BLACK DEVIL

テーマ:

BLACK DEVIL 寒さが増すと部屋を締め切り、タバコによる匂いと煙が充満する。昨年購入して余っていたお香 に火をつけると気分が悪くなった。化学変化が起こったのだろうか。

先日、ブラックデビルというパッケージもフィルターも黒いタバコを見つけた。甘いココナッツの香りがする。特別うまくもないのだが、お香代わりにもなるので、マルボロライトソフトケース から移行しようかと思う。しかし既に飽きてきた。しかも販売店が限られていて、今のところ自転車10分以内では置いてあるところは1軒しか知らない。探索ツアーを組むのも一興だ。

AD

ジレンマ

浴室に設置されている窓の外は吹き抜けになっており、全てのフロアに通じていて、音が漏れる。ブンレツさんによると「四六時中、絶えずどこかの家で入浴している」らしい。早朝から夜中までカポーンザバーンと、その音は聞くだけでリフレッシュした気分になると言っていた。

何度か少女の歌声を耳にした。風呂で歌いたがる人は少なくない。反響も手伝って当人は上手に歌えているつもりになる。その歌い手の彼女は、チャートを賑わす流行曲を網羅しているようだった。アナか、トレント(またの名をイザベル) はまだ小学生で、そこまで歌えないだろう。声色から中学生ぐらいだと推理する。

女学生とマンションのエレベーターで乗り合わせた。「こんばんは」と軽く会釈されて、僕も嘘くさく目を細めて同じ言葉を口にする。パーマも脱色もしたことがないであろう漆黒の髪は肩口まで、ふっくらした頬とぽってりとした唇が愛らしく、素朴さが好印象を与える彼女は「何階ですか」とボタンに手をやりながら聞いてきた。声を2度ほど耳にして確信する。学生服の胸元を見ると、紋章の真ん中に「中」の文字が記されていた。

「君、風呂場でよく歌ってるでしょ」僕は彼女に言いたくて仕方ない。しかしそれを伝えてしまうと、浴室で金輪際歌わないだろう。僕が降りない階でエレベーターのドアは開き、彼女は体を半分こちらに向けて「さようなら」と厚い唇をあまり動かさずに頭を下げた。豊かな黒髪は揺らいでいた。笑顔に緊張が見受けられたのは、恥じらいからか、怖かったのか。衝動をこらえて良かった。これからもうまくはない歌を聞ける。

AD

国語

さゆり 駅のホームから見える、面積が大きい広告に、活字は少なめで必要最低限の情報しか載せなかった。インパクトを与えるために。スタイリッシュに。ということだろう。生んだコピーライターは会心の出来のつもりなのか知らん。「ニッポンが嫉妬する、JAPAN。」いい加減、句読点の流行も廃れてほしいが、それも含めて鼻につく。うまくない。意味が分からない。鑑賞意欲は全く沸かない。わざわざ「ハリウッド映画」と銘打って、だから何だと。

「不思議な映画です。日本の文化や伝統なんて関係ない。ファンタジーとして楽しむとたいへんおもしろい映画です。」おすぎが寄せたこのコメントは、僕にはつまらなかったとしか聞こえない。「不思議」とは都合の良い言葉で、いかようにもとれる。「ファンタジーとして楽しむと」なんて、そういう見方でもしないと耐えられないとでも言いたげだ。依頼された任務をしっかりこなし、なおかつ自分のプライドも維持し、目利きの評判も落とさずに済む、そんなおすぎの仕事っぷり。

AD

足しになると考えて生きない

テーマ:

小説を褒められて、次回作をせっつかれない。さぞ気分が良いものだろう。処女作が盗作でなかったとしても。結局、終始一貫だめな息子だと後に分かって、それは父親にとって落胆だったのだろうか。悲しいきわみだなんて確かにそうかも知らんが、希望的観測が招いたことである。

第三者の目、父親の視点、息子の口調が淀みなく交錯する。それにしても何とタイトルの素敵なこと。しかし僕は何も思いださない。

アーネスト・ヘミングウェイ
何を見ても何かを思いだす

ボウリングは7ヶ月と20日ぶり だった。彼女と夕飯を賭けて勝負した。ハンディキャップもつけずに本気で勝ちにいく。2戦して100以上のスコアを出せない。僅差で白熱するがそれは低レベルで、おごらせた。

その後、場所を移して茶を飲む。喫茶店を探したが北千住の夜は早く、どこも閉店だった。ファミレスで我慢した。そこで映画の話になり、ぴあを買いたくなってどちらがコンビニまで走るか、じゃんけんをした。グーを出した彼女に対し、パーの僕はふんぞり返って当然のごとく買いに行かせる。ドリンクバーが僕だけ進む。

「遠慮をしない」を「打ち解ける」と勘違いして「思いやりが足りない」に変わる。3ヶ月が経った

ゲンセンカン主人 「李さん一家」「紅い花」「ゲンセンカン主人」「池袋百点会」の短編漫画からなるオムニバス。漫画家のツベと編集部とのやり取りなどを交えて、4編を繋げる。本作と同じ石井輝男監督作「ねじ式」も竹中直人の「無能の人」、山下敦弘の「リアリズムの宿」、どれもいくつかの短編を組み合わせ、その繋ぎ目に苦労しているように思える。ラストシーンは全てを映画の中のものとして、主演の佐野史郎などが揃い、つげ義春本人に挨拶をして幕が閉じる。

石井輝男はつげ義春をよほど敬愛しているのか、構図からセリフまで原作をそのまま引用する。「李さん一家」ではツベが借りた一軒家の2階にたたずむ李さん一家4人。「紅い花」では少年マサジがツベに道を「なんでもかんでも真っすぐだ」と説明する。雰囲気を損なわないことに注意を払っていた。

全編を通して女性が絡むが、愛の有無を問わず客観的な視点を貫く。その描写が繊細かつエロティックで僕は憧れに近いものを持つ。

いろきちがい

「市川雷蔵の再来」とはブンレツグランマによる韓流ソン・スンホン評。角度によっては雷様よりも格好良いらしい。彼女はペ・ヨンジュンのファンを小馬鹿にして目くそ、鼻くそを笑う。

CATVで放映されている「夏の香り」をビデオに録画して、ホームに送り届けている。どこでその情報を手に入れたのか、何とかというドラマの、プロマイドが封入されたDVDを欲しがっていた。写真を枕の下に入れたいのだという。興味のある話にだけ耳を傾けてさらに饒舌になる癖は、引き継がないよう心がけなければならない。

クリスマスのプレゼントにでもしようと思うが、グランマの色情狂のきらいには辟易しており、意地悪をしたくなる。「ゾン・ズンポンだっけ?」と確かめると、彼女は間髪いれずに「ソン・スンホン」と訂正した。「のブロマイ」「プロマイド」言い終わる前に戒められた。

そのDVDの他に、原宿かどこかのプロマイドショップで数枚、ソン・スンホンのそれを買ってやろうと考えた。しかしそこに行くだけでも恥ずかしく、羞恥心が少ない僕でもそういった類の店に入ることは気が引ける。グランマに名前を連呼されてすっかり覚えたが、敢えてメモに記し、それを読むふりをして「ええと、ソン、スン…ホン? のプロマイドはありますか」と、いかにも使いで来たことをアピールしなければ、やってられない。

2006.1.22
bounce x UNIT presents bouNIT vol.2

「NO MUSIC,NO LIFE」はどうでもいい が、The Zoot16、Sly Mongoose、Nathalie Wise、勝手にしやがれ、Hakase-Sun、川辺ヒロシとメンツにそそられる。Tokyo No.1 Soul Set系列に加えて、その流れからスカ・ロックステディ・レゲエ・ダブ、あと向井秀徳。これだけ揃って3500円は安い。代官山UNITにもいつか行きたいと思っていところだった。しかし年明けはRoyksoppの来日公演もあって迷う。

カーテンコール プログラム・ピクチャー時代末期の昭和40年代前後、下関の映画館・みなと劇場にて幕間芸人を務めていた安川修平とその娘の美里の確執と和解を描く。取材を通して二人を見つめた香織とその父・達也もまた距離を縮める。

在日朝鮮人問題に大きく関わる作品だった。修平は在日であるためにみなと劇場の職員になれない。映画を愛し、笑顔を絶やさず、興行に尽力したところで、偏見は消えない。劇場を解雇され妻と死別した修平は、幼い美里を残して身寄りを頼りに故郷の済州島で職を探した。雑誌の企画を進めるためにみなと劇場と修平を調べる香織もまた、在日コリアンに対して偏見を持っていた。中学の頃、同級生でスポーツ万能・成績優秀だった金田から告白を受けたが、彼が在日であることでふるいにかける。香織は恥ずべき過去を省みながら修平と美里の再会に努め、金田とも再会を果たして謝罪した。監督の佐々部清は自らの故郷である下関を舞台として、いつの頃から映画が好きだったのだろうと思い出した時、その情景として在日に対する差別の記憶も呼び起こされたのではないかと感じた。

劇中、時代は行き来した。安川修平と劇場のもぎり・宮部絹代は若き日と現在の両方で登場する。修平を演じた藤井隆と井上尭之、宮部を演じた栗田麗と藤村志保、両者共に無理があったが、仕草などで統一させようとする努力は見えた。映写技師役の福本清三はさすが職人が似合う。

クルージング 友人は海外ウェディング の1ヵ月後に船上での披露パーティーもおこなった。これで彼が2005年の晩秋に結婚したということは、記憶に焼きついて忘れないだろう。クルーザーを借り切って豪華絢爛である。続けざまに貴重な経験をさせてもらった。

新郎と中学・高校を共にした出席者は僕を含め7人いて、その内の4人と僕は卒業以来で、残りの2人も数回会っただけだった。微妙な間柄でまずは腹を探り合う。

テーブル席で食事をとってから、場所を移して立食形式に。たらふく食べた。3つのフロアからなる船内を散策する。外からはレインボーブリッジやディズニーリゾートが見えた。お日柄もよく。