大学構内にあるレストランへソウウツシニア、ブンレツさんと。給仕は男女二人を除いて学生のようだ。客も教授が占める。秀才女子はアルバイト間もないと受け取れ、ナイフとフォークを順番に並べる動作とメニューの音読がおぼつかない。つい今しがた覚えたばかりであるかのごとくまごつき、早口になっていた。その様子を暖かい眼差しで見守っていたつもりだが、好奇に満ちていたことは否めない。同時期に入ったと容易に推察できる秀才男子は左手を常に胸に当て、それが彼にとって緊張を落ち着かせる仕草のように思えてならなかった。ベストは後ろで縛りすぎてしわになっている。気の良い、しかし気弱な青年だった。それを見守るソムリエ女子はまごつく部下に苛立ちを隠せない。眉間にしわが寄っていてる。マスターと思しき男子は全てを包み込み、フォローに回る。テーブルを囲む教授たちはなお面白い。年輪を重ねているほど変な人間が多い。その分野では抜群に秀でた能力を持っているであろう彼らはそれ以外のことに頓着していないのだろうと思わせる着こなし、髪型、喋り方、所作。気づいた頃には満腹になっていた。
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ずるいことをしながらもブログを3年続けることができた。自分では快挙だと思っている。映画などが溜まってどんどん書けなくなって、毎日をクリッカブルにする必要性が皆無になり、スタンスの迷走はこの3年の区切りをめどに大幅変更を考えていた。頻度を減らそうかと。しかし今、踏ん切りがつかなかった。現状維持は得意とするところ。このまま続けていこうではないか。よほどの心境変化がくるのはいつの日だろう。死ぬまで書き続けるかも知らん。
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白木屋にて31に

卒業したワークショップ初級クラスで新しいリズムを教えるというので久しぶりに金曜日、スタジオに入った。しかし新リズムはやらなかった。ジョレをベースにしてソロの練習。それでも水曜のクラスと違って気楽にジャンベを叩けて楽しめる。

終わってからはその仲間と飲んだ。そこで12時を迎えて僕は31になった。話題はジェネレーションギャップへ。「お母さんと一緒」はいまだ放送されているらしいが“あらあら~おやおや~それからどんどこしょ~”と花は歌っていないそうである。支払いは免除された。嬉しい借りは増えるばかりだ。

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渋谷でおこなうこのワークショップも最後ということで「このスタジオに来ることはもうないから、ここにいる自分を撮ってくれ」とダビに携帯電話を渡された。スタジオ内にてレンズを顔を決めた彼に向ける。撮った画像を確認して満足そうだった。その際にちらっと見えた待受は自画像だった。筋金入りのナルシストである。果たしてどれだけ、自分の顔を待受にしている人がいるだろうか。そんな自己愛を見習いつつ、来週からは池袋に移る。

繊細な蛾

エレベータで蛾が微動だにしない。腹が減るまでそこに居続けるつもりだろうか、扉が開いて蛾は僕を見送った。

3時間後、戻ってきてエレベータを待っていると4人の職人が僕の後ろに並んだ。そういえば下の階で内装工事をしている。昼時で彼らはコンビニの袋や湯が入っていると思われるカップラーメンを手に持っていた。どの作業着にもペンキが散りばめられている。

扉が開いて蛾が僕らを出迎える。しかし悠然と構えていた姿はそこにはなく、ばたばた暴れだした。職人たちと共に蛾はエレベータを降り、今度は僕が蛾を見送った。シンナー臭が耐えきれなかったようだ。

秋なす楽日

キャンプ2日目 ホットケーキ、カレーうどん、ソーセージ、卵焼き、アーサー汁と、朝から大量の飯を食べて宿を出る。ジャンベを叩ける場所を探しつつ、途中でコンビニに寄ると道路を挟んで向かいが道の駅だった。そこで地の物を買い漁った。

黒磯を流れる川沿いで腰を下ろす。前日はほとんどセッションできなかった分、存分に叩くつもりがここにきて二日酔いで具合が悪い。はしゃぎすぎた。

懸念していた渋滞はさほどでもなかったが、集中力は切れて運転がおぼつかない。旅の終わりの寂しさと疲労が加わってバッテリーが切れた。レンタカーを返してからファミレスで落ち着く。次の日のことを考えると億劫になるのは休日の夜の常である。

キャンプ1日目 一期JAMで那須に向かう。今回は9人集まった。中央道に乗ってその道中、大粒の雨が降って先行きが不安になったが、那須インターを降りた頃には霧雨になっていた。

南ヶ丘牧場に以前訪れたことを、そこに着いて思い出す。動物を見て、ロボットホースに乗る人がいて、ソフトクリームを食べて、宿の那須ビレッジへと車を走らせた。

チェックインして休憩の後、買出し班と火起こし班に分かれてバーベキューの準備。肉の他にカレーや焼きそばなど、18時前からのビールを交えながら箸をつつく。

誕生日まで1週間となった僕にサプライズが用意されていた。プレゼントをいただく。嬉しすぎる。その後は皆で生クリームを顔に塗りたくり、風呂で洗い流したものの今度は油性マジックで落書きされ、宴は3時まで続いた。

鼻をほじっていたら、水分40%程度の鼻糞(または鼻汁)に5センチ強の鼻毛が混じって出てきた。毎日のように、好きで鼻毛を切っている僕にとってこれは驚くべき長さだ。

そもそもなぜ鼻毛カットが日課になっているかというと、エチケットというよりもその行為が楽しいからである。毛に対して神経質になっているわけではないので、長い毛が穴の中ではびこっていたとしても構わないのだが、日々の刃をかいくぐってそこまで伸びていた毛には敬意すら払いたい。

鼓童

鼓童 和太鼓パフォーマンス集団、鼓童のライブへ。予想以上のものが見れて武者震いする。エンターテイメント性に富みながら、個々の技術も長けている。躍動感あふれる背中に魅せられた。直径が2メートル近い太鼓、小さいが叩く場所によって音色を大きく変える太鼓、ばちもさまざまな太さのものがあり、伝統音楽の振り幅の広さを知った。観客席から彼らの顔ははっきりと確認できなかったが、その出で立ちが男前であることが分かる。リズムは腹筋と背筋である。