教科書p.38-45.


練習問題

10.

隠された十字架_:_法隆寺論_/_梅原猛著

東京_:_新潮社,_1972


11.

江戸時代の図書流通_/_長友千代治著

京都_:_佛教大学通信教育部,_2002


12.

上杉景勝伝_:_上杉氏入部400年・上杉鷹山公生誕250年記念_/_小野榮著

米沢_:_米沢信用金庫,_2001

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1.9 亭(うんてい)

奈良時代末、石上宅嗣(いそのかみのやかつぐ)が旧宅を寺(阿閦寺 あしゅくじ)としてその中に設けた図書館である。その蔵書を公開し、閲覧自由であったため、図書館史の上では公開図書館の先駆とされている。

宅嗣は恵美押勝の乱で戦功をあげたが、篤く仏教を信仰しており、芸亭の蔵書も仏教を中心とした漢籍であった。しかしそればかりでは儒教などの仏教以外の漢籍も幅広く収集していた。『日本書紀』にはその設立の意図が書かれているが、内典(仏教)だけではなく外典(儒教等)も蒐集したのは仏教研究のためと明確に書かれている。今日でいう研究型図書館であったと思われる。

平城京内にあったが、遷都によって早くに荒廃したものと思われる。

2 中世

2.1 武家文庫

武士の中には文武両道と考え、図書を収集し、文庫を設ける者も現れた。

中世の代表的な文庫は金沢文庫である。設立年代は不明であるが、鎌倉時代中期の武将、北条実時が設立したとの説が有力である。蔵書は実時、顕時、貞顕の三代の集書からなり、管理は称名寺の歴代住職によって行われた。一般にも貸し出していた。北条氏滅亡後も称名寺が文庫を管理し建物が損なわれるなどしたため、蔵書は称名寺に移管された。

江戸時代になると徳川家康は金沢文庫の蔵書の大半を江戸城内の富士見亭文庫に移した。その後、加賀藩前田家の尊経閣文庫、水戸藩の彰孝館にそれぞれ国書・漢籍の一部を引き取っている。その結果、称名寺には仏書が多く残されることとなった。

1930年に神奈川県は称名寺跡に神奈川県立金沢文庫を設置し、その残存書籍の保存に努めている。

2.2 学校文庫

足利学校は下野国足利荘にあった中世の学校施設である。その創設者には諸説があり、平安初期の小野篁、平安末の足利義兼、室町期の上杉憲実などが挙がっている。

漢学研修の学校としての形態が整備されたのは、永享年間(142941)に関東管領上杉憲実が鎌倉円覚寺の僧快元を初代校長とし、宋版の経典を寄贈したことに始まる。禅僧が学校の管理を行い、学生は寄宿生活をした。講義は易学を中心に、漢籍や兵法書など実用知識が講義されていた。

関東管領上杉氏に代わり、戦国時代は小田原の後北条氏の保護を受け、最盛期を迎え、板東の大学と呼ばれた。江戸期は徳川氏の保護を受け、1872(明治5)年に廃校となった。1903(明治36)に足利学校遺跡図書館が開設され、今日に至っている。

2.3 京都・鎌倉の五山文庫

2.4 朝廷文庫

2.5 公家文庫

平安時代に、宮中の有職故実を記録するために、公家の山科家などが「日記の家」となり、代々詳細な日記が付けられるようになった。これらの家は蔵書の貸し出し、写本の制作、図書の貸し借りの仲介などを行っており、「日記の家」の昨日は今日の図書館の活動と重なっている部分が多く見受けられる。

3.近世

3.1近世という時代

豊臣秀吉の太閤検地・刀狩り~大政奉還まで。主に桃山時代と江戸時代。

3.2知識・情報の共有の姿

近世中期、後期になると庶民の識字率は非常に高くなり、一節には9割りを越えていたと言われている。人々は戯作等の娯楽小説を読み、農業や日常生活、手紙の書き方等の実用書を読みこなしていた。近世は文字によって知識や情報が共有化されていた時代であったのである。

村々では、村役人層には村政の円滑な運営、農業生産上での指導力が求められていた。これに応えるために普段から多様な知識・情報の収集・蓄積が不可欠であった。どの村にも作業日記、稲刈帳、日々の天候・作物の成育状況・作業記録、飢饉録などが残されていた。更に後期から幕末にかけは黒船来航などの未曾有の事件が頻発し、村の知識層は情報の収集により力を入れていた。村の将来のことを見通すためにも、幕府や朝廷の動向等は遠く離れた地域の村々にも驚くほど正確に伝わっていた。村同士の地域的なネットワークを駆使しての情報収集活動が行われていた。
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i.課題活権支援サービス

近年、図書館には人々の重要な課題・問題の解決や意思決定に必要な情報を提供する社会的機関としての役割が期待されている。

文部科学省図書館をハブとしたネットワークの在り方に関する研究会『地域の情報ハブとしての図書館:課題解決型の図書館を目指して』2005

ビジネス支援、行政情報提供、医療情報提供、法務情報提供、学校教育・子育て支援、地域情報提供・地域文化発信

5.資料提供サービス


現代の図書館では資料や情報の提供が重視⇒貸出サービスはその中心⇒図書館は単に利用者に貸し出すだけではなく、それに付随した各種サービスも提供


・資料提供サービスの種類

①利用案内サービス

②閲覧サービス

③貸出サービス

④読書案内

⑤リクエスト・予約サービス

⑥複写


①利用案内サービス

〇施設や運営に関する案内

開館時間、休館日、館内施設の案内

〇資料利用に関する案内

書架の案内、OPACの利用方法、貸出方法、予約方法


その方法も2種類ある。

〇図書館員が直接介在する方法

図書館の利用登録時の図書館員の口頭説明

学校図書館、大学図書館では、児童・生徒、学生に対し図書館オリエンテーションの実施

〇図書館員が直接介在しない方法

パンフレット、リーフレットの作成

サインの作成

閲覧サービス

利用者は資料の貸出を受ける前に、まず資料を手に取り、じっくりと、あるいはパラパラと見ることが多い。これを閲覧と呼ぶ。閲覧とは、図書館内における図書館資料の利用のことである。貸出に先行することが多い。


・排架方式

〇開架式

利用者が直接書架に行って資料を選択することができる方式。1970年代以降、圧倒的に主流。

時には、必要な資料が明確でない利用者が偶然の発見・出会いを期待して漫然と資料を探している(ブラウジング)うちに、思いがけない資料と出会うことがしばしばある(情報との遭遇)。開架式には利用者にとって利点が多い。

図書館側から言えば、開架式は図書館資料の盗難や亡失などのリスクが高いBDSの導入。近年はICタグ方式の導入が目立つ。

明治大学中央図書館は完全開架式となっている。

〇閉架式

書庫に資料を収容し、図書館員だけが書架にアクセスする方式。

利用者はOPACや紙媒体の冊子目録等から資料にアクセスして、その存在を確認し、図書館員に請求して書庫から持ってきてもらう方式。戦前までは閉架式が主流。

利用者にとってはブラウジングや情報との遭遇ができないため、欠点が多い。

〇開架書庫、半開架

大学図書館等では、大学生のみ閉架書庫立ち入りは禁止されているが、教員や大学院生には自由に閉架書庫に立ち入れる大学も多くなってきている。東北大学附属図書館では、大学生でも事前にオリエンテーションを行えば、閉架書庫への立ち入りを許可している。

北海道立図書館では、閉架書庫への立ち入りを許可している。


・閲覧スペースの確保

閲覧するためのスペース

①閲覧スペース

閲覧席を配置

レファレンス資料や大型図書用の専用の机の設置

書架の間に一定のスペース(開架図書をその場で閲覧出来るように)

②ブラウジングルーム(コーナー)

ソファーの設置

③キャレル

落ち着いて調べものができるように、個人専用の机の設置

・閲覧環境の整備

〇レイアウト、机・椅子のデザイン、光・音環境の設計

〇空調、デザインなどについての配慮が必要

〇点字資料コーナーや対面朗読室の設置

〇ブラウジングに支障がないよう書架間の間隔に配慮


〈閲覧が主たる利用形態〉

①レファレンス資料(参考図書)

閲覧のみで十分に利用目的が達成可

館外で利用したいときは、複写サービスを利用

〇専用机が書架に隣接して設置

〇低書架を使用すぐ資料を広げて見られるように広いのが望ましい

〇電子媒体のレファレンス資料の利用環境整備インターネットやパッケージ型のため

②雑誌

最新号、製本前の雑誌は閲覧のみ可能(館によっては違う場合もある)

③貴重書

文化財としての価値を有するものなどは閲覧に制限

貴重書のデジタルアーカイブ化


ラーニングコモンズ

学生が自律して学習できるよう空間・施設面の配慮を行うとともに、人的な支援を提供する場のこと。特に大学図書館が積極的に推進している。

ラーニングコモンズには、無線LAN、グループ学習室、可動式の机・椅子、ホワイトボード、プロジェクター、スクリーンなどが設備を備え、コーヒーや軽食も許可しているところが多い。これは一人で静かに勉強をする空間ではなく、グループで話し合いながら勉強できるよう配慮された空間となっている。図書館を利用する学生は、他の学生がグループディスカッション等(アクティブラーニング)を日常的に見ることによって、自身の勉強意欲を高めることがラーニングコモンズの狙いである。











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