名古屋大学 文系 数学|2012年度大学入試数学
●名古屋文系はやや難化 文理共通の整数問題は厳しい
いつもご覧いただきまして、ありがとうございます。 KATSUYAです^^
いよいよやってきました。2次試験の大学入試シーズンです。
2012年 大学入試数学の評価を書いていきます。
2012大学入試シリーズ第32弾。
はじまりました、国公立大学入試。
国公立シリーズ、第16弾。
名古屋大学(文系)です。
旧7帝大の最後のUPとなります^^
問題の難易度(易A←→E難)と一緒に、
典型パターンのレベルを3段階(基本Lv.1←→高度Lv.3)で書いておきます。
また、☆は、「解くとしたらこれがいい」というオススメ問題です。
難易度の指標は、こんな感じです。
D・・・難関大学でも難しい部類の問題。
E・・・超高校級の難問。試験場では即捨てOKの問題。
また、解答までの目標時間を、問題ごとに書きます。
※目標時間=解き方を含め、きちんと完答するまでの
標準的な時間です。
したがって、
目標時間を全部足すと、試験の制限時間を越える
ことも、当然ありえます。
同時に、その時間の2倍考えてもまったく手がつかない場合は、
ヒントや答えをみるといい という目安にしてください。
※2012年の数学の記事から、「Principle Piece」という言葉が登場します。
>> 意味分かってから見たほうが、ぜったい数学の実力上がります^^
名古屋大学(文系)
(試験時間90分)
全体総評・合格ライン
昨年より易化しました。昨年は第3問、第4問が大物でしたが、今年は大物はなく、確率も明らかに易しくなり、方針自体は立つものが多かったと思います。
ですが、相変わらずの計算量で、特に第2問などはうんざりするような計算量。
試験時間90分に対し、
目標解答時間合計は95分。
第3問の思考時間もある程度入っているので、適量だとおもいます。ただし、量が適量でも質は高く、難しかったですね。
KATSUYAは、36分で終了しています。
☆第1問・・・図形と式、最大・最小、軌跡(B、30分、Lv.2)
直線に関する対称点を求める、典型的なパターンですが、計算は文字ばっかりだし、最後の軌跡も文系にはちと厳しいかな^^;
こちらも数度目な気がしますが、対称点に関する原則です。
Principle Piece Ⅱ
直線L に関するPの対称点Q
(1) PQの中点はL上
(2) PQ⊥L
(2)で、PQの傾きで議論すると、文字なので分母ゼロの場合が入ります。そのようなときは、内積ゼロを使ってください。
(3)の軌跡ですが、基本はパラメータ消去です。 h=-s/t と変形できればなんとかなったでしょう。文系には厳しいですが、これも原則に従ってください。
Principle Piece Ⅱ
パターメータ表示の軌跡はパラーメータ消去
パラーメータがcos、sinのとき以外は、これでいきましょう。
※なお、図形的には、B(2,0)とおくと、AO⊥AB となる点がAの軌跡で、OBを直径とする円になることが分かります。
KATSUYAの感想
文系にしては文字が多くていやな感じ。軌跡もちょっときついのでは?解答時間15分。
第2問・・・確率(B、30分、Lv.1)
文理共通の確率の問題。確率は、文理共通になることが多いので、文系の人は理系レベルまでしっかりやっておきましょう!!
しかし今回の確率は、文系レベルです。文字が多く、いかにもややこしそうに書いてありますが。解いてみるとスカされた感じになります。
というより、問題にするならこう表現するしかないですね。
私なら、P(s)とか最大値とかではなく、sの期待値を問題にしますね。
KATSUYAの感想
ん?かなり簡単な気がするが・・・・これでいいんだよな? 一応見直して終了。解答時間9分。
☆第3問・・・整数、2項定理(C、35分、Lv.2)
2項定理を使った、整数の倍数の問題で、こちらも文理共通。理系でも差がつきそうです。
整数問題は考えれば考えるほど実力がアップしますから、ぜひ70分ぐらい考えてみてください。
この手の問題の、余りのだし方です。今年高校生になる人は、合同式が使えるようですから、やる必要なくなりますが。
Principle Piece A
(p-●)のn乗をpで割ったあまり
→ 2項展開して端っこだけ詳しく見る
これでいけます^^
なお、理系にだけ(3)が存在しますが、(4)は(2)と関連しており、あまり意味をなすものではありません。
惑わすためにしては、卑劣すぎる問題です。
難問は(4)です。こちらは発想力が問われましたが、原則を理解していれば、rに関する数学的帰納法が思いつくはず。
問題文にも、「r を正の整数とする」と書いてますし、s の形から見ても、明らかにrに関する帰納法ですね。
Principle Piece B
自然数nに関する証明
→ 数学的帰納法が有効
これは、原則として頭にいれておきましょう。
KATSUYAの感想
文系には(3)はなく、流れもスムーズに出来ている。理系のはただのまやかしか?(4)は数学的帰納法を思いつき、さくっと終了。多分差はつくだろう。解答時間12分。
合格ライン
第1問、第3問ともに(2)までは欲しいところですが、これでは2完にならないでしょう。
問題数が3問と少ないので、どちらかは最後まで行ければ、それが合格への道だったでしょう。
合わせて2完がボーダー。66%です。
対策
理系同様、ここ最近は難易度が少しぶれます。また、理系と共通の問題は、文系にとって難しいものもあるので、狙われる共通問題の分野(整数、確率など)はハイレベルな対策を行いましょう。
まずは早めにPrinciple Pieceを手元に集め、じっくり演習で、さまざまな場面でどう適用するかを学んでいきましょう。
過去問の利用もかなり有効ですが、難易度が年によってぶれますので、あまり点数を気にしないこと。それよりも、解いた後は解説や研究を熟読しましょう^^
このブログを見たあとであれば、「ああ、ここが原則なんだな」と、読みながら分かります。実力UPの瞬間です!!
原則(Principle Piece)の存在を確認するために量をこなし、自分で原則が適用出来るように、じっくり演習をおこなうことがベスト。
以上です^^
今回で、旧7帝大の数学はすべて終了しました。総括を例年のとおり、「文系リーグ」「理系リーグ」という形で、後ほど述べたいと思います。
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