今朝テレビ報道(どこの局かは失念しましたが・・・)で,

日本学生支援機構(旧:日本育英会)かた貸与を受けた奨学金の延滞者には,非正規雇用者や無職の者が多く

年収も300万円未満の低所得者が極めて多いという旨の報道がありました。


大変気になったので,その後,日本学生支援機構のホームページパソコンを開いてみたところ,

11月20日付の発表で,平成19(2007)年度における延滞者に関する属性調査 が公表されていました。


その公表された概要を,以下に抜粋します(レイアウトの都合上,改編した箇所もありますが本文はそのまま)。


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報道関係者各位



        平成19年度 奨学金の延滞者に関する属性調査結果の公表について



 独立行政法人日本学生支援機構では、「平成19年度奨学金の延滞者に関する属性調査」を実施しました。

調査結果の概要は次のとおりです。

                                記


1. 調査目的等

 (1) 目的
    奨学金の延滞者の属性を把握し、今後の奨学金回収方策に役立てることとする。

 (2) 調査対象
    1.平成19年12月において、奨学金返還の請求書を発送した延滞6ヶ月以上の者

    2.平成19年12月において、奨学金返還を延滞していない者で請求書を送付した者

 (3) 調査方法 : 請求書に調査票を同封して調査を実施

 (4) 調査時点 : 平成19年12月現在


2.調査結果の概要

 (1) 奨学金の返還を延滞した場合には、連帯保証人等本人以外の者による返還が増加するが、

   高校・高専などで貸与を受けた場合において、割合が高くなる傾向がある。

 (2) 延滞者の職業は、正社員である割合が30%程度しかなく不安定な就業状況にある

 (3) 延滞者の年収は、300万円未満と回答している者が80%超となっており、

   高校、短期大学では90%超低所得者の割合が高い

 (4) 延滞理由は、 本人の低所得(40.8%)、親の経済困難(37.3%)、本人の借入金の返済(23.8%)など

   経済的理由をあげるものが多い



災害または傷病生活保護その他返還が著しく困難になったときなどには、

  本人の申請によって返還期限の猶予がなされることになっている。

  この調査によると返還期限猶予の要件に該当しながら、延滞になっている人が少なからず見受けられる

  該当する人には返還期限猶予制度の活用をしていただきたい。


                                                                 以上

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詳細な調査結果報告 も,グラフを交えて公表されているので,ご覧ください。


これらの調査報告を見てみると,

奨学金を受けた本人が,学校卒業をしても定職に就けず,

収入も少ないゆえに,奨学金返還が滞ってしまう事態が,数値としても証明されたことになります。


返す能力があるのに返さないといったケースは,極めて少数派だということもわかります。


調査の回収率が低く(全体で8.4%),統計的に有意でないと,異議を唱える者も居るかもしれませんが,

  調査対象者となっている者の多くが,かなりの心理的な後ろめたさがあることを考慮しなければいけません。



日本学生支援機構が勧める返還期限猶予制度の活用もさることながら,

35歳未満の若年者だけでなく,『就職氷河期』で安定した就職先が得られなかった35歳以上の者に対しても,

積極的な雇用対策を施していかなければ,学生支援機構が求める奨学金返還の実現はより程遠くなるでしょう



その中でも,特に気になったグラフを,以下に引用・貼付いたします。



図2-1-1は,無延滞者6ヶ月以上の延滞者とを,本人の職業形態別に階級区分したグラフです。

無延滞者では,全体の67%の者が正社員の職業として従事しています。

それに対して,6ヶ月以上の延滞者では正社員全体の31%にすぎず(多いとみる方が居るかもしれませんが),

アルバイト等の非正規雇用者36.3%を占めています。

失業などによる無職の者16%)を含めれば,約52%の者が不安定な雇用状況に置かれていることがわかります。

ある非正規教員による流浪の旅 ~学校教育へのつぶやき~


図3-1-1は,無延滞者6ヶ月以上の延滞者とを,本人の年収別に階級区分したグラフです。

無延滞者では,半数の者が年収400万円以上の所得があるのに対して,

6ヶ月以上の延滞者では年収200万円未満の者が全体の約66%を占めています。

収入による格差が返還状況にも反映されていることを示す傾向が,図2-1-1よりも明らかなグラフです。


ある非正規教員による流浪の旅 ~学校教育へのつぶやき~

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※ これまでの,日本学生支援機構の奨学金返還に関する,当ブログでのエントリー


奨学金を返したくても返せない・・・

(2009年10月24日)


日本学生支援機構の奨学金未回収の件に関する私見

(2009年10月25日)

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