私と家内は大阪で生活を営んでいるが、毎年夏になると此々富良野にやって来て避暑に勤しんでいる。お金では買えない気持ち良き冷気と冷水に接し、新鮮な野菜や果物に恵まれるので富良野の夏は「良いなあ」と毎夏思う。而し秋が到来しても私達は10月末迄は帰阪はしない。何故ならば富良野の一番の魅力は秋にあると思うからだ。8月の後半に成ると暦は未だ夏だが気温は25度以下の日々と成り、少し肌寒くて気持ち良く、9月の中旬には当地から見える旭岳や芦別岳がもう初冠雪を迎える。10月に入ると樹々は紅葉し、本州より一足早く中秋、晩秋の景観を楽しむ事が出来る。

富良野の秋の魅力は多彩だが端的に云えば「花と畑」に在ると云える。富良野はラベンダーの花で有名で主として中富良野の「富田ファーム」、上富良野の「フラワーランド」、美瑛の「管野ファーム」、美馬牛の「四季彩の丘」等の広大な面積の畑で鑑賞出来るが夏の花なので遅くとも8月初旬には刈り取られてしまいそれ以後は残念乍ら来夏迄は見られない。而し植えかえられて秋の花が登場する。即ち赤や紫のセルビア、コスモス、ポピー、鶏頭(ケイトウ)、リアトリス等だ。どの花も広大に植えられ一面の姿で鑑賞出来るので大変美しい景観を提供している。

畑に就いても同様の事が云える。赤肉で有名な富良野メロン(夕張メロン)と西瓜は8月一杯で収穫時期を終えるが、それ等に代わって9月になると畑には葉が少し黄色ばんだ大豆、それから小豆、かぼちゃ、じゃが芋、唐もろこし、ヤーコン等の野菜が登場する。而し何と云っても登場する主役は葡萄だ。富良野ぶどう果樹研究所がお薦めの新しい「ふらのワイン」と「葡萄ジュース」が一斉に売り出される。ジュースに就いて序に述べると富良野の各ジュースは乾燥チップで輸入され、水と糖を加えて復元される缶ジュースではなく、収穫した果樹を直ぐ圧搾した新鮮其のものの100%生ジュースである事だ。特にお薦めの美味しいジュースはデイジー食品工業(今年社名変更して㈱マルハニチロ)のトマト・ジュースとぶどう果樹研の葡萄ジュースである。赤葡萄ジュースの種はバッファロー、白はナイアガラと名付けられている。ふらのワインは主に富良野産のセイベル種とドイツ産のミュラー・トゥルガオ種の葡萄を醸造して拵えられるが、適度の甘み、酸味、えぐ味が有り、これは通にもいけるワインだ。

美味しいのは唐もろこしだ。普通全国的に収穫されるのは黄色い大粒のハニー・バンダム種で、蒸したり醤油に漬けて網焼きしたりして食べるが、― 此の種の唐もろこしは現今札幌の大通り公園の屋台売りで全国的に有名になっている ― 富良野産の唐もろこしはゴールドラッシュ種で薄黄色くやや小粒だが柔らかく甘く、只蒸して食すだけで大変美味しい。その理由は当地では唐もろこしの軸の上部を切って短くし伸びる為の養分や水分を結実にまわすからだ。一人で2本位は直ちに食べてしまう。それから実が白いホワイト・コーンも沢山育てられている。

余り知られていないのは10月中旬になると「10月メロン」と云って再びメロンが収穫されることだ。10月メロンは露地メロンではなくビニールハウスで育てた「ハウスメロン」で、5号玉くらいの大きさに成る。富良野の郊外で芦別岳の麓に位置する布部、山部地区を訪れると眼に余る程数多くのビニールハウスのメロンを見かける。だから富良野ではメロンを2回収穫出来るのだ。此々でメロンの事にもう少し触れておきたい。メロンには網系メロンと網なし系メロンとがあるが、此々に述べている10月収穫のハウス・メロンは全て網系で所謂マスクメロンであり、これは夕張、富良野産メロンの特徴である。葡萄にはぶどう糖、西瓜には果糖しかないが、メロンにはぶどう糖、果糖、蔗糖と三種の糖が含まれているので特に甘く、糖度は16以上ある。それ故体内で素早くエネルギー化し、エネルギーの補給、疲れた際の疲労回復には最適である。メロンには糖質だけではなくビタミンCとカリウムが多く含まれている。それ故我々日本人にありがちな取り過ぎの塩分を排出してくれるし、高血圧を予防してくれる。従って私達は毎年郷里の親族や友人に可成りの数のメロンを当地から送っている。郷里では此の果物は高価過ぎるからでもある。

秋の富良野はお祭りが目白押しである。9月と10月に富良野神社祭り、物産祭り、ワインぶどう祭り、チーズ祭り、もみじ祭り、筝と尺八演奏会等々が催される。其の何れにも特徴が有り、これ等も富良野の秋の魅力の構成因だが、これ等のお祭りに就いては昨年9月に「富良野の夏の魅力」と題して書いたブログと重複するので此々では描写を割愛したい。ブログの読者の方はhttp://www.iju.furano.jpを参照して戴きたい。

私は今ふらのワインを飲み、窓外の芦別岳山麓のやや紅葉した樹々を眺め乍ら書いている。爽快で至福を感じる。皆さん、特に停年退職されて時間と貯金とに余裕をお持ちの方は、自己人生の集大成の一つとして魅力一杯の富良野に移住する事をお考えになってみては如何だろうか。その際は富良野市の桂木町に存在する㈱北菱に相談される事をお勧めしておきたい。

                           平成24年9月1日 富良野にて
                                        玉田東也  
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前回に続いて今回のブログでは、当地の食生活を通じて富良野の更なる魅力を、訪ねて来られる貴方の為に少しばかり紹介しておきたい。私達は夏に涼を求めて富良野にアパート(後述)を借りて住んでいるが、食事は家内が拵える家庭料理に加え、屡々外出しては当地のグルメを外食で楽しんでいる。其の中で印象に残ったレストラン、意外と美味しかった食事処、そしてムードのある一杯飲み屋を若干記してみたい。東京や大阪の書店にそう云った富良野グルメの紹介書が見付からないからでもある。


●「カレーのふらのや」
私達の住まいの直ぐ近くの弥生町1丁目に在る。富良野はオム・カレー(半球型のオムライスにカレーを掛けたもの)が有名であって、富良野オムカレー推進協議会の加盟店では必ずオムライスの部分に小さな旗を立てて供される。であるから最初はオムカレーは子供用に拵えられた料理だと思った。処がこの店は違った。富良野オムカレー推進協議会には属さず、カレーの辛さは10段階、御飯の量は大盛(250g)、小盛(150g)の2段階が選べる。其の味は大人向きの抜群の味と云って良く美味しいのだが、注意すべきは常時満席である為早めに行って席順を確保することと、御飯を小盛より少ない100gなどと所望すると規定の量ではないという事で御飯量は少ないに拘らず特別料金¥100‐を加算されて請求されることだ。全国で催される北海道物産展に出店されるなど熱意のあるお店だ。私は訪ねる度に此のレストランの名称は「富良野のカレー屋又はカレー処」とした方がピッタリするのではないかと思えるのだが…。


●「笑楽亭」
フラノ・マルシェから歩いて1分の処、スーパー・マーケット「RALSE(ラルズ)」の裏手の幸町7丁目に在る。此処のメイン・ディッシュはスパイスの利いたオム・カレーとチーズハンバーグである。オム・カレーは富良野オムカレー推進協議会の加盟店であって「富良野オムカレーの6ヶ条」のルールに従って供される。「ルール」とは使用されるお米、卵、チーズ、野菜、肉、ピクルス等の食材は富良野産にこだわること、「ふらの牛乳」をつけること、オム・カレーに旗を立てること。そして料金は税込で1,000円以下であることなのだ。これが「オム・カレーの街富良野」の呼び物になっている。此処のハンバーグはやや小さいが味は美味しい。富良野市には殆ど見付からない手造りハンバーグの店と記憶されたい。美味しさの秘密は自家製のドゥミグラ・ソースと添付される野菜であろう。ドゥミグラ・ソースの構成は企業秘密とて教えてもらえなかったが、ホールトマト、玉葱、きのこ、ワインの味がある。神奈川県の桜木町に梅干の挽き汁を加えた大変おいしいソースのハンバーグ料理店(中村屋という)があり私は屡々通ったが、当店でも梅汁を加えたソースの特製ハンバーグを拵えて見てはどうかと思った。この店で注意すべきは遅い時間に訪ねると営業時間内であっても「もう食材が無くなりました」の一言で食事を拒られる事である。遠方から訪ねて来たとてそう云う憂き目に会うことがある。それはその位味の人気があることを示すと云うべきなのであろうか。近々お店が移転して営業場所が変わる様である。


●「小玉屋」
ホテル「サンフラトン」の近くの幸町5丁目に本店が、同じ幸町12丁目、フラノ・マルシェの向かいに支店が在る。このお店は富良野市最高のそば処で、盛りそばや月見そばから一寸珍しい梅とじそばや天とろそばなど各種のそば味が揃っている。小玉屋女将の美子さんに依ると全ての料理に心を込めて作っているとの事だが、お薦めは二八の「梅天おろしそば」。揚げた特大エビと梅肉の酸味と特製たれで実に爽やかな味のメニューであり、大きな魅力になっている。勿論メニューには何処のそば屋にもある天ぷらそば、きつねそば、ざるそば等各種のそばが掲げてあるのだが、此処の「おろしそば」は歯応え良きアルデンテで、味も絶品であり、鉢に盛られた量が多く、私は毎回一人分注文して家内と分けて食べている。一度はいらして欲しいものです。そして昼、夜出前も受けてくれるのである。


●「かりん」
ふらのチーズ・ラーメンのお店であり夫婦(渡辺正義氏と祐子さん)で経営しておられる。お店は本町9丁目に在り、こじんまりとした小さいお店だが、此処で供される特製ラーメン、オム・カレーは美味しい。私はチャーシュー麺を注文したが、普通都会の麺処では、チャーシューは薄くスライスされた豚肉が1~2枚麺に載って供されるのに過ぎないのに此処では厚くスライスされたチャーシューが4~5枚も供され、これでもう満腹になってしまう。
此の店は9月下旬に催される「チーズ祭り」に毎年参加して出店され、お客が列を作って並ぶくらい人気を博している。


●「くまげら」
富良野で最も知れ渡り、人気のあるお店ではなかろうか。昼はレストランだが私は夜に訪れるので所謂一杯飲み屋の食事処と云った印象が強い。場所は駅近くの日の出町3丁目に在りお店のビルは蔦の葉におおわれた優雅な様相を呈している。店主の森本毅氏は一寸した粋人で若い頃はヨーデルを歌ったとか。奥さんの静子さんは同窓との事である。訪ねると先ず「友きたりて」という歓迎の意の冷酒をコップに並々と注いでくれる。他に「富良野物語」、「くまげら」と云った銘酒を揃えている。此の店は1981年に放映された倉本聰氏脚本の「北の国から」の撮影に登場する店で店内には撮影当時の写真パネルを多く飾っている。宣伝が行き渡っているのであろう海外からのお客をしばしば見かける。料理の種類は豊富にあるが店主のお薦めは「山賊鍋」と「チーズ豆腐」前者は鴨肉、鹿肉、鶏肉を使った一寸珍しい鍋料理、後者は100%チーズで出来た絹ごしの如く柔らかい豆腐である。是非お試しあれ。


●「ナチュラル・ダイニング」
旅行者が富良野駅を下車して空腹を癒すのに先ず目に付くのは此のレストランである。駅の富良野観光協会で食事処を尋ねても此のレストランを教えられる。此のレストランは富良野駅の南側にある「ナチュラクス・ホテル」と云う立派なビルのホテルの入口にあり昼夜営業しているから旅行者は利用し易い。ホテルのレストランだが価格は高くはない。供される主な料理はオムカレー、手捏ねハンバーグ、チーズ・フォンデュー、上富良野産のポーク・ソテー等々だがポーク・ソテーは夜のみなので留意して欲しい。


●「四季の恵」
新富町の大型スーパー・マーケットのForest(Aコープ・フォーレスト)の2階に店を構えている。明るい近代的な広い店内に140席。窓から標高1726mの芦別岳をはじめとする夕張山脈を眺望出来る。和食、洋食,スイーツと3拍子揃っており年配者から子供まで楽しめるが、どちらかと云えば洋風を好む若者向けといえよう。メニューに品数が多く、選択に迷うところだが、札幌で修業され富良野在住20年の天野店長のお薦めは「あんかけ焼そば」と「メンズ&レディーズ・セット(天ぷら、冷やしうどん、冷奴、刺身、アイスクリームで構成されている)」である。どちらも量がたっぷりなので小食の私はエビとじ鍋を食べるのだが…。


●「ナトゥールヴァルト(Naturwald)」
これはホテルの名前でドイツ語で「自然の森」という意味だ。北の峰町に在るのだが、路線バスのラベンダー号が此のホテル前に停車するので簡単に訪れられる。このホテルの中には2つの食堂がある。1つは1階の「ムッシュ小林」。オムカレー、和牛ステーキ、ピッツァ、カレー、海鮮料理、丼物、麺類、中華料理等広範囲のメニューが用意されている。もう1つは「ゆうふれ(勇振)」で2階に在り、ソーセージ、チーズ、野菜、海鮮物、煮物、揚げ物、寿司、麺類等だが、此処の特徴は野菜は契約農家から仕入れた新鮮野菜を、魚介類は冷凍品でなく生簀(小型の水槽)に飼われている活魚を供してくれる事だ。然し此の2つの食事処を訪ねるには一寸した注意が必要だ。前者は土、日のみの営業であり、後者は営業日が限られているので訪ねる前に開店日を電話で問い合わせる事。それと団体を受け入れている時は貸し切りになるので一般客は拒まれる。であるからぶらりと訪ねて何も食せない目に会うことを知っておく事だ。経営者は37才の若き小林英樹氏。旭川市のパークホテル内にもレストラン「ルミネ」を経営しておられ、やり手である。


●「レストラン十勝」
路線バスラベンダー号の終着点新富良野プリンスホテルの1階ロビー内に在る。中秋に此のレストランを訪ねると先ず目を見張るのは料理ではなく、窓を通して見る山麓の樹々の紅葉だ。見事で美しい。料理も又然りと云える。富良野で生まれた白カレーにオムカレーをはじめポーク・ステーキ、ポーク・カツカレー、豚丼等豚肉料理が多い。うどんやラーメンもあるし、五目あんかけ焼きそば、ミートカツ・スパゲティ、坦々麺、海鮮三色丼など宿泊客が好むものを揃えている。私はお子様オムライスというのをよく食べる。お子様用と云ってもオムライスの量は多く、ざんぎ(鶏肉の唐揚げ)もサラダも添えられており、北海道内限定販売のサッポロ・クラシック・ビールも飲むからこれで満腹してしまう。飲食ソムリエの若い川村君は色々と薦めてくれるが、私のお薦めはこのざんぎとサラダ付きお子様オムライスだ。


●「きゃらうえぃ」
洒落た名前のレストランである。きゃらうえぃ(caraway)は日本語の姫茴香、芳香の良い香味料で此のレストランが供する味を象徴しているが如くだ。上富良野の原野1085番地に在り、近くに大きな観音像が建っているから見付け易い。村上武・ゆかり夫妻が経営しておられるが、岡山に支店を有しておられ御主人の武氏は内地で開催される北海道物産展への出品などで極めて多忙であり一年の半分は不在であるらしい。このレストランの素晴らしさは自家製の加工豚肉即ちポークステーキ、ポークソテー、ポークのスペア・リブ、ハム、ソーセージ等が食せること。それに加えて此のレストランから観得る十勝岳連峰の大パノラマ風景が料理の味と雰囲気を助成してくれる事だ。上富良野を訪れるなら立ち寄ってみて頂きたい。


●「松月」
上富良野郵便局の後方の大町2丁目に在りバス停から歩いて行ける。前述「きゃらうえぃ」の奥方ゆかりさんの兄にあたる藤原光昭さんが奥さんの京子(みやこ)さんと経営しておられる。この店はオムカレー、ハンバーグ、うどん、そば、ラーメンの他麻婆豆腐、野菜炒め、オムレツ等の定食、玉子、親子、中華、豚玉、カツ等の丼物、そして弁当等誰もが食す物を提供する大衆食堂だが、安価で美味しいので人気があり昼食時は満席となる。京子さんのお薦めは味噌ラーメンとチャンポンだが私のお薦めは「神竜(しぇんどん)」というギョーザ。札幌のメーカーから毎日取り寄せているとの事だが1個が大きくて100%の豚肉ミンチがぎっしり詰まっている。一度食すと病みつきになること請け合いである。


以上が富良野のグルメの一端の描写であり、他にも紹介したい食事処は沢山あるのだが書き切れないので今回はこの辺で留め置く。読まれた方の中には、そうではないとおっしゃる方がいらっしゃるかも知れないが、紹介したグルメは筆者が食して感じた通りを其の儘正直に綴った手記なので少し違った箇所があっても御容赦願いたい。


☆「アパルC305号」
最後に食事処ではないが私達が夏に滞在する賃貸アパート「アパルC305号」を紹介しておきたい。此のアパートは欧米によく見られる家具、台所、厨房用品付きの貸しアパートで富良野市南部の弥生町2丁目の静閑とした住宅地にある。直ぐ南に芦別岳、布部岳、富良野西岳等の峯々が見渡せ、其の山麓を流れる空知川が近くに在って散策に都合の良い場所である。近隣に富良野神社、富良野市役所、富良野図書館、富良野郵便局、内科クリニック、薬局が在り、更にスーパーの「フォーレスト」、「マルシェ」、「ラルズ」、コンビニの「セブン・イレブン」、「ローソン」、生活良品店としての「セリア」、「ホーマック」、「生協」が手の届く距離なので日常生活には大変便利な場所と云える。家賃は日額4,000円(夏季)、光熱費は実費。賃貸を申し込まれる方は㈱北菱(ほくりょう)賃貸センター(℡0167-23-3311)へコンタクトされたい。   以上


                          平成23年10月16日  富良野にて
                                          玉田 東也
  
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此の3年私達は故郷の大阪を離れて来北し、一昨年は札幌、昨年と本年は富良野に滞在して夏を過ごしている。7月から10月初旬迄の大阪は35~6度の正に灼熱の日々、所が富良野は23~4度のまるで中秋の如き気温であって此の期の爽やかな冷気と冷たい水は富良野の財貨であり、お金では買えない代物だと毎回思う。私達にとって来北する大きな魅力の源である。


富良野の魅力は何も冷気と冷水だけではない。紺碧の空に聳える十勝岳連峰と夕張山脈の峯々の雄姿、色取々のお花畑の景観、実ったパッチワークの如き豊かな田畑の風景、新鮮で美味しい野菜や果物、そして心優しい富良野の人達である。


8月に来北して此の期に富良野に滞在していると富良野神社祭り、物産祭り、ワインぶどう祭り、チーズ祭り、もみじ祭り等幾つかの祭りが開催される。神社祭りには御輿と餅まきが見られ、物産祭りでは収穫したばかりの農産物や果物が販売され、ワインぶどう祭りとチーズ祭りではテント張りの店舗が出てワインやチーズが試食出来る。もみじ祭りは占冠で行われるが野外会場で串に刺して塩焼きされる山女魚は美味で呼び物と云える。大人も子供も楽しめるが、親子連れの幼児が親の手を振り切って嬉しそうに走り出す元気一杯の姿を見ると皆すくすくと逞しく育ってくれよと思うばかりである。


富良野へ来て学んだ事が若干あるので記してみよう。先ずは農作物の種類が多い事。例えば米は5種(きらら397、星の夢、七つ星、おぼろ月、夢ピリカ)、玉葱も5種(さらり、札幌黄玉葱、アーリー・レッド、眞白、北原さんちの玉葱)、そして馬鈴薯はなんと10種(男爵、メークイン、北あかり、とうや、農林1号、とよしろ、北海こがね、インカの目覚め、レッドムーン、シャドークイーン)も有り、私は最初の3種以外は知らなかった。レッドムーンやシャドークイーンの様に身が赤や紫の芋があるのを知って驚いたが、私の名前と同じ名前のものがあるので苦笑してしまった。お花畑に就いてはラベンダーで有名な中富良野のファーム富田と彩香の里、上富良野のフラワーランドは識っていたが、美瑛のかんのファームとぜるぶの丘は今回訪れて初めて知った。人気のラベンダーは紫一面の美しい光景と其の芳しい芳香が魅力だが、7月末に刈り取られて、ポピーやコスモスと云った秋の花に植えかえられてしまうので来訪されるラベンダー・ファンには注意が必要だ。


注意と云えばメロンもそうである。富良野メロンは大きくて夕張メロンと同じ赤肉で甘くジューシーで大変美味しいが、何時でも食せるのではない。8月末に収穫が終わるのである。其の後短期間は市場やスーパーマーケットで手に入るが、蔕の部分(軸と呼ぶべきか)が乾いているものは新鮮ではなく味が落ちるのだ。富良野のラベンダー畑は最早全国的に識られているが、あまり識られていないのが豚肉だ。上富良野に養豚業者が集まっており十数万頭の食用豚が飼育されている。私が知らなかったのは豚の「さがり」である。「さがり」とは豚の横隔膜とそこに付着している柔らかい肉のことで、私は横隔膜ぶらさがり肉と覚えた。豚一匹から300g程度しか取れない貴重品とのことである。それから土地の言葉である。「さがり」もそうだが「ざんぎ」(鶏肉の唐揚げ)、「やまべ」、「なまら」、「おばんです」等々、全て私達の耳には新鮮な響きであり、いずれは懐かしく聞こえるだろう。


富良野では外国からのツーリストをよく見かける。特に中国からの若者が多い様だ。聞こえてくるのは広東語。話し合ってみるとほとんどが香港(ヒョンコン)からである。多分彼の地では「魅力ある日本の訪問先」として宣伝されているのであろう。您好(ニイハオ)と一言声をかけるだけで直ぐ友達に成れる。道理で富良野線や路線バス内で中国語の放送がある訳だ。


富良野は「へその町」と呼ばれる。それは富良野平野が北海道内陸部の中心地に存在し、人間のへその位置に当たるからだ。私たちが毎夏滞在する富良野市南部には毎週末の土、日に市が立つ。名付けられて「へそ市場」。農作物、果物、海産物が販売されているが、業者やレストランの経営者が食材を仕入れにやって来るし、家庭の主婦や旅行者も物色して買ってゆく。私達も頻繁に顔を出してはメロン、西瓜、桃、馬鈴薯、唐もろこし等を求め郷里の子供達や知人に贈っている。


此の様に夏の富良野は魅力溢れる所だが、一寸困ることや一寸厄介なこともあるので旅行者の為に書き記しておきたい。前者は交通の便がわるいことだ。旭川に向かう富良野線の列車も快速ラベンダー号のバスも本数が極めて少なく、一台乗り逃すと次の便迄約2時間程待たねばならないから旅行者は時間を持て余す。所が地元の人は一向に困らないのだ。それは各家庭が全て1~2台のマイ・カーを所有しているからである。レンタ・カーは在るのだが賃料が高いので私達は自転車を買ってそれを足として乗り廻している。後者はゴミの捨て方である。瓶と缶をわけて捨てるのはどこの都市でも実施されているが、富良野では紙、プラスチック、金属、生ゴミ、衛生用品等を仕分けして市役所指定のコンビニ等で売っている色分けされたゴミ袋に入れ指定日にげるのだ。此処ではゴミを捨てる事をゴミを投げると云う。そうであるから瓶入りのトマトジュースの瓶はガラスとして、そのキャップはプラスチックとして仕分けして捨てねばならない。薬を包装しているビニール、フォイル、厚紙にしても、それぞれプラスチック、金属、紙の袋に仕分けして捨てる事になる。最初は一寸厄介に感じるが、この細い仕分けは資源再活用のリサイクリングの為に大変良い事である。且って私が駐在したスイスがそうであった。出鱈目な捨て方をすると注意されるのみでなくて、いつ迄も捨てたゴミ袋を回収してもらえず近所の人達に恥をかく。厳しいが立派な市の行政なのだ。


最後に触れておきたいのは富良野は北海道の中心地、へその町であるので此処を基地として北海道中を等距離で旅出来ることだ。私達は昨年当地からのオプショナル・ツアーとして計画した留萌、増毛、トマム、帯広を訪ねた。その想い出の1~2を紹介したい。トマムの山頂に在り雲を見下ろせる「雲海テラス」、屋台が集う帯広の夜の味の街路、留萌の魚介類を供してくれる数々のお店等が忘れられないが、増毛の西方に位置する雄冬岬から見た沈む夕日の美しさは忘れられない。土地の人は日本一の夕暮れ風景ですよと自慢していたが、最后の力を振り絞って大空を真赤に染め、静かに沈み行く夕日を眺めていると、今日も1日地球を明るくし、暖かさを届けてくれた太陽に「ありがとう、お休みなさい」と云いたくなるのだ。太陽に就いては不思議なもので、昔若き頃富士登山の8合目で見た日の出の御来光に感激し、こんなに美しい太陽はないと思ったが、年のせいか今は地平線に沈みゆく太陽に感謝と審美を大きく感じるのだ。それと丁度時期であったのか暑寒別河へ逆昇って来る鮭の群れを見ることが出来た。どういうわけか判らぬがカメラで撮影するより網を持ってきて捕まえてみたいと思った。


今年は既に2つのオプショナル・ツアーを敢行した。一つは稚内→礼文島→利尻島→天塩川温泉への旅。もう一つはトマム→えりも岬→札幌である。改めて知ったのは礼文と利尻の島は兄弟島と思っていたが、その生成は全く違い、礼文は太古の時代は北海道と陸続き、利尻は海底火山が爆発して地表に盛り上がった島という事だ。だから咲いている高山植物の種類が違う点だ。寒冷地ゆえ高山植物が海抜零メートルの地表で見られる点が素晴らしい。花好きの私にはたまらない世界であった。
次のオプショナル・ツアーには襟裳岬を選んだ。青い海と青い空、飛び交う海鵜に、早朝から日高昆布を捕る漁師達。何と長閑で爽やかで、平和的な光景であろうか。24時間中車が犇めき騒音をたてて走行している大阪では見られない光景であった。


富良野に来ると心が和むと家内が云う。私達は富良野が気に入って此処にくるとボヘミアン・ライフを営んでいる。小原庄助程ではないが、朝湯も朝酒も楽しむし、眠気が来れば昼寝も自由に行なっている。余世も人の為に盡さねばならないが、一回限りの人生であるゆえ自分にも盡さねばならないと思うのだ。


部外者から観たしがない富良野の滞在記であるが、読まれた方には是非北海道のへそ富良野へいらっしゃい。御一緒に気の向くまま、風の吹くままに身を委ねた荏苒たる日々を当地で楽しもうではありませんか。


                  平成23年9月27日     富良野にて
                                    玉田 東也
 
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Furano Wine House

テーマ:
We went to have lunch with owner's family of our apartment .
From windows we can see not only Ski areas but Mt. Tokachi-dake.
There were no clouds and no wind outside.

Every morning we walk to McDonald's to have breakfast. Open 24 hours.

Only several minutes walk we can reach Supermarket, DIY, Bowling, Drugstore, etc. Easy for us.

Last night a friend came and stayed with us in the tatami room.
we went out to the bar Bridge and had great time with locals.

In the past few days we have enjoyed being back in wonderful Furano.

The weather has been fantastic with brilliant blue skies and sunny days in the snow. The Aparu apartments where we have stayed have been very comfortable and conveniently located within walking distance of most things in the heart of Furano. They have everything we need and have made our stay most enjoyable.

富良野のみなさんありがとうございました。お世話になったでセンターいるかです。大阪のみなさんは富良野の旅の思いでを胸に、元気にすごしています。


2005年7月私たちデーセンターいるかの20人のみなさんは、富良野の旅をしました。

保護者の方ボランティアさんスタッフ合わせて85人の団体旅行でした。寝たきりでしゃべれない重度の障害を持つ人とその家族にとって、遠い北海道への旅は,その障害の重さ故に一生できないこととあきらめていたことでした。けれど、重い障害はあっても、せっかく生まれて来れた命。。『良い思いでは,生きる力作る。一生に一度の旅。をと…。』みんなで,富良野の大自然を感じに行くことにしました。その時の感動は、すばらしい富良野の自然と、私たちの旅を助けて下さった、北海道のたくさんの人たちの温かい心に支えられてのものでした。


2004年9月末のある日の夕方、駅前のバス待合所の二階にあった当時の観光協会に飯沼さんを訪ねた。現在の占冠社会福祉協議会の事務局長をされている。障害者の観光ボランティアもされていて、すぐに私たちの旅の意図を理解して下さり、富良野で有名なミュージシャン風と啄木鳥の久林さんと山中さん、富良野演劇工房の太田さんや、演劇療法をされていた当時老健富良野の副園長の川口さんを紹介して下さいました。

旅の計画は,毎回ミュージシャンの久林さんがされているスナック啄木鳥で、重ねられました。大阪の劇団、子供鉅人さんも手伝ってくれることになり、富良野演劇工場での富良野塾のOBイレブンナインさんの『エンギデモナイ』と富良野プリンスホテルでのデーセンターいるかの『ふらののうた』との旅先でのお芝居の公演となり、演劇工房の理事やスタッフやたくさんのボランティアさんや富良野の市民の方々との演劇の交流会に広がりましたl。


イレブンナインさんの『エンギデモナイ』重い障害を持つみなさんの目がキラキラして、感動の体験でした。言葉の話せない方達に、役者の方の素晴らしい演技は、しっかりと通じているとても不思議な体感でした。富良野プリンスホテルでの『ふらののうた』の公演交流会は、風と啄木鳥さんの北の国からの音楽に合わせて、みんなの演技が始まりました。みんなの演技は人をつなぐ力がありますl。集まって下さった本当に多くのみなさんも出演して下さって、ふらのの素晴らしい自然の営みに、限りあるけれど確かないのちを感じながらみなさんの心がそのやさしさで一つになりました。口では言い表せぬ魂に届く、みんなの人生に忘れられないものとなりました。


ANAの方は、車いすでの飛行機の乗り降りや輸送を長い打ち合わせをして手伝って下さいました。北日本トランスポートさんは、三台のリフトバスの座席を全部外して下くださり、車内をみんなが寝転がれる平らな部屋に改造して下さりました。富良野プリンスさんは、車いすお方の部屋づくりや「ふらののうた」公演に、便宜をはかって下さいました。



今回は、スタッフの研修として、以前私たちの富良野の旅行でお世話になり、ご縁のあった飯沼さんが事務局長をされている占冠のデーサービスに研修にこさせて頂くことになりました。一ヶ月足らずの短い富良野での生活ですが,スタッフ共々ぜひ楽しませて頂こうと思っております。願いいたします。



※ 今回の滞在には、飯沼さんの紹介で、北菱の上田さんより、短期移住者向けの家財道具のそろった  部屋をお借りすることになりました。アパルは、そのアパートの名前です。

$ふらのアパル移住体験用住宅体験記- デイセンターいるか『ふらののうた』