先日、とても素敵な日本人女性にお目にかかった。
こちらの大学院を卒業し、現地企業でマネージャー職に就いているという。とてもお綺麗な方で、ご主人様は地元の政治家だそうだ。
「聡明」という言葉が、これほど似合う女性にお会いしたのは、久しぶりだった。
こちらに来て半年も経つのに、まだまだ生活を回していくだけで精一杯の毎日に、あれこれ言い訳を見つけていた自分を大いに反省し、また頑張らねば、と、良い刺激を頂いた。
さて、今日のテーマは「英語」である。
とにかく、英語の力不足が、今、一番の悩みの種だ。
これからの時代を生き抜くのに、必須なスキルの筆頭に挙げられる
「英語力」。
英語でコミュニケートする力。
英語で情報収集する力。
英語で集めた情報を元に、論理的に現状を把握する分析力。
英語で自分自身を表現する力。などなど。
とにかく、ここアメリカで、自分には
やりたい事がたくさんある。
やらねばならない事もたくさんある。
まだ知らない(出来ない)けれど、英語力がアップすれば
拡がる世界はいくらでもある。
それなのに、現実の自分は、
CNNのニュース番組を前に、日々、落ち込んでいる。
(こちらのTV画面には、英語のキャプションを表示できるのだが)
その文字を読むのに、四苦八苦しているからだ。
(この文字がなかったら、完全にお手上げ状態だ。)
また、日常生活でも、子供の野球の応援に行った時には
思いっきり凹んでしまうことがある。
コーチ達との会話は、内容が、息子の野球の技術的指導だったり
試合のリスケ(スケジュール調整)の話だったりするので
だいたいのことは判るし、こちらからも伝えることも出来る。
でも、試合の観戦中に、他のアメリカ人の親達の中に入ると
話の内容が全くわからない。こんなに、チンプンカンプンだと
自分自身が滑稽に思えて、何だか笑ってしまう。
昨夜のTVドラマの話、家の荷物が片付かない、といった具合に
何となく、話している話題が判るだけでも、上出来だったりする。
でも、あちらも私の反応を見て、こちらが全く理解していないことに
気づくのであろう。そのうち、側に居ても、話しかけてももらえなくなる。
仕方がない。これが、現実の自分の英語力なのだから。。。
でも、このブログにもしばしば登場する、ご近所の皆さんが
とても親切なのが、せめてもの救いだ。
面と向かって話をする時は、私が判る様にゆっくりと話してくれるし、
何人かでランチをしている時などに、私が知らない
他のご近所さんの名前が出てくると、「○○さんは
前にこの近くに住んでいてね・・・」みたいにして、
その人の情報を解説してくれたりする。
本当に有難いことだ。
自分が、英語でどのレベルまでいきたいのか
どんな話をしたいのか、どんな情報を集めたいのか
現地での生活にどこまで入り込んでいきたいのか
それによっても、自分に必要な英語力は違ってくると思う。
ようは、自分がどうしたいのか、その軸がぶれないことが大切だ。
私は、学生時代から、英語が好きだったし
学校の成績はまずまずだったので、将来は
英語を使った仕事をしたい(例えば、国際機関で働くなど)と
考えていた時期もあった。そのために、大学入試の時は外国語学部も
いくつか受験したのだが、残念ながら志望学部には入学できずに
法学部に入学。普通に学生時代を過ごし、一般企業に就職した。
社会人になってから、一時期、イギリスに留学していた夫について
渡英し、帰国後は、英→和の翻訳家に憧れて、少しだけ勉強したが
それも途中で挫折してしまった。
そして、15年以上ものブランクを経て、今回のアメリカ生活で
錆付いた英語を使ってみたら、通用するレベル、自分が望むレベルとの
ギャップに、しばし呆然とするこの有様だ。
でも、それでも
これから数年間はアメリカにいる訳なので、これが英語と真剣に向き合える人生最後のチャンスだと思って、英語の勉強は続けていこうと思っている。
ちなみに、こちらで暮らし始めたことを、学生時代の英語の恩師にご報告したところ、下記のようなメールを頂戴した。
「(略 ) 会話ではあっという間に、
お子さんに抜かれてしまうでしょうが、読み書きでは、桜蔭卒のママの
名誉にかけても、先生でいてくださいね。」
先生とご一緒に、初めて英語の本(不思議の国のアリスなど)を読んだり、NHK基礎英語のフレーズを覚えたりした事も、今では懐かしい思い出である。先生のおかげで、私は英語が好きになった。
その先生も、今はご勇退され、パリ在住の教え子を訪ねたり、
地中海クルーズを楽しまれたりしている、との事。
私も、先生のご期待(?)にお応えできるように、子供に負けないよう
もっともっと頑張って、これからも時々ご報告をしたいと思っている。
最後に、冒頭にご紹介した女性の話に戻るが、彼女はすでに、
人生の半分以上をアメリカで過ごし、ビジネスの話は、日本語より
英語の方が得意だとおっしゃっていた。お子様はもちろんバイリンガル。
素敵な方は、本当にどこまでいっても「完璧」である。絶対に敵わない。
敵わないことが判るからこそ、自分は努力し続けるしかない。
そんな事を考えている、今日この頃である。