普段着の物語たち。

普段着の物語たち。

僕と、そして、ここを訪れてくださる皆さんの、とてもとても身近なところで
繰り広げられているかも知れないような、そんな物語たちを短編小説に仕立て
て、お届けできれば良いなぁなんて思っています。

皆さん、はじめまして。

これから、この場所をお借りして、僕の短編小説をアップさせていただこうと思っています。何かのご縁で、ここを訪れてくださった皆さん、どうぞ今後共ご愛読をお願い致します。現在は『一話完結』で様々なシチュエーションを物語にしておりますが、今後は連載などにも挑戦したいと思っています。


◆短編の物語たち。(目次)◆
 

現在、〈♯1〉~〈♯39〉まで。全て違うストーリです。

◆3話完結の物語たち。◆

『とっておきの朝を』 ~第一話~  ~第二話~  ~最終話~
 
アルバイト先でのせつない恋と、意外な結末のストーリーです。

◆~長い物語~『幸せになりたい。』(目次)◆  

福岡でコピーライターをしている『紺野』と、沖縄出身の女の子『風子』、
そして、その仲間たちが繰り広げる物語。人を好きになること、人を思い
やること、そして、それぞれの幸せのカタチを叶えることを綴った、優し
く、せつないストーリーです。


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抗うことを続けるよりも、

抗うことを止める方が、

決心が必要で、

勇気が必要なんだ。

だけど、「そうする!」と

決心して、勇気を出して、

スイッチできたら、

その先には、何が待っている?

きっと、きっとだけど、

何も待っちゃあいないんだろう。

ただ、ぽっかりとした空白が

広がっているだけ。




 旧街道を辿ることが好きです。
最近では,なかなか出かけることが
なくなりましたが、道路っ端に案内
板を見つけたりしたら,ちょいと寄
って行きましょうか、となります。

 先日,長崎から,旧長崎街道を辿
って福岡まで帰る途中に『長崎街道
・多良海道/肥前浜宿』というのを
見つけて、ぶらり立ち寄ってみまし
た。古い酒蔵が連なる『酒蔵通り』
や浜庄津町・浜金屋町・伝統的建造
物群保存地区を巡りました。

 その街角で,小さな花壇を見つけ
ました。澄み渡る秋空と秋桜の色合
いのコントラストがとても素敵で,
カメラに収めました。


普段着の物語たち。-秋空と秋桜



 今度は,いつ頃、旅に出ることが
できるだろう。「日々,慌ただしく
生きていく中で、小さな出会いや楽
しみは、いくつあっても良い」
この風景は、そんなことを伝えてく
れたように思います。
 取材で出かけた、長崎は東彼杵。
ふと思い立ち、取材を終えたら、その
まま脚を伸ばして長崎市内へ向かうこ
とを決める。おまけに、そこで一泊す
ることにした。

夕方に市街地に入ると,『長崎くんち』
というお祭りの真っ最中だ。

宿に着き,さっそく街へ繰り出す。
この時,一ヵ所だけ向かいたい場所があ
った。龍馬が立ち上げた『亀山社中』。
秋の宵,亀山・伊良林への道は、仄かな
街灯が降り注ぎ,そこに人影はない。
当たり前だ。こんな時間に向かっても,
中は見学できないのだから。

だけど、以前も僕は,宵の頃に『亀山社
中』を訪れており,この時の、凛とした
佇まいが頭から離れなかった。


普段着の物語たち。-龍馬も歩いた道

この先に,『亀山社中』はある。
期待に、カメラを構える手も震える。

進むほどに、聞こえてくるのは,石畳
を踏みしめる自分の足音だけだった。

傍に居た相棒も僕も,無言のままだ。
向かう先の方から,涼しい宵の風が降
りてきた。


 
 明日で、大方、事務所の引っ越しも
片がつく。一つひとつ荷物が減ってい
き、空っぽになった室内には、ほんの
小さな独り言さえも響いてしまう。
 全くと言っていいほど感傷はなく、
それがかえって不思議でもある。

 そんなに大きな背中ではないけれど、
知らず知らずに、好き勝手に、いろん
なものを背負っていたようだ。
 誰に強制されたでもなく、誰の言葉に
も耳を貸すことなく、ただただ、自分
勝手に背負い込んでいたんだな。

 あとわずかで、この景色ともお別れ
です。事務所の扉の前、廊下の窓から
見上げるこの空は、意外とお気に入り
でした。


普段着の物語たち。-事務所から見上げた空

よりにもよって、引っ越し中です。
荷物を運んで、運んで、運んで。
それも間もなく、終了です。

15年ほど、お世話になった場所に、
そこで出会った人たちに、結ばれ
た縁に、心から感謝です。


普段着の物語たち。-ある高原の夏空