入院中にPTを受けていた。
片足立ち、線の上を歩く、バランスボールに乗るなどの練習。
周りでPTを受けているおじいさんやおばあさんが疑問に思う。
「あの若い人は歩けるのに、何故ここにいるのか?」
車いすに乗ったまま、脚に重りをつけて脚を上げる練習。
四つん這いで左右反対の組み合わせで手足を上げる練習。
手すりにつかまって立ち上がり練習。
歩行器を使っての歩く練習。
そういう中にいると、私は奇異にうつるらしい。
歩行器具なしで歩いているからである。
療法士を通じて質問が来る。
「バランスがとれないから訓練してるんです。」と答える。
「うん? 変圧器?」 「それはトランス」
「恍惚状態のあれ」 「それもトランス」
「あー、ヨーロッパの国の」 「それはフランス」
「ヨーロッパの文化革新?」「それはルネサンス」
「恋物語だったか」 「それはロマンス」
「微妙な意味合い」 「それはニュアンス」
「ハワイの踊り?」 「それはフラダンス」
「遊女の言い回し」 「それはありんす」
こんな会話がはずんだらおもろいんでやんす。
→「脳とバランスと私」その1
→「脳とバランスと私」その2
→「脳とまっすぐと歩く」
→「脳と旋回と私」