医師の間でも誤解がありますので、今一度説明します。もしご夫婦のどちらかが均衡型相互転座である場合のお話です。

1)均衡型転座を持っているご本人は2種類の染色体の一部がちぎれて入れ替わっているだけで、そこに載っている遺伝子の数に過不足がないので、ご本人は健康です。

2)精子や卵子が出来るときに不具合を生じ、受精卵は本当は2個づづなはずなのに、ちぎれた部分が3個になったり1個になることがあるので問題になります。

3)出来る受精卵は、①正常の染色体、②親と同じ均衡型相互転座、③不均衡型転座の受精卵のいずれかになります。①と②の場合は、健康な赤ちゃんが生まれます。③の場合は、流産する場合が多いのですが、まれに重篤な合併症をもって生まれます。

4)③の場合をもう少し詳しく説明すると、隣接I分離、隣接II分離、3:1分離という形の不均衡型転座の受精卵が出来ます。どのタイプになるかは、Stengel-Rutkowski法やHC-Forumという方法で推定します。

5)隣接I分離の場合は、小さい部分トリソミー(染色体の一部が3個)と部分モノソミー(染色体の一部が1個)の組み合わせとなります。ちぎれた部分が小さければ流産ではなく、そのまま生まれることがありますが、合併症を持っている可能性があります。

6)隣接II分離の場合は、ちぎれた部分が大きい部分トリソミーと部分モノソミーの組み合わせなので大抵は流産となります。

7)3:1分離には2種類あって、部分トリソミーのペアー、部分モノソミーのペアー、また片方の染色体の完全トリソミー、あるいは片方の染色体の完全モノソミーになり大抵は流産します。

8)ちぎれた部分が大きいのか小さめなのかは染色体全体の長さに対する、ちぎれた部分の長さの割合(%HAL)で判断します。

9)部分トリソミーの場合、%HAL>4.0、また部分モノソミーの場合、%HAL>2.0の場合、不均衡部分が大きいので、流産してしまう場合が多いと言われています。

この辺のところは、近いうちに一般の方向けの講演会があるようなので、その会で詳しく説明されると思いますので、ご参加されては如何でしょうか?まず4月29日(土)の講演会http://sapporofuikusyotyakusyosyogaiconsortium.kenkyuukai.jp/special/?id=23982、その後6月6日(火)は札幌市主催(WEST 19で)の講演会(まだホームページには載っていません)が予定されています。どうぞご参考にして下さい。

 

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