンスで用いる資料。

■事実検索用情報源        ■文献検索用情報源

・辞書   ・図鑑        ・書誌 

・事典   ・名簿        ・索引 

・便覧   ・統計資料      ・目録

 

○図書館利用教育(利用案内)

・図書館利用や資料に不慣れな利用者に対する案内・指導をここでは図書館利用教育という。「利用案内」・「利用指導」とも呼ばれる。

 

・情報リテラシーと図書館利用教育

 情報リテラシーとは、私たちを取り囲むさまざまな環境の中から的確に情報にアクセスし・収集し・集めた情報を評価・活用する能力全体のことをいう。

 文部科学省では、小中高等学校で情報リテラシー能力を教えることを求めてといるが、具体的にどのような授業でそれを行うべきなのかは明確にしていない。⇒学校図書館?

 

レファレンスサービス⇒受動的

利用教育⇒能動的

 

・文献利用教育

 大学図書館では、学部生対象に大学院生をアルバイトとして雇い、レポート・卒論作成や文献資料の収集についての相談を受け付けているところもある。

 

○読書相談サービス(読書案内)

 利用から情報要求を聞きだし、適切な図書を紹介し、入手を援助し、提供するサービス。

 

8.情報サービス(カレントウェアネスサービスと情報検索サービス)

 

○カレントウェアネスサービス

 図書館をはじめとした情報機関が特定主題に関心を有する利用者に対して最新情報を定期的に提供するサービスのこと。

・コンテンツサービス

 特定分野や特定雑誌の目次情報を、利用者に提供するサービス

・新着図書リストの配布

・SDIサービス

 SDI=選択的情報提供

  このサービスは、関心を持つ主題やキーワードを事前に利用者に教えてもらった上で、データベースに加わった新しい情報を定期的に検索し、ヒットした場合は、それを利用者に電子メールなどで知らせるサービス

 

○情報検索サービス

 図書館が利用者に自由にインターネットを利用できるように、専用のPCを設置すること。また、各種有料のデータベース業者と契約し、有料データベースを無料で利用者に提供すること。

 有料データベースは、図書館員がレファレンスに使用することもある。

 

・情報検索の種類

 ①オンライン検索

  有料各種オンラインデータベースを活用して検索すること。最新情報を入手できるが、コストが高い。更新頻度は毎日毎時間毎分。

 ②CD-ROM検索

  有料のCD-ROMを図書館が購入して利用者に提供すること。コストはオンラインデータベースよりは安くつくが、最新情報が入手しにくい。更新頻度は年1~4回程度。

 ③インターネットによる情報検索

  無料のデータベースやホームページでの検索。

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⑰情報メディアの意義と活用_/_大串夏身編著

東京_:_樹村房,_1999

167p_;_21cm

(学校図書館実践テキストシリーズ_/_志村尚夫監修_;_1)

ISBN4-88367-042-2

 

演習問題

①こころのゼミナール_/_藤田主一_[ほか]_編著

 東京_:_福村出版,_1992

 200p_;_21cm

 編著:_高嶋正士,_大村政男

 ISBN4-571-20049-8

 

②松籟の賦_:_幕臣 松平定静伝余録_/_山本ふさこ著

 前橋_:_上毛新聞社,_2001

 236p_;_20cm

 ISBN4-88058-824-5

 

③知の技法_:_東京大学教養学部「基礎演習」テキスト_/_小林康夫,_船曳健夫編

 東京_:_東京大学出版会,_1994

 283p_;_21cm

 ISBN4-13-003305-0

 

④社会学_=_Sociology_/_アンソニー・ギデンズ著_;_松尾精文_[ほか]_訳

 改訂第3版

 東京_:_而立書房,_1998

 659,_47p_;_22cm

 訳者:_西岡八郎,_藤井達也,_小畑正敏,_叶堂隆三,_立松隆介,_松川昭子,内田健

 ISBN4-88059-250-1

 

⑤評伝 岡部長職_:_明治を生きた最後の藩主_/_小川原正道著

 東京_:_慶應義塾大学出版会,_2006

 358,_7p_;_20cm

  ISBN4-7664-1291-5

 

⑥日本の家屋と生活_/_ブルーノ・タウト著_;_篠田英雄訳

 東京_:_岩波書店,_1966

 vii,_279,_9p,_図版12枚_;_22cm

 ISBN4-00-001609-1

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書誌学 Bibliography(英)

Bibliographyは、今日では図書館学と近い意味で用いられることもある。特に今日では図書館は単に書籍を収蔵するだけではなく、書籍によって伝えられる情報を迅速且つ正確に提供する役割が重視され、さらに扱う情報メディアの多様化も進み、総合的な情報基地としてとらえられるようになった。図書館学は情報技術(Information Technology)と不可分の位置づけが重視されつつあり、図書館学から図書館情報学へと進化している。

図書館情報学と密接に結びついているBibliographyは、古今東西の膨大な書籍類を分類整理し、利用者に的確な書誌情報(本の題名、著者、刊行年、大きさ、内容等)を提供する学問であり、またその効果的な提供方法を研究する学問でもある。

 

日本書誌学

 

形態書誌学……写本・刊本の内容ではなく、形態のみに着目して研究する書誌学

校勘学……図書の内容・構造である本文を比べ勘えるのが校勘学である。

 

和古書

1.和古書

和古書とは、日本で出版・書写され、日本語でかかれた図書のうち、慶応4年(1868)以前に成立したものを言う。慶応4年は近世と近代の分かれ目での年で、その後、明治維新を向かえた日本は、欧米化などによって社会体制や文化などが大きく変化し、その影響を受けた図書も大きく変化した。

しかし、慶応4年を境として全面的に変化したわけではない。明治になり10年代までは和装本が主流であった。20年代に入り所謂「ボール紙本」と呼ばれるものが主流となり、洋装本が主流になるのは40年代に入ってからである。

また、明治になり金属活字が用いられているが、初期の本は江戸時代以来の木版印刷も活発に行なわれていた。さらに、装丁が和装で金属活字で印刷された本というのも無数にあったのである。

 

2.基本用語

(1)写本・刊本(版本)

 写本…広義には手書きの書き物。狭義には原本を書き写したもの。特に後者を転写本とよぶこともある。

 刊本(版本・板本)…版木や活字による印刷物。

(2)原本・転写本・底本

 原本…最初につくられた書き物。写本ともいう。

 転写本…原本・写本を写し取った本。単に写本ともいう。

 模写本…転写本のうち、書体・字の配置・行数まですべてそっくりに写し取った本。

 透写本…本の上に薄紙を乗せて、透き通して写したもの。影写本ともいう。

 

(3)一枚物・折紙・半紙・継紙・巻子本・折本・冊子本

一枚物…料紙一枚にかかれたもの。

折紙…料紙を横置きにして半分に折り、折り目を下にして置き、右側より縦書きに書かれたもの。

半紙…漉いたままの大きさの紙を全紙といい、この二分の一の大きさの料紙に書いたもの。

継紙…半紙の右側を上にして、左側に継ぎ足した紙のことを継紙といい、これに書かれたもの。継紙を巻いた料紙を巻紙といい、継ぎ目に押した印のことを継目印という。

巻子本…巻物。巻紙や継紙の末端に軸をつけて、それを芯として巻き込み、巻首につけた八双(押さえ竹)で押さえ、紐で巻き結んだ形態のもの。

折本…本紙を同じ幅で縦に折り畳み、巻首・巻頭を巻紙にしたり、あるいは厚手の表紙をつけて、巻首の紐で締めたもの。

冊子本…冊子形態にした本のこと。

 

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