警察庁は21日、自治体や公共交通機関、民間企業、学校などが幅広く連携して犯罪の発生を社会全体で押さえ込むための施策をまとめ、全国の警察本部に実施するよう指示した。また、犯罪の抑止には社会の規範意識の向上が必要として、落書きや万引など「軽微」と受け取られがちな犯罪にも厳しく対処する一方、犯人に「心からの反省」を促して規範意識を高め、再犯を防ぐ試みを示すなど、異例に踏み込んだ通達となった。

 通達では、ボランティアの防犯活動を企業や地域、学校に細かく整備し、警察と地域が一体となって少年への声かけ活動を進めるなど、犯罪の抑止に国民が深くかかわるネットワークづくりを指示。

 犯罪抑止に重要な役割を担う地域社会のつながりが希薄化しているとして、大学生や現役世代の社会人などを地域防犯活動のネットワークに取り込み、犯罪発生情報の受信、防犯情報の発信をスムーズに行うよう求めた。

 一方、万引や自転車盗、落書き、歩行者の信号無視など「軽微」とみられがちな犯罪・違反について、見逃がせば、やがて重大犯罪へとつながる「ゲートウェー(入り口)」と位置づけ、「看過しない」姿勢を明示。

 万引では、被害に遭った店舗側が捜査協力のために割かれる時間的なロスを嫌って届け出をためらう現状があり、警察官が出向いて調書を作成するなど時間短縮で届け出率向上を目指すよう言及した。

 同庁の安藤隆春長官は同日開かれた全国警察本部の生活安全課長会議で、「既存の取り組みに対する検証、見直しを行い、『犯罪が起きにくい社会づくり』を推進してほしい」と述べた。

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