「フォロワーシップ・キャリア」は、
全ての人が備え持つ「実行力」であり、
「自己実現力」の概念と同様でもあります。
以前の組織内では「リーダーシップ」や「マネジメント」の
研修にフォーカスしていました。
ロバート・ケリー氏らによる
「フォロワーシップ」の重要性を鑑み、
社内外教育が行なわれています。
しかし、・・・大抵の場合、偏っている、
または意思決定の抑制につながる
「フォロワーシップ」の教育であるように感じます。
フォロワーシップとは
(私釈で)「健全なる動態的支援者(フォロワー)」の状態・技量のことです。
※「フォロワー」とは、マーケットのポジショニングでいう追従者、あるいは市場におけるプロダクトライフサイクルの成長期初期の顧客(参加)層にも該当しますが、ここではチーム・組織における支援者(フォローする人)、および個人の中の実行力、分析力などの能力という概念です。
その役目は、「自律的支援」と「主体的貢献」と考えています。
ただし、
リーダーや上司の指示・命令に対して、従順・服従・従属・受動的・依存的という関係ではありません。むしろ、建設的なプロセスであり、目的を達成するためのタスクです。そのために、その支援者(フォロワーする人)の行動は、「責任」があってのものとします。
例えば、・・・
例えば、・・・
単純に、リーダー(上司)の下にいる部下をフォロワーシップ(部下力)と捉えてしまうと、偏った状態になる可能性がありますので注意です。
例えば、リーダー(上司)となる人が、部下にフォロワーシップを教えている会社もありますが、これは「上司からみる良い部下(フォロワー)とは?」に集中する危険があります。リーダーを主体にしたフォロワーシップにもなりかねません。
考えるに、「フォロワーシップ」は役職・地位・上下関係など関係なく、ある目的・ビジョンに共感・共鳴した際その達成のために、自動的または主体的に発動される「支援する行動」に他なりません。
「フォロワーシップ」が、「リーダーシップ」との相互関係であることは間違いありませんが、「リーダーシップ」を発揮する者が誰であろうとも、その「リーダー」のビジョンなどに共感・共鳴することができれば、「フォロー」することが目的ではなく、「目的・ビジョン成就」のために「フォローする」という行為になるということです。
ビジョンのない、あるいは間違っているビジョンのリーダーに付いていくフォロワーは、「真のフォロワーシップ」でなはく、ただの従属関係であるのかもしれません。ビジョンのない組長は組員に裏切られますが、ビジョンのある組長には(力や金でなくても)組員は付いていきます。これは親子関係でも言えることで、ビジョンのない親に対して、子供は後継者と成り得るのか、・・・難しいでしょう。
さらに、
「フォロワーシップ」の提唱者である米国のロバート・ケリー(Robert.E.Kelley)教授の著書
「THE POWER OF FOLLOWERSHIP(1992)」によれば、調査の結果、組織・チームがもたらす成果(結果)に対して、「リーダー」自身が及ぼす影響力はたった2割、「フォロワー」が及ぼす影響力は約8割にもなることを伝えています。
「THE POWER OF FOLLOWERSHIP(1992)」によれば、調査の結果、組織・チームがもたらす成果(結果)に対して、「リーダー」自身が及ぼす影響力はたった2割、「フォロワー」が及ぼす影響力は約8割にもなることを伝えています。
BOOK SUMMARY・・・says Robert Kelley, who actually contribute more than 80 percent to the success of any project, any organization, while leaders at best contribute only 20 percent.(出所:Kelleyideas.com)
これは、日本の経済成長期におけるパターンだと私は感じています。(私はその時代の者ではないですが)素晴らしいリーダーもいたでしょうが、「フォロワーシップ」の力はとてつもないと感じています。日本人特有の「フォロワーシップ」があるということです。
しかし、日本も「フォロワーシップ」が弱くなっているのかもしれませんが、強化する動きがあちこちの企業、教育団体であります。ただ、ビジョンのない「リーダー」についていく「フォロワー」を育成するのには、少し疑問が残ります。
2割程度だからといって「リーダーシップ」を疎かにすることではなく、「リーダーシップ」と「フォロワーシップ」は共存しなければ、個々で成果が発揮されることはないということです。共存共栄ということでしょう。
リーダーが「ビジョン」を示したら、フォロワーはそのビジョンを「翻訳(自分なりに理解)し、具現化する」ことと考えてください。
私は、個人のキャリアとして「リーダーシップ」「マネジメント」「フォロワーシップ」を磨いていくべきだと主張します。
そもそも「フォロワーシップ」も「リーダーシップ」も同一人物の中に存在するキャリアで、組織・チームのリーダー(上司・上長)であっても、部下に対して「フォロワーシップ」を発揮する場面が数多くあります。
組織・チームの「目的成就」のために、「フォロワーシップ」を発揮するリーダーの状態を「サーバント・リーダーシップ」と呼びます。
※サーバントの意は、召使い・奉仕です。
サーバント・リーダーシップ
「サーバント・リーダーシップ(Servant leadership)」は、一言で言うと、「支援型リーダーシップ」です。「リーダーである人は、まず相手に奉仕し、その後相手を導くものである」という哲学です。
それに対して、従来のものは「支配型リーダーシップ」と捉えることができます。
この「サーバンド・リーダーシップ」は、1970年ロバート・グリーンリーフ氏により提唱された哲学で、ビジョン・目的やミッションが前提であることですが、「任せる(責任の委譲)」「尽くす」ことで「フォロワー」を活かすことができるタイプです。ようは、「利他的リーダーシップ」とも言えます。
今回、この「フォロワーシップ」の箇所で「サーバント・リーダーシップ」を説明したのは、その精神、特性が、「フォロワーシップ」に類似しているからです。
ようは、「フォロワーシップ」のキャリアがある者だけが、この「サーバンド・リーダーシップ」を実践できると感じたからです。