毎日新聞2005/1/4付 楽天・ベガルタ協奏曲より抜粋
「札幌のホテルに泊まると、以前は置いてあったコンサドーレの(サポーター)申込書が、(昨年は)日ハムに変わっていた。
フロントに聞けば『日ハムの担当者に置き換えさせてくれと言われた』というんですよ」。
ベガルタ市民後援会の佐々木知広理事長は、札幌での現象をそう説明し
「競争するのはいいが、相手をつぶすような競合関係はいけない」と付け加えた。
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この事実をどれほどのファイターズファンがご存知だったのであろうか?
これのファイターズ営業部の行動を認めるような方は根本的にプロ・スポーツということを勉強して欲しい。


評論家 二宮清純氏はプロ・スポーツには競争と共存の精神が重要だという。
ファイターズにおいて、競争とはリーグ所属チームとペナントレースを争い、勝利だけではなく、ファンを楽しませるベースボールを展開することであり、共存とはリーグや地域と共に歩み続けることである。
ジャイアンツのようなタンパリング紛いの移籍交渉や不可解な形でのドラフトはリーグ所属の他チームを草刈場にしていることであり、競争とはいわず、共存の精神からも遠い。


ファイターズにとって、共存とは同地域スポーツクラブとネットワークを結び、共に手をとり、生き残ることが重要であり、このファイターズ営業部が行った行動は共存から懸け離れる行為だ。
同地域スポーツクラブを草刈場にしてはならない。


これを象徴するかのようにコンサドーレ札幌との共存共栄は図られていない。
同日ほぼ同時間に試合を開催されている場合もあるし、現状ではマスコットの競演等も聞いたことがない。共通チケットは一時期販売していたらしいが…。
事実、ファイターズ側からは「コンサドーレ札幌との提携には消極的である」との噂レベルな話が、漏れ聞こえる。

この事態の流れは一部ファイターズファンがコンサドーレ札幌の不甲斐なさを理不尽な形で揶揄することと同じくして、コンサドーレ札幌サポターの多くはファイターズに対して嫌悪感を抱いている。


余談であるが、コンサドーレ札幌の不甲斐なさを述べているファイターズファンが存在するとしたら、サッカーの上位リーグ昇格システムについて勉強不足この上ないだろう。
サッカーはワールドスタンダードとして、新たにチームを立ち上げる場合、どんなに資金力があっても最下層のリーグから開始しなければならない。ハイスピードでJ1入りを果たしたチームも国内においても大分トリニータは県リーグ1部から、超法規的措置であった横浜FCでもJFL(全国社会人リーグ)からスタートしている。
両チーム共にJ1までは5年以上の経過が流れており、資金力と空きがあれば加入できるNPBとは異なり、スタッフ・選手・サポーター共にJ1まで這い上がるのにどれほどの智恵と学習が必要なのか…を知るべきだろう。


一部ファイターズファンは本来の「地域密着」という言葉を不勉強だ。
チーム名に地域名を入れたり。
佐藤義則をコーチに招集したり。
若松勉を監督招聘を要望したり。
戦力外やFAとなった北海道出身者の選手を獲得要望したり。
これを行うことが「地域密着」ではない。


「地域密着」とは、地域の全てとクラブの共存共栄であり、草刈場にすることではない。
ファイターズがこのような共存共栄を手を差し出さない限り、「地域密着」という言葉が詭弁の塊であることをファンは認識しなければならない。


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