34話~老婆~

俺達は駅に歩き出した。

唯と雄太は後ろの方で何を歌うか話し合っていた。俺はそれを横目で見ながらカラオケの場所を探す。

しかし、今日は休日という事もあって何処のカラオケ屋も混んでいた。

唯「これで何件目??みんな歌いすぎだよー」

健三「もう4件は回ったんじゃない?まぁ休日だししょうがないっちゃしょうがないけどなぁ。」

そこで雄太がボソっと一言、

雄太「まだあそこあるかなぁ・・・。」

唯「ん??あそこって?雄太なんか思い当たるとこあるの?」

雄太「いやさぁ、あるにはあるんだけど・・・。昔友達と1回だけ行ったとこなんだよね。かなり空いてるとこだからってことで。」

健三「なんだよ。あるなら先にいってくれよ。」

雄太の顔は見て分かるほど曇りだした感じだった。

雄太「ん~正直あんまあそこには行きたくないってのがねぇー。汚いしさ!ちょっと気になることもあるし・・・。」

健三「唯そういうの気にする?」

唯はあっけらかんに、

唯「ん?全然気にしないよ笑 今日はとことん歌いたい気分!」

健三「だとさ。」

雄太は困った顔をしながら、

雄太「・・・。分かったよ。一応案内するけど、あんま気がすすまねぇなぁ。。」

そういうと雄太は俺達を案内しだした。

俺と唯はその後ろをとことこ付いていく。

知らない間にかなり裏路地の方に入ってきているようだった。

雄太「あっれー。ここらへんだったような・・・。」

健三「ここまで来て迷ったとかいうなよー。」

唯「もしかして・・・・・・・・アレ?」

唯が指した先には築30年はいってそうな雰囲気がでている民家だった。しかし良く見るとその民家の前には小さい看板で【からおけBOX】とかかれていた。

俺は想像以上の建物に思わず声を漏らした。

健三「・・・まじ?」

雄太「なんか自営業でやってるらしいんだけどここフリータイムで一人500円なんだよね」

健三「やっす!!!フリータイムで500円って店側絶対元とれないだろ!!」

しかし唯はそんなのお構いなしな様子で、

唯「安いなら良いじゃん♪はいろーよはいろーよ!500円で歌い放題だってさー♪」

そういうと唯はすたすた歩いていった。

俺達も仕方なくその後を追う。

その民家の壁という壁には草みたいな物が生えていて、看板のカラオケBOXというのがないと正直見過ごしてしまうような店だった。

俺達は意を決して扉を開けた。ギィー。。古錆びたドアの音がする。

唯「ごめんくださーい・・・。」

返事はないようだ。

唯「ごめんくだ・・・きゃぁ!!!」

唯の叫び声が聞こえ慌てて走っていくとそこには老婆が一人。

老婆「いらっしゃい。カラオケのご利用かえ?ゆっくりしていくとええ。先に500円だけそこの貯金箱に入れといておくれ」

そういうと老婆はまた奥の部屋に消えて言った。

健三「なんだったんだあのばあさん・・。」

雄太「まぁ・・こういうのさえ我慢すればなんも変わらない普通のカラオケBOXだからさ。」

老婆「そうそう。」

3人「ぎゃあああ」

老婆「若い癖になにおどろいとる。カラオケは地下にあるからこの鍵を使って入るがええ。」

そういうとまた奥の部屋に消えて言った。

健三「・・・あのばあちゃん今どっからでてきた。」

唯「さぁ・・・。っまぁ!気にしないで歌っちゃお♪」

俺達は一抹の不安を抱えながら地下へと降りていった

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