リチャード・ニクソン暗殺を企てた男 先だってウォーターゲート事件の「ディープスロート」が明るみに出たことで、ニクソン元アメリカ大統領の周辺がにわかに騒がしく、計らずもタイムリーだった。思わぬ副産物はどうでもいいのだが。どうでもいいといえばタイトルでもあるリチャード・ニクソン暗殺計画も単に最後の結果にしか過ぎず、本質はそこにはなかった。

妻マリーに別居を強いられたサム・ビックは不器用な人間だった。兄が経営する会社で働くも方針と折り合わず、職を転々とする。ここまでの説明は映像にはなく、サムの言動でそれに至る経緯で読ませた。彼の希望は家族との復縁と、ただ一人の友で黒人のボニーとの起業。しかし全てがうまくいかない。自尊心が過度に強く、責任転嫁の繰り返しで社会に憎悪を抱き始める。多くを望まず博愛的なだけに余計痛ましい。純粋さと身勝手さは子供と変わらない。

監督のニルス・ミュラーはこれがデビュー作とのことだったが、一貫して主人公を追い続ける姿勢に気概を感じる。サムへの視線は微動だにせず、そのサムが追い詰められて精神が破壊されていく様子を映す。

友人に強く推されて本作を見た。ショーン・ペンが好きな僕は、彼の演技ばかり前面に押し出されるこれに引き気味だったが、そう構えることもなかったわけで。ほとんどのシーンで彼は出ずっぱり、技量を見せつけられる。自分と近親者を足したような、そんなサム・ビックの人格が移入を促進する。
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ホームラン攻勢でシーソーゲームを制す。ウッズはこういう一発があるからやめられない。年棒に見合った活躍はしていないが、成績だけなら4番打者として及第点。現在のホームラン王・多村が事故を起こし、3年連続のキングも十分に射程県内である。それにしても多村はポテンシャルが非常に高いのに、多村たる所以をここでも発揮する。

川上はここ数試合で勝ち運に恵まれなかったが、今回は自業自得である。こんなにも悪い状態は久しぶりか。そうこうして岡本に白星で抜かれた。その岡本はハーラートップの広島・黒田に次ぐ7勝目を得る。盗人でない勝ち方なら文句はない。打たれている印象が強くても、防御率はどっこい3点台前半なのでうまくかわしている。打たれ強いのは岩瀬も一緒で、ランナーを出しても点はやらない投球をする。今日は3者連続三振ですがすがしかった。

打線に目を移すと不調の森野に変わって入った井上が継続して当たりが良い。たかる虫を振り払う動作が笑わせる。ゴリラらしく些細なことを気にせず、どっかりと固定で。

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ミーハー体質

10日前にバスで黒沢清監督と同乗 し、先週末には大江千里と遭遇した。その時は僕の著名人を見つけた顔を向こうも確認して、互いがはにかみながら会釈といえるかどうかの微妙な頭の下げ具合ですれ違った。今日は渋谷で54-71のベーシスト川口賢太郎氏を発見する。この遭遇率は一体。いかつい顔と体躯にベースを背負い、山伏を彷彿とさせる。「54の方ですよね。握手してもらえますか」と声をかけると快諾してくれた。深々と礼までされて、なんて良い人だ。

3ピースとなってからライブは精力的に行っても、新作の話は入ってこない。ミニマリズムと一発ごとの強烈さがインディビジュアル。今日を記念して所有していないアルバムでも買おうかと思ったが、それは留まって既存のものでロンリー54-71ナイトを催す。

アーティスト: 54-71
タイトル: untitled
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ショーン・ペンをよく目にする。現在「ザ・インターリプター」「リチャード・ニクソン暗殺を企てた男」と主演作が日本で公開され、イラク大統領戦争の取材を敢行しているとのニュースも入ってきた。役者としても監督としても評価の高い彼の監督第一作。実直に生きる兄ジョーと、ベトナム戦争還りで素行不良の弟フランクの交流を綴る。

数年ぶりに再開を果たしたところから物語は始まる。ジョーのナレーションが随所で入った。フランクのことを理解していたつもりで実は分かっていなかったことを最初に告白する。決して明るくはないだろうその先が案じられた。警察官として住民から愛され一家の主として家族を愛するジョーは模範人間でどこか息苦しい。親の期待に応えたジョーが光で、その影をフランクが担った。仕事や女に責任を持てないフランクには、家庭環境やベトナム戦争が背景にある。ジョーは業を背負い、フランクをも背負う。フランクの粗暴はいつまでも続き、彼が盗んだ車はアメリカ国旗がなびく道を走った。影を落とした1970年前後のアメリカがあった。

アメリカの縮図でもある兄弟物語を、脇のデニス・ホッパー、チャールズ・ブロンソン、ベニシオ・デル・トロが武骨さをさらに強化する。

携帯電話が見つかった。悔やんで先走ってさらに恥を上塗りする。何とも間の抜けたことをしてしまった。

ブンレツグランマを見舞った時に病院で紛失したと思って、連日訪れて床に這いつくばってまで探し、ナースステーションや守衛室を尋ねて回ったが見つからなかった。それなら自転車走行中に落としたのだと諦めたのだが、今日ブンレツさんが病院で見つけてくれた。ベッドの横のテーブルに、さも何事もなかったかのようにあったそうな。あちこちに愚痴り、さらには電話番号とアドレスを再度教えろと触れ回り、これを阿呆と言わずして何と言う。どこを向いても恥ずかしい。

Me Asshole

もしかしたらあそこにあるかもと、目ぼしい場所へ探しに行くが結局携帯電話は見つからなかった。仕方がないので近くの交番で遺失届けを出す。その足で銀行に寄り金をおろし、AUショップに向かう。機種変更した。

前回も携帯を紛失して、それからまだ1年も経っていない。学ばず懲りず省みず。首からぶら下げるなりホルダーを使うなりしなければ。データを流失させて申し訳ない。悪用されていないことを祈る。

エッキス  銭湯巡り15

テーマ:

鶴の湯 家Aから用事のあるBへ行き、その帰りにAB間にある銭湯Cに寄った。しかし今日は休業で、ACと正三角形を成す銭湯Dへ向かった。しかしここも休業、結局Bとは正反対に位置する銭湯Eまで足を伸ばした。もう汗が滝のよう。

鶴の湯 若林4-20-15

店の前に構える松の木が粋である。番頭がいない。料金は風呂上りに払うことにした。かなり古く、浴室・脱衣所に余分なものは一切ない。決して広くはないが天井が高く、見上げると赤い大きな丸が描かれていた。日の丸に見られている。シャンプー、石鹸、髭剃りに加えて、今回から歯ブラシも投入した。銭湯だと長い時間をかけて丁寧に磨ける。

浴槽が3つあり、目を引いたのは端にある白濁色の“エッキス”湯。天然鉱物のエッキス(おそらくエキス)が含まれている。垢がよく取れて、石鹸を使わなくてもいいらしい。効能が記載されたプレートに時代を感じる。そこだけ温度がぬるく、長いこと身を沈める。

風呂から出ると番頭が常連客と喋っている。400円を置くと僕にも話しかけてきた。いかにも下町然とした彼のトークは止まらない。相槌を打ちながら体を拭いて着替えを済まし、それでもまだ話題が尽きない。

のれんをくぐってから携帯がないことに気づく。Bに置き忘れたか、BE間のどこかで落としたか。

恐怖劇場 日本のホラーコミックを牽引する楳図かずおの原作漫画をオムニバス形式で計6作、2本ずつの公開が始まった。黒沢清も絡んで彼への誓い を果たす。

その黒沢監督による「蟲たちの家」がトップを飾った。後輩の恋人・羽奈子と関係を持った蓮司は、彼女に自分の妻がおかしいと言う。そう思うのは果たして自分だけなのか、確かめるために彼女を家に呼んだ。喫茶店で、車中で、蓮司と羽奈子を映しながらガラスに反射する景色も映し出す。室内にいる人間と、外界の両方を写した。室内にいる、というのはあるいは閉じ込められたということを暗示しているようにとれる。時間軸と視点人物が激しく交錯して真実が分からない。嫉妬深くかんしゃくを起こす蓮司と、妄想癖のある留以子、どちらが現実を語っているのか。

2作目は伊藤匡史監督の「絶食」。醜悪な容姿から現実逃避し、事故で死んだ端麗だった妹と自分を混同する女子高生・知子が、好きな男子の気を惹くためにダイエットをする。前半は美しい自分と醜い自分が交互に現れて混乱する知子を描き、後半は醜さを受け入れた彼女が、痩せた体と引き換えに狂気を授かった姿が描かれる。エンドロールで津田寛治の名前を見つけたが、今さっきの記憶を辿っても彼が出てこない。ロールが終わって席を立とうとすると、また映像が始まって津田寛治が出てきた。周囲も慌てて席に着く。

立ち見が出るほどの盛況ぶりで、別の劇場などでロングランとなりそうだ。1篇ごとにオープニングとエンディングをくっつけて、ルルティアというアーティストの歌を2曲それぞれ2回で4度聞くことになる。1つ1つが独立しているということで、ある意味自立心が強い。

F4

会話で「F4」という言葉が出てきて、僕はてっきりテレビの視聴率区分で使われる男女年齢層のことかと思ったら、台湾出身のアイドルグループのことで、話が一時かみ合わなかった。初めてその存在を知る。アメブロのランキングを見ると「F4」がタイトルに入るブログが多数上位にランクインしている。たまたまブログ巡りをしていて、これはタイミングが良かった。記事タイトルで来訪者が増えるかもとは邪ま極まりない。

我が家の「F4」ブンレツグランマ65歳以上女子はといえば体調を崩して精密検査となった。大きな病院に移る。そこは以前にも入院したことがあって、グランマお気に入りの先生“クリントン・イーストウッド”がいる。アイドルに会えてご満悦のグランマ。「先生は“クリントン”に似てますね、ダーテー・ハリーの」と面と向かって言ったらしいが、それでは分かりにくい。

断念残念

あがいてみたが今年のフジロックには厳しそうだ。ライブやクラブに一人で行けても、フェスティバルはきつい。加えて車だと駐車場利用は二人以上でないと駄目という。かといって電車やバスを乗り継ぐにしてもテントがない。借りる術はあるがだるくなってきた。ひとまず諦める。経済的にも厳しいし、というのは後付け。

ふとした時に寂しくなるのは致しかたないとして、その度合いを狭めたいものだ。無理やりはっちゃけるのは得意だが、その反動が後々表れる。空を飛びたいなんて思ってはいけない。太陽より高いところを気にしてはいけない。


アーティスト: Primal Scream
タイトル: Screamadelica