第32話

第32章~不意~

残念な事に当然ながらコンビニに隠れられる穴は見当たらなかった。

俺は敢えて冷静を装おった振りをして、

健三『あ゛ー。どうした?』

唯『いきなりオッパッピとか言っといてそれ?』

唯は呆れ過ぎて笑っている。

健三『まぁ、あれにも深い訳が…。っで電話なんかしてどした?』

唯『そうそう。けんちゃんの準備が出来たら一緒に行こうかなって思ってね。』

既に準備どころかコンビニで待ってるんだが…。と、俺は思いつつ唯に話した。

健三『あぁ。実はちょっと朝色々あってもうすでに校門の前のコンビニで立ち読みしてるんだよね。』

唯『はっや!待ち合わせまでまだ1時間ぐらいあるじゃん。まさか親と喧嘩でもした?』

健三『そのまさかです。めんどくさくなって家飛び出してさ。』

俺は自嘲気味に笑った

唯『なんで朝から喧嘩しちゃったの?』

まさか唯自身も自分の事で喧嘩になってるとは思ってないだろう。もちろん俺も口が裂けてもそんな事言うわけないが。

健三『まぁ最近成績落としたのもあるしな。』

唯『それなら私が教えられるとこなら教えるよ。けんちゃんも遠慮しないで聞いてね。』

唯の優しい言葉を聞いて俺は切なくなった。

健三『唯、ありがとな。』

不意に出た言葉。

唯『なぁにそれ♪なんかけんちゃん今日いつもと違う感じだなぁ。』

唯『まぁもうけんちゃんいるなら私もそっち向かうね。それじゃまた後で♪』

そういうと電話がプツリと切れた。

俺は唯の事を思いながら、同時に朝の出来事を思い返していた。
AD