【フラトレスのキーワード】①コロス:生きた風景

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コロス

といっても、物騒な話ではありません。演出手法の名称です。

コロスとは
人格をもち独立した個人の役ではなく、
登場人物の感情を代弁したり、物語の背景を伝えたりすることで
物語の進行や理解を助ける「個性のない生きた風景」の役を担う人
またはそのような役割を用いた演出のことです。

今回の投稿ではこのコロスと、わたしたちフラトレスの作品の特徴についてお話します。

コロスの歴史は長く、成立は古代ギリシャ劇にまでさかのぼります。
当時のとても大きい円形劇場で、
コロスは動きを誇張したり、身体表現を駆使したりして
遠くの観客にも物語が伝わるようにしていたそうです。

フラトレスの作品では、コロスの表現に「ジャグリング」と「見立て」を用います。
道具の操作に熟練したジャグラーがコロスを演じることによって
道具そのものあるいはその動きが様々な「見立て」を生み出し、身体表現を拡張します。
また、道具を巧みに操る姿は単純に楽しめるものであり、
コロスにエンターテインメント性の付加価値を与えるねらいもあります。


コロス01コロス02


『言葉とジャグリング』

この二つの要素が共存する一般的な例として、大道芸を挙げることができます。
大道芸では、ジャグリングの技の難易度、面白さ、魅力を引き出し、
観客に伝えるために言葉が尽くされます。
この関係性を一言で表現するならば
「ジャグリングのための言葉」だと言えます。

一方、フラトレスのコロスでは、言葉では表現しきれない情景、情動を
ジャグリングによって補い、支えます。
これは、大道芸での関係性とはちょうど真逆の
「言葉のためのジャグリング」にあたると言えます。

言葉とジャグリングの関係性の主従(あるいは図と地)をひっくり返してみること。
それが、私たちの作品の特徴であるジャグリングを用いたコロスであり、
昨今のジャグリング界で関心を集めつつある
「舞台芸術とジャグリングとの親和」という命題における
私たちからの一つの提案です。
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