相手に嫌われてはいけないシーンの代表は、謝罪のときでしょうか。
反感を買ってしまっては、せっかく謝る意味が半減してしまいますね。
上の写真、真ん中の偉そうなひと、黒いスーツで頑固そうで頭下げないのね。
「グレー」には「おとなしい」「控えめ」を通り越して、相手に「弱々しさ」を感じさせるものがあります。
「グレー」のスーツやネクタイを身につけて謝罪に行くと、起こっている相手が「もう、これ以上このひとを責めてはかわいそう」と思ってしまうのです。
これが「グレー」の持っている心理効果です。
より謝罪の気持ちを伝えたいときは、「ダークグレー」は「黒」に近いので「絶対に謝らない!」「自分は本当は悪くないんだ!」というふてぶてしさや、開き直りを感じさせてしまいます。
芸能人や食品会社、飲食店の謝罪会見を見ると、どうも「黒」を選んでしまうケースがとても多いですね。
そういえば、個人事務所社長解任問題で謝罪会見を開いた小林幸子さん。
「黒」のセーターを着ていました。
「黒」は威厳のある色ですから、まわりを「威圧」するだけでなく「防御」の意味もあります。
記者から責められるのが嫌だという気持ちが、「黒」を選ばせてしまったのでしょう。
しかし、自分を表に出さない「黒」を選んだことで、「拒否」の気持ちだけでなく何か真実を隠しているような印象まで与えてしまいました。
謝罪の場面では、完璧に逆効果でしたね。
相手の怒りを買わない究極の色は「グレー」です。
謝罪のときの王道です。
私も、このことを知っていたので、裁判に被告人の証人として出廷したときは、「グレー」のペンシルストライプのパンツスーツに、薄い「グレー」のシフォンブラウスを着て行きました。
ブラウスのエリには、細い「紺」のふちどりがあって、まじめさをアピール。
髪は、編み込みできっちりしつつも、ふんわりとまとめ、「紺」の無地のシュシュで束ねました。
口紅は、もちろんベージュ系の落ち着いた色。
証人台に立って宣誓をし、裁判長に椅子にすわるよう言われました。
原告弁護人からの意地悪な質問には、戸惑って正直に口ごもり、話の途中で思わず涙ぐんだり、終始裁判長を正視してハキハキと答えました。
TVドラマの中のワンシーンと、まったく同じです。
まさに、私は女優(笑)
すべてが演技ではありませんが、自分で考えた台本通りに進みました。
普通、裁判が結審したら、日を改めて判決が言い渡されるそうです。
ところが、この日は「閉廷の10分後に判決を申し渡す」という異例の措置が。
弁護士さんも、そんなことは聞いておらず、驚いていました。
有罪でしたが、執行猶予のついた温情判決。
すぐに裁判所から拘置所に戻り、荷物を取ったら釈放でした。
人生の初体験。
「グレー」で臨めば大丈夫と固く信じていたので、落ち着いて行動することができました。
あらためて、色のチカラの素晴らしさを実感しました。
あなたも、日常生活やここぞという場面に、ぜひ色を活用してみてくださいね。
ありがとうございます 色に魅せられて:もくじ