□浄土真宗本願寺派総長 橘正信さん 

 ■正しい生き方ができる宗教を次世代に 今こそ教えをひろめたい。

 --何が正しい宗教なのか、よく分かりません

 橘 その思いを変えたいのです。日本人は宗教心はある。人は宗教なしでは生きられません。ですが、宗教そのものの理解が日本では進んでいません。

 --理解するためには、何が足りないのですか

 橘 正しい宗教教育です。成長とともに宗教教育があって初めて、きちんとした宗教心に基づいて信仰を選んでいくことができます。西欧ではミッションスクールが多く、宗教に対してきっちり教育がなされています。日本は宗教教育を避けてきた。ですから、無宗教で育てられ、いざ困ったときにデパートみたいに好き勝手に選ぶ。信仰の自由といわれますが、そのためにもわれわれは、正しい生き方ができる宗教を次世代に向けて発信していかなければいけません。

 --親鸞聖人がブームになっています

 橘 50年前のブームと今は違うと思います。まずは親鸞さまを理解する上で、史的解釈も進み、いろんな見方ができる時代になった。これは結構なことだと思います。親鸞さまのことは教科書にもそんなに書かれてはいない時代なのに、若い人たちにも知られるのは非常にありがたいことです。親鸞聖人を知り、学ぶことによって、自分の人生とのかかわりが分かっていただけると思います。

 --親鸞聖人750回大遠忌は、教えを伝えるいいきっかけとなりますね

 橘 50年に一度の大遠忌。平成17年から、法要前、法要、そして法要後を起点にした3期12年にわたる「宗門長期振興計画」を進めてきました。あらゆるところに広報展開し、多くの方とのご縁をつくりたいという思いがあります。

 --どんなことを実践しているのですか

 橘 例えば、今、門徒推進員が約7千人育っています。み教えを通しての研修と中央実習を終えた門徒が推進員として活躍してくださっています。その方々に信仰体験を発表していただこうと考えているのです。僧侶の法話だけでなく、いろいろ話し合う機会をつくりたいのです。

 --僧侶以外のお話も求められているのでしょうか

 橘 浄土真宗は万人が救われていく教えです。普通はお寺に参りますと一方的に話を聞くだけです。苦しみを持つ人が来てみたら、聞きたいことと合致しなかった。寺に参っても…となる。まずはテーマを設け、話し合う。そのことについて門徒推進員が話をする。人々の苦悩に向き合い、ともに悩み、支え合うと関係も深まります。もちろん僧侶の法話を聞くことも大切ですが。

 --教えを分かりやすく伝えるための工夫はありますか

 橘 現代に即応する教学の構築も必要です。「拝読 浄土真宗のみ教え」という冊子を作りました。これまでは言い聞かせようという本が多かったのですが、押しつけではなく、親しみやすい表現で理解を深めていただこうと作りました。学生らに感想を求めたところ「浄土真宗の教えがこういうことだったのかと自然に分かった」という意見が多く寄せられました。

 --最後に

 橘 浄土真宗のみ教えは根本的なことを知らされる教えです。「生かされている命」であることを知らされることです。混迷の時代だからこそ、今、念仏というものが理解されやすいと思います。私たちも努力して、み教えをひろめていきたいと思います。=おわり(聞き手 嶋田知加子)

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