これは、もう10年以上前の私の経験です。

今は多少変化していることもあると思いますので、今後の試験の参考というよりは、ただの体験談としてお読みください。

 

6月、とある会館の一室に、15名程度の受検者が集まりました。服装は、ほとんどの人がスーツやブレザーなど。たった一人、Tシャツにジーンズの人がいましたが、浮いてました。

トップバッターの人が課題の用紙を渡されますと、部屋の一番後ろで皆と違う方向を向いて読むよう指示されます。時間は15分。この時、電卓や参考書は使えません。

15分後、いよいよ口述試験開始です。用紙を持って別室に行くよう言われます。

(第1回)

部屋には、やや若い男性2名。にこやかです。相続の設例でした。

「この設例での問題点は、どのようなことがありますか?」

「かくかくしかじかです」

「それの解決策にはどのようなことが考えられますか」

と、話しは進んでいきます。

質問するのは一人、もう一人は黙々と何かを書き留めています。何となく無事に答えて、最後はFP倫理について聞かれて終了(FP倫理は定番でした)。

 

(第2回)

今度は総勢4名、ちょっと慌てました。質問するのは意地悪そうなおっちゃん(老け顔)。2名は名札をぶら下げてたので、金融財政事情研究会の人だったかも。不動産の設例です。

「解決策は、どんなことが考えられますか」

「あれと、これです」

「それだけ?」

「え~、・・・はい」

「これはどうですか?その要件は?」

「・・・」

 

審査委員はお客様と仮定しての試験ですので、「後ほど調べてお答えします」と言ったところ、「え?」

・・・聞こえなかったのかな。

「いえ、わかりません」

これでやっと次の質問に。

「表示登記は誰がしますか?保存登記は?」

これに答えて終了。

4人のうち、喋ってたのはやはり1人だけでした。

 

この試験、ロールプレイング形式と思ってはいけません。知識をいかにして相談業務に生かすか、応用力が問われます。相手はどんどん攻め込んできます。審査委員にも当たりはずれがあるようでして、答えを導こうとしてくれる人もいるとか。でもそれで採点がどうなってるかは謎ですね。極度の緊張から黙ってしまうのが最悪パターンです、「あなたも一日、審査委員大変ですね」くらいの気持ちでぶつかりましょう。