ご訪問ありがとうございます!このブログでは「彫る」という観点から仏像の新たな魅力、また私が目指している仏師についてお伝えしたいと思っています!

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2012-02-18 08:43:52

彫刻の傑作

テーマ:その他
仏像彫刻~守破離~ 第94回

皆さんこんにちは!

先週スペシャルオリンピックスが終わった後、紺野先生、弟弟子の3人で東京の彫刻を見に行ってきました。

場所はこちら↓
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葛飾柴又と言えば…
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やっぱりこの方ですよね!駅前の銅像です。

今回見に来たのは「柴又帝釈天」です。
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わくわくしますね!

一歩中に入ると、お手水など至る所に彫刻があふれています。
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こちらは龍の彫刻。


周囲を見渡すと、彫刻に注目している人はあまりいないようです…。

しかし、竜の爪先などを保護するために網で囲まれています。

鯉が滝を登ると龍になるという伝承にちなんで、龍に変身する前の鯉の姿も↓
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変身の途中なんでしょうか。

迫力ある龍の顔↓
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まだ目的の彫刻にたどり着く前ですが、期待で胸が踊ります♪


これらの彫刻は「関東彫り」と呼ばれる、日光東照宮などの彫刻に代表される流派とのこと。

とても迫力がありますね。

さて、今回の目的は本堂の周りを取り囲む彫刻です。
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圧倒的な存在感にただただ感嘆するばかりです。


これらは法華経の説話に登場するシーンを彫刻にしたものだそうです。

そのため、一枚一枚に物語が感じられ見飽きません。
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アップで見ると…
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まるで本当の光景を見ているかのような繊細な表現です。


すべて異なる作者なのですが、統一された世界観は本当に見事です。

柔らかな表現はに見とれてしまいます。
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生き生きとしている風神
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あまりの凄さにずっと見とれているばかりでしたが、今までに教えていただいた「面の構成」など随所に秘密が隠れている圧巻の彫刻でした。

また、是非見に行きたいですね!






【八番目の観音様】
百ヶ日法要の別称は「卒哭忌(そっこくき)」というそうです。

その意味までは残念ながら載っていませんでした。

あくまで私見ですが、字から推測するに「悲しみを卒業する」という意味ではないでしょうか。

卒…文字通り卒業。
哭…声をあげて泣くこと。

つまり「哭することからの卒業」です。

観音様は、私たちの悲しみを少しも見逃さずに救って下さる気がします。

観自在菩薩、観世音菩薩とも言われ世の中の悲しみの声や様子を、自在に観たり聞いたりして救ってくださるのが観音様です。

故人が遺族の悲しみに引っ張られないよう、また残された家族はいつまでも悲しみを引きずらないようにとの思いがこの百ヶ日法要に込められているのだとすれば、本当に奥が深いなと感じました。

そう思うと他の十二法要にも様々な意味がありそうですね。

どんなことにも意味がある仏教・仏像の深い世界をこれからも少しずつ勉強したいと思います。

それではこの続きはまた次回に。





2012-02-11 08:23:39

聖観音菩薩・光背(2)

テーマ:聖観音菩薩
仏像彫刻~守破離~ 第93回

皆さんこんにちは!

雪国を中心に相変わらずの厳しい寒波が続きますね。

「如月(きさらぎ)」とは言うまでもなく2月の別称ですが、「気更来」とも書くそうです。

これは「陽気が更にやって来る」という意味なのだそうです。

本来ならばそろそろ梅の花も咲き始める時期なのですが…そんな陽気はどこへやら。

春の日差しが待ち遠しいですね。


さて、今回も光背の続きです。

前回は裏を削りましたが、ひっくり返して細かな細工をするための準備をします。

まずは、黄色い矢印部分に切り込みを入れます。
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コンパスで引いた線の上を丁寧に、美しい円を切り込んでいきます。

次にその周囲を彫り下げます。
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残す線が細いので、削ってしまわないように、十分注意します。

こちらが削った後です↓
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ところが、削った後の周囲がガタガタになってしまいました。


表面やラインがガタついてしまってはいくら仕上げても美しくなりません…。

実は、こんな状態をを正確に修正する方法があるんです!

その道具が「罫引き(けびき)」と呼ばれる便利なものです。

こちらが罫引き↓
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きれいに水平線を出すことができる優れモノです。


グルッと一周線を引きます

画面左に見える茶色いモノが“刃”で、これでうっすらと切り込みを入れます。
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かなり見えにくいのですが、見えるでしょうか??


この刃の切り込みよりも上を削れば、美しいラインが再び出てくるというわけです。

罫引きの後削ると…
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右上の部分が無くなってしまいました。


それまでは水平に削っているつもりだったのですが、結構ズレが生じていたんですね。

せっかくきれいにしたところだったのですが、このあと光背でも失敗してしまうことに…。

その失敗の模様は来週お伝えしたいと思います。

【八番目を担当する観音様】
突然ですが、八番目を担当とは何のことかお分かりでしょうか???

仏教にお詳しい方はすぐにお分かりだと思いますが、これは法要に関係している数字です。

調べてみるととても奥が深いなと感じた内容だったので、ご紹介したいと思います。

法要とは、故人が苦しまずに成仏できるようにと、残された遺族が行うもので追善供養と言ったりもします。

仏教では、亡くなった方は7日ごとに裁きを受け、最終的に来世にどう生まれ変わるのかが決まるとされています。

初七日や四十九日という響きはよく耳に残っていますが、この四十九日こそ最後の裁判の日であり来世のことが決まる重要な日なので「忌明け(きあけ)」と言うそうです。(※一部地域では三十五日など異なる場合もあります)

さて、ここからが本題なのですが、四十九日(すなわち七七日)の次は百ヶ日法要です。

この法要の“担当者”こそが観音様なのです。

一体、何の担当なのかと言いますと…

日本には十三仏信仰というものがあります。

これは初七日から三十三回忌までの計13回の法要の際、それぞれ十三の仏さまが故人を導いてくださるというものです。

ここでは全十三仏をご紹介するのは省略しますが、百ヶ日法要は8回目に当たります。

この担当者が観音様なのですね。

では、何が興味深いのか―。

それは百ヶ日法要の別称にありました。

その答えも含めて、この続きはまた次回にご紹介したいと思います。


本日もご訪問ありがとうございました。






2012-02-05 23:56:12

聖観音菩薩・光背(1)

テーマ:聖観音菩薩
仏像彫刻~守破離~ 第92回

皆さんこんにちは!

昨日は群馬に先生のお手伝いで行っていたため、更新が出来ず申し訳ありませんでした。

相変わらず風が強く体感温度が低かったのですが、雪が積もっていなかったのでホッとひと安心です。

稀に見る猛烈な寒波もようやく弱まるとのことで、雪国のかたも一息つけるのではないでしょうか?

これからも雪降ろしなどの作業の際は、くれぐれもお気を付けください。




さて、今回からは最後のパーツである光背をお伝えしていきます。

制作に入る前に光背について少し触れておきたいと思います。

光背とは仏像本体の後ろにあるもので、仏像の体から発せられる「光」を表わしています。

よく仏像をご覧になる方はお分かりかもしれませんが、この“光背が無い”仏像も多くあります。


一体なぜでしょう??


これは、火事や盗難、虫食いなど保存不可能な状態、あるいは戦禍などで失われてしまったからです。

仏像にとって最も大切なものは言うまでもなく「本体」です。

火事などの際は、本体をまず運び出し、光背や台座は後回しになってしまいます。

このため、お寺などの説明書きを見ると、


「光背と台座は江戸時代の後補」


と書かれていることがよくあります。

この背景には何らかの形で失われた結果、後世に修復などによって造像当時のものとは別の人の手で作られたということなのです。

ですから、仏像本体に対し「どこか光背が新しく感じる」「少し違和感がある」というのはこういった理由からなんですね。


今回制作するのは「円光背」という最もシンプルな光背です。

これは観音様によく使われる光背のひとつです。

こちらは京都・醍醐寺の日光菩薩と月光菩薩
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これが円光背です。

では、早速制作に入ります。

用意する材料は、こちらのふたつ↓
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光の輪になる部分と、それを支える部分です。

この時、矢印にあるように中心線を描いておきます。
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まず、円の外側と内側にある糸ノコの後をきれいに削ります。
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これが終わると、コンパスで円を描きます。

裏返し、写真にあるように斜めに削ります。
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内側も同様に処理します。

ひと通り削りとこんな感じです↓
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真ん中の支えは、最後まで残しておきます。

これはなぜかと言いますと、木目の関係で弱い部位を補強しているためで、早い段階でこれを取ってしまうと簡単に割れてしまいます。

壊さないように注意が必要ですね。

それではこの続きはまた次回に。







2012-02-04 01:44:51

お知らせ

テーマ:その他
本日は群馬の前橋・高崎教室のお手伝いをさせていただくため、更新は明日になります。

いつも見て下さっている方には申し訳ありませんが、日曜日までお待ちください。

本日も、ご訪問ありがとうございました。
2012-01-28 18:01:07

聖観音菩薩・台座(10) 大仏座

テーマ:聖観音菩薩
仏像彫刻~守破離~ 第91回

皆さんこんにちは!

強い寒波により、東北や北陸を中心に大雪となっているようですが、皆さんの地域はいかがでしょうか。

雪降ろしなどで、すでに数十人の方が亡くなられているとのことで、本当に気をつけていただきたいと思います。

今日は、観音様が直接立つ大仏座の上面部分に細工を施していきます。

こちらは先週までの画像です。
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まず、この黄色い矢印と赤い矢印の部分に細工を施していきます。
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この時、一番気を付けることは、切り込みの幅や削る量を同じにすることです。


黄色の矢印では、切り込んだ幅と深さに注意します。

また赤い矢印の部分では、削ったノミ跡がガタガタになったり、深さにばらつきがないように注意します。

これが終わると今度はコンパスで2本大きな円を描きます。

その線上に小さな丸を描いていきます。
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こんな感じです。

これをひとつひとつ彫ると…
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また雰囲気が変わりますね!


ただ、これではいまひとつイメージが湧かないので、実際の蓮の花を見てみましょう。

こちら↓
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真ん中のめしべが分かりますか??


確かに、今回大仏座に彫った小さな丸とよく似ていますね!

こうして比べるとよく分かります。

ここで台座を下から見上げると、黄色の丸印部分が平坦なことが分かります。
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これでは立体感がありません。

そこで、ここに丸刀を通します。
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こうすることで、花びらの縁が外側に反っているように見えます。


一度ここで、大仏座と反花を合わせてみたいと思います。

まだ仕上げをしていませんが、大分雰囲気が出てきました。
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これから綺麗に仕上げて、良い台座にしたいですね!




【滋賀仏像巡りの旅】
京都・滋賀仏像巡りの旅の最後は、滋賀の向源寺です。

こちらは国宝の十一面観音で非常に有名なお寺で、1月8日に行って来ました。

京都駅から電車を乗り継ぎ、1時間20分ほどで最寄駅の高月駅に到着。

澄み渡る空ですが、この日は気温が低く、冷たい風が容赦なく突き刺さります。
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道の脇にはまだまだ雪が。

この地方は「観音の里」として知られています↓
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道中もこの通り。期待に胸が膨らみますね。

駅から歩くこと10分ほどで向源寺に到着です!
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この古い感じがたまりません。

中へ入りこちらの宝物館へ。
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扉を開けると十一面観音は左手の方に安置されていました。

そのあまりの美しさに言葉が出ません。

写真で見るよりも遥かに神々しいそのお姿は、何とも言えない気品に満ち溢れ、思わず見入ってしまいます。

戦国時代の戦禍を免れるために、何度も土の中に埋められて難を逃れてきたそうです。

そのお話しを聞くと「よくぞご無事で…」と、昔の人の気持ちを感じずにはいられませんでした。

とても有名な国宝ですが、機会があれば是非皆さんもこの美しさを感じていただきたいと思います。

それではこの続きはまた次回に。





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