2009-10-07 22:41:37

南極料理人

テーマ:食について思うこと。
邦画がおもしろい。年齢が上がったからだろうか。昔よりも邦画を見る機会が確実に増え、おもしろい!と思う映画もバリバリ増えた。

そこでこの「南極料理人」。おすすめです!日本の映画館では珍しい~と思うくらい、笑いの渦が頻繁に巻き起こっていたので(ちなみにマレーシアの映画館では、どんな映画でもみな膝をたたいて大爆笑している)、わたしだけでなく観客全員がブラボー!と心のなかで叫んでいたと思う。

いちばんいいな、と思ったのは、南極越冬隊員のセリフ。すっごく普通に、誰もが言いそうなセリフ満載で、いうなれば「南極越冬隊」という会社に勤めている新入社員がつどう男子寮のノリ。肉を振り回しながら「あっ、おれ、ねっ、だんだん楽しくなってきたぞー!」と叫んだり、伊勢海老があると聞いて「海老フライが食べたい。もう、みんな海老フライモードだからね」と調理人に念をおしたり。さながら血気盛んな男子寮をのぞき見しているような気分になる。

主人公である調理担当西村さんの心のこもった料理に、食べ物にまつわる個人のエピソードがうまい具合にからんでいて、とってもうまい、うますぎる。珍しいオーロラの景色よりも、長いこと食べてなかった「アッツアツの湯気のたったラーメン」のほうが大切、なんていうシーンは、実際に4年間マレーシアで日本食を大切に、大切に、食べてきた経験を思い出して、ムショーに切なくて、思わず涙が出そうになってしまった。

ちなみに、この映画のフードスタイリストもまた「飯島奈美さん」。彼女はすごい。映画「かもめ食堂」「めがね」、そして「南極料理人」と大活躍。さらに調べてみれば、映画「ヴィヨンの妻」も「のんちゃんののり弁」にも参加しているそうな。すごい、のっている。

もうひとつちなみに、飯島奈美さんの特徴を「かもめ食堂」と「南極料理人」を見て発見。しょうが焼きやぶりの照り焼きなど、ソースを煮詰めてタレにする料理は、フライパンで煮詰めながら、必ずソースをスプーンですくって、何度も何度も魚や肉のうえにかけてるね。もしかしたらこの作業が、奈美さんそのもの!なのかもしれない。

最後にもうひとつちなみに。
南極越冬隊には、西村さんのような“料理担当”という仕事があるわけで、人が暮らしていくためには料理人という仕事が必要不可欠なんです。なので料理って、立派な仕事なんだ、と実感したしだい。仕事をしながら、料理もして、子育てもしてる、ってなお母さんたちは、兼業、兼務、かけ持ちのプロってわけなんですね。あっぱれです。
2009-10-05 14:13:46

かもめ食堂をみて

テーマ:食について思うこと。

フィンランドの街にある日本の食堂「かもめ食堂」。淡い水色で塗られた木製の壁、オフホワイトのテーブル席、レトロなコーヒーメーカーなど、北欧の街にぴったりマッチするインテリアで飾られた店内では、「カフェルアック!」というおまじないをしたコーヒーや、焼き立てのシナモンロールが出てきて…。

 

というような内容の映画「かもめ食堂」を見た。予想どおり、おいしそうな料理がいっぱい出てきて、ほっかほかの気分になった。なんといっても、かもめ食堂のインテリアがかわいい。マレーシアでは、赤提灯や凧などの純和風なインテリアが日本食レストランの定番だったけど、パステル調の缶詰やステンレスのフライパンなど、フィンランドのかわいい雑貨がてんこもりの食堂。思わず、一見しただけでは日本食屋って分かんないよな~と思ってしまったけど、そんなツッコミはひとまずよそう。

 

でもひとつだけ、ちょっと思った。

 

かもめ食堂の看板メニューは「おにぎり」。ほっと息をしたいときや悲しいことがあったとき、みんなでおにぎりを食べる。でもこのおにぎりの味は、きっと、絶対に、みんな同じじゃない。

 

主人公の小林さとみちゃんが言う。「おにぎりは、唯一お父さんが作ってくれた料理。それがとてもおいしかった」って。だから看板メニューにおにぎりを選んだって。

 

心に残る食べ物や心に沁みる食べ物は、必ず、なにかの思い出と結びついていると思う。めちゃおいしい!なんて感覚は、究極に主観的なものだから、そのおいしさには、必ず個人的な理由があると思う。

 

だからフィンランドで、その思い出のあるおにぎりをフィンランド人にぶつけてみるのは勇気のある行動だとは思うけど、その味をみんなが感じてくれるかというと、そうじゃないと思う。日本人であれば、ある程度おにぎりに対する思いはあると思う。でもフィンランド人にとってのおにぎりは、きっとポテトやサーモンなんだよ。

 

本当においしいものは国境を超える。と、ときおり実感することがあるけれど、よくよく考えてみると「これ、おいしいんだよ~」と紹介してくれた人が仲良しだったり、料理を作ってくれた人の顔が見えるときに起こりやすい。そのときのわたしの気持ちを翻訳するならば、「あ~、この人は、こういう味をおいしいって言うんだ、なるほど」みたいな、共感的おいしさだと思う。

 

マレーシアでたっくさんのおにぎりを食べて、そのときはおいしいって思っていたけど、日本に帰ってくると、日本で食べるおにぎりがやっぱりおいしくて、おいしくて仕方がない。それは気候、具、お米の種類など、いろんなものが関係しているから当たり前のことなんだけど、マレーシアで本気でおいしい料理は、やっぱりチキンライスやナシレマなどの現地の食事だと思う。日本食のおいしさは、思い出や故郷の懐かしさなど、日本人としての思いがいっぱいこもったおいしさだったんだね。

 

「おいしい」っていろいろあるんだなぁと改めて実感。

といっても、かもめ食堂がおいしい映画であることはまちがいありません。

 

おまけ:先日、五目寿司に初挑戦してみました。


体と心をつなぐ食、ときどき、つぶやき


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