若様やくざ江戸っ子天狗法に仕える親の後を継ぐため源之丞は父・将監の下で働いていたが、報われることの少ない町奉行に嫌気がさした。羽目を外したところを将監に見つかり勘当されてしまう。その後、流れ着いた白魚長屋の居心地が良く、源之丞はそこに居ついた。長屋の住民は貧しくもたくましく生きているが、それぞれ借金を抱えて締め出されそうになっていた。

大川橋蔵の魅力を余すところなく引き出した。義理人情が表情からにじみ出る。べらんめえ口調はぬめりがあるが如く滑らかに、キリッと上がった目にはまげが似合い、パーツ一つ一つどれをとってみても小ざっぱりとしてMr.江戸っ子といったところだろうか。ちなみにシネマヴェーラの本特集のもう一人、中村錦之助はMr.一宿一飯で。

持たざる者がさらに搾取されるのはいつの時代も同じである。借金取りが執拗に彼らを追い込むのは、札差が若年寄の機嫌を取るためそこに別邸を建てようとする陰謀があったからだった。その札差の辰巳屋を演じた新藤英太郎を最近よく見る。憎らしい犬面は悪役がピタリとはまり、名脇役なのだろう。その濡れた鼻を明かして大円団の痛快人情喜劇は起承転結が確固として小気味よい。

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のんきなflat woods

侘美秀俊、カッセ・レゾナントによる七里圭監督作品「のんきな姉さん」サウンドトラック。監督の作品はどれも音に対するこだわりが顕著で、その全てで組んで一翼を担っているということは二人の親交は深い。強い信頼関係がうかがえる。音楽のランドスケープが映像を引き立てた。

1から2、もっといって1から10以上にすることよりも0から1を創造することのほうが困難だ。それの比較対象になるわけではないが、他人の意図するところを汲み取って違う媒体で具現化することもまた至難の業。


のんきな姉さん 侘美秀俊、カッセ・レゾナント

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バニシング・ポイントPrimal Screamの傑作アルバムといえば「Vanishing Point”を挙げる人が少なくないと思われ、ダブに傾倒したその作品は、このヴィゴ・モーテンセン主演作からインスパイアされたと、スポークスマンのボビー・ギレスピーが語っていた。それから本作をいつか見ようと思って早10年。今まで後回しになっていたがやっと機会が訪れた。と思ったらこちらは劇場未公開のリメイクで、さらに25年前のオリジナルにボビーは影響を受けたのかも知らん。道理で編集が妙に感じ、CMに入るかのような上手くない暗転に気を削がれる。

仕事で遠方まで出向いたコワルスキーがその帰路、身重の妻に電話しても彼女は出ない。友人に連絡すると持病が再発して入院したとのことだった。車を飛ばしたコワルスキーはスピード違反で捕まる。理不尽に取り締まる警官を振り切って妻の元へ急いだ。

特殊部隊出身の彼は運転技術に長けている。警察をまく度にことは大きくなり、FBIが出動するに至った。巧みに逃げられる警察とFBIの焦燥、包囲網が拡大して執拗に追われるコワルスキーの緊張、両側面から描かれる。リベラルなラジオDJがこれにスポットを当て、彼を危険分子扱いする警察を非難し、コワルスキーをよく知る友人も揃って擁護し、市民に応援団体までできた。3つの視点が物語を多角化する。

アイダホ、ユタ、コロラド、ニューメキシコなどコワルスキーの逃亡劇はいくつもの州をまたがり、ロードムービーの様相を呈す。ネイティブ・アメリカンや反社会派の元軍人など、行く先々で出会う人たちがDJ曰くところのラスト・アメリカン・ヒーローを助けたが、国家権力は容赦ない。最後の電話を切ったコワルスキーが覚悟したこと。スピードの先に見たもの。痛快カー・アクションに留まらない。

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挿入断固

触られるだけならまだしも は一線を越えようとしている。尻に棒状のものを当てるようになった。おそらくアレだろう。ということで憑いている幽霊を男性と断定。挿入だけは回避しなければならない。貞操観念がしっかりしていると自負しているだけに断固拒否である。金縛りにあいながらも全身全霊をかけて肛門を締める。

布団は最上の安らぎの場ではなかったのか。寝入りばなの攻防戦は睡眠時間を著しく削る。おかげであくびは止まらず、睡魔は常に襲ってくる。安息の夜は来ない。

よだれ

体に力が入らないのか、ブンレツグランマの口からよだれが漏れる。最近は足が遠のいてしまい、久しぶりに見た姿がそれでいささかショックを受けた。ブンレツさんによると先週辺りからこうらしい。頭がクリアかどうかはその日の体調によって大きく左右されるということで、今日はかなり良いほうのようだ。それ如何にかかわらず締まりは常にない。そんなグランマにとって気がかりなのは僕の恋愛事情 で、会う度に励まされる。しっかり見極めろと、よだれを垂らしながら僕を励ます。

コフィーコフィーは麻薬組織に復讐を誓った。看護婦のかたわら娼婦を演じ、ポン引きに取り入り、徐々に大物を始末していく。麻薬は警察も癒着する。友人だった警官カーターも賄賂を拒否したために再起不能にされ、彼女は孤高の復讐者として悪に立ち向かった。1対その他の構図は勧善懲悪で構成も単純だが、70年代のイカしたアフロ・カルチャーをベースにアメリカの暗部をえぐる。低予算を思わせる作りも、逆手にとってチープシックが魅力となる。

底辺から這い上がるきっかけすら与えられない黒人が麻薬に手を染めることはごく自然な流れだった。コフィーの恋人で下院議員のハワードは知識層の黒人として現状打破を掲げているが、彼もまたコフィーの敵である麻薬組織の元締めヴィトローニと繋がりがあった。

主演のパム・グリアをはじめ女優陣は乳房も辞さない乱れっぷりで、15分に1度の割合でたわわな胸を露出させる。演技の未熟さは美貌と色気と体を張ることでカバーした。ゴージャスなファッションに散弾銃を抱える姿は日本でいうと薬師丸ひろ子と長澤まさみが演じるところだろうか。

イメージ通りの音を出せず、そうすると力任せに強打して指が腫れる。しかもそれが使うことの少ない親指というのは、間違った叩き方をしている証なのだ。向上心が欠けている僕ではあるが、ことジャンベに関しては上達したい意識が強いものの、そう簡単ではない。

講師の山崎剛司氏は毎回メンテナンスの仕方も教えてくれる。湿気は皮を伸ばすそうで、天気がぐずつく今は強く張りたい願望を抑える。熱が入っている時期に叩けなくなるのは痛い。痛いのは指だけ、破裂するのは血管だけで充分だ。

ノスタルジアアンドレイ・タルコフスキーの美しい映像はどこか幻想的で、恐怖心を煽らせる。1カットは執拗に追うことで狂気を帯びた。石畳と古い建造物、それにもやがかかるだけでこの世に見えない。殺伐として精気を感じさせない演出がまた現実離れを思わせる。

ロシアの作家アンドレイが通訳の女性を連れてイタリアのトスカーナを旅している。湯治場のある村にたどり着き、そこの狂人ドミニコにアンドレイは惹かれ、彼に近づきその世界観を聞いた。厳密には廃墟ではないが、ドミニコはそれに近い家で暮らす。屋内で火を焚き、水が滴り落ちている。ドミニコの支離滅裂な言動や乱雑な部屋はそれでいて理論整然としているような、一つの哲学が完成していると感じるのは錯覚だろうか。とりわけ、人工と自然が渾然一体となった部屋の、耽美的な小宇宙に魅入った。

救済の願いをアンドレイに託してローマに行ったドミニコは、広場で平和を訴える演説をし、ベートーベン歓喜の歌が流れる中その演説とドミニコが終わった。託されたドミニコはその約束、ロウソクの火を絶やさず湯治場を渡りきる遺志を継いで実行しようとする。容易でなく、病に犯された身で延々と続くその行為が前述の狂気の絶頂となる。タルコフスキーは世界の終わりを憂う。おそらく、その恐怖にさいなまれていたに違いない。

下北沢 に置いたびあんち号に誰かが手をかけている。舌打ち一つ、足を速めて絡もうとしたが、隣の自転車が彼女の愛車のようで、移動させているだけだった。「この自転車、軽いわ」と友人らしき人に言っていて後ろから近づきつつ僕は誇らしげ。「どうも」にこやかに声をかけて彼女は驚いていた。「すみません、ちょっとどかそうと思って」「いえいえ、こちらこそすみません」と滅多なことでは怒りません然とした柔和な顔をする。「いい自転車ですね」と言われた日にはますます穏やかになり「一張羅ですから」と答えた。そろそろメンテナンスに出そう。

オリックスが阪神より先に法大・大引を、日本ハムが巨人より先に日大・長野を指名する中、中日はヤクルトや西武に狙われた浅尾と、オリックスに狙われた菊地を指名できた。高校生ドラフトも含めて今年は順風満帆だ。4名前後と言われていたが指名は6人にのぼり、やはりことが上手く運んだのだろう。

 希望枠:田中大輔・捕手・右打ち・東洋大
 3巡目:浅尾拓也・投手・右投げ・日本福祉大
 4巡目:菊地正法・投手・左投げ・東邦ガス・22歳
 5巡目:岩崎達郎・内野手・右打ち・新日本石油ENEOS・22歳
 6巡目:清水昭信・投手・右投げ・名城大
 7巡目:西川明・内野手・左打ち・法政大


高校生ドラフト
 1巡目・堂上直倫・内野手・右打ち・愛工大名電
 3巡目・福田永将・捕手・右打ち・横浜高

自由枠の田中は体こそ小さいが守備は折り紙つきで、ポスト谷繁を期待されている。荒削りながらそのポテンシャルの高さから、浅尾を現段階ではかることはできず、伸び代に夢は膨らむばかり。左腕王国も過去の栄光として、若手サウスポーの台頭は待たれて久しいが、菊地の存在が活性化に繋がってほしい。