命の灯ははかなくて
それでも魂は消えなくて
消せなくて
あなたを想うこの気持ちは
今この瞬間がすべてに繋がることを
僕に教えてくれた
僕は立っていた
丸い水平線しかみえない
海の真ん中に
太陽と星が
僕を導いてくれるように
立っていた
太陽が昇り
つきが丸く頭上に輝くことが
ありふれた奇跡であるように
歯を磨き
靴下をはくことが
ありふれた奇跡であるように
君の目に僕が映ることが
僕が探していた言葉にできない何かだった
愛していると言えない僕と
そんな言葉を必要としない君の間に
何をも超越した愛が存在したことを
知っているのはきっと君と僕だけだろう
それでいいよね
そのほうがいいよね
僕を導く命の灯火が
匂いもカタチもない風にさらわれ
音もなく消えていった
余韻だけを微かに残して
僕だけをここに残して
君は笑って
僕は泣いていた
でも
それでいいよね
そのほうがいいよね