辺りは暗くなっていた。自転車に乗って家路に急ぐ途中、ライトをつけようとしたが接触が悪い。一旦止めてよく見てみると装着型のライトのふたが外れており、中の電池が盗まれている。ライトを盗む話は聞いたことがあったが、まさか電池だけを盗るとは。憤りつつも、考えようによっては100円ショップで単一4本で一品のものを1本だけ盗難されただけで済んだわけで、真面目な泥棒である。ライトごとなら数千円の痛手だった。

銭湯に寄ると定休日で無駄足。それほど腹立たしくないのはその泥棒のおかげ。
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オールナイト

映画の後クラブに。機会があれば行ってみたかったところだった。フロアが二つあり、それぞれでパフォーマンスが見られる。もうオールはきつい。2時頃にはグッタリする。プレイヤー、客層とも若く、慎重に選べばよかった。強く熱いメッセージを伝えんとするMCが気恥ずかしい。ソファーに座っている時間の長いこと。
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友人と劇場に行くのは久しぶりで、拡大公開系を干渉するのもしばらくぶりだった。前作「オーシャンズ11」がとりたてて面白かったわけではないが、無難なところをセレクトしたつもりだった。

これほどの豪華な俳優をキャスティングするのは至難の業だろう。ジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット、ジュリア・ロバーツの同様メンバーに加えて、キャサリン・ゼタ・ジョーンズやヴァンサン・カッセルなど新たなメンツも相当額のギャラが発生していそう。スティーヴン・ソダーバーグ監督がこれほどの娯楽大作を手がけるようになろうとは思いも寄らなかった。

カジノ王ベネディクトから大金を強奪したオーシャンズ。本作はそのベネディクトの復讐から始まる。彼らはさらなる強盗を強いられる中、フランスの怪盗とヨーロッパ警察オーシャンズをつけ狙う。ジュリア・ロバーツ扮するテスが、大女優ジュリア・ロバーツにそっくりということで、彼女のふりをして宝石を盗もうとする。それを偶然見つける同じく大物俳優ブルース・ウィリス。コメディーとして、たしかに館内には笑いが起こった。安易で使い古された手法は、この布陣だからこそできる資本主義。
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カリンバ

オルゴールの元となったといわれるカリンバを習いにワークショップへ行く。木箱に括りつけられた十数本の金属製の細い棒を弾くカリンバは、適当に音を出すだけで和まされる。パチカがままならない段階で次の民族楽器に目が入ってしまった。リズムに合わせてむちゃくちゃに弾いてもどこか気持ちが安らぐ。10人が参加していたそのワークショップで、簡単な楽譜を見ながら演奏した。小型で軽量、音が小さく家でもできるということで教室が終わってから買おうとすると、参加者のほとんどが同じ考えだった。しかし1万4000円となかなか高い。皆が帰ってから講師に値段交渉を試みたがが、びた一文まけてくれない。向こうがため口に変わったことも気に食わないので、帰ってからパチカを振り叩く。次はディジェリドゥにでも挑戦してみよう。

幕田

中日に幕田賢治という外野手がいる。身長185㎝の強肩強打。プロ8年目の26歳だが、一軍では未だ結果が出ていない。

まっくんのひとりごと

そんな彼の、もしくは彼を装ったブログを見つけた。中日や出身校である横浜高校のネタが書かれている。ここ数年、解雇候補に挙げられながらも、まさに首の皮一枚で繋いでいる彼。特徴や置かれている状況を活かした内容に思わず爆笑。

阿吽の親子

テーマ:
自転車にベルが付いてないので、通行人が道を妨げているときは常に声を出している。夜道を二人の女性が歩いていた。後姿だけだが、身なりから年齢を推して親子であろう。「すいません」と言ってもこちらに気づく様子が全くない。もう一度、今度はどちらかと言うと怒鳴る。肩をすくませてこちらを振り返り、慌てた素振りを見せる。道を譲ろうと二人ともがお互いのほうに寄ろうとして、結果的に交差して立ち位置が入れ替わっただけになっていた。突っ込もうかどうしようか、1秒くらい迷う。
ひょんなことからチケットをもらった。ベルリン・フィルから連想するのはカラヤンくらいで、クラシックも無知に等しい。情報がほとんどない状態で見るのは数年ぶりだった。そういうシチュエーションもまた一考。

人とのアタッチメントを嫌う孤高の青年、学校をサボりがちの不良少女、祖国で両親が殺されて単身ドイツに来た黒人少年。多種多様の子供たちがベルリン・フィル・ハーモニー楽団の演奏下で踊る。ほとんどがダンス未経験者という中で大舞台に立つ。ベルリン・フィルの音楽を広めることも含めたこの教育プログラムを追ったドキュメンタリーが、子供の無限の可能性を訴える。劇中、振付師ロイストンとベルリン・フィルの指揮者ラトルが、自らの過去を顧みる。あえて成功者とするならば、彼らの強い意志と高い意識が痛い。ふざけて笑う、落ち着かない子供たちを憂う。愛情が真摯だ。最初は不真面目だった青少年も、次第に眼差しに変化を見せる。その成長と進化の早さが希望に満ちていた。
地球上の自然や生物のたくましさと美しさがふんだんに取り込まれている。渡り鳥の長い旅路は生きるための戦いだと冒頭に述べられる。様々な渡り鳥をあり得ない映像で魅せられた。ドキュメンタリーと言えど作為的な一面も感じられた。雪山の中、群れで行動する鳥たち全てが首を上げ、次の瞬間に飛び立つ。映像は変わって雪崩の風景を写す。また別のシーンでは雛鳥が巣の中で親鳥の帰りを待っている。後ろから草刈機が轟音を立てて寄ってくる。そして鋭い刃が草を次々と刈るアップ。細かなストーリーが合わさったオムニバスのようだ。

どのようにして撮影をしたのか検討もつかないが、鳥の姿が実に美しい。カメラは鳥と同じスピードで追う。紅葉の上を白い翼が揺らぐ。求愛のダンスを踊り、クチバシを合わせる。優雅に空を漂う鳥の群れが、餌を得るため一斉に海へ着水する。演出が不可能な動物に対して、根気よく機会をうかがったのだろう。カメラは常に鳥を焦点にピントを合わせる。

渡り鳥は一年をかけて周遊する。エンドレスの旅を繰り返す。冒頭に出てきた足に蔦を絡ませた鳥が、温暖な土地から北極へと向かう。ラストで再度登場して緑の大地を飛ぶ。

風呂ント  銭湯巡り1

テーマ:
下準備として役所で地図をもらい、タウンページで住所をみつけ印をつける。かねてから企画していた近辺の銭湯巡り を決行した。まず日中は写真をとりに数件を下見する。煙突を目で確認したときの喜び。久しぶりの充実感だ。オリエンテーリングに似ている。

常盤湯 三宿1-30-2

風が冷たく銭湯日和になった。常盤湯は規模が小さく、店構えが地味で入り口にたどり着くまで苦労した。中に入ると内装も飾り気がなかった。その中で際立っていたのが「貴重品は風呂ントにお預けください」という脱衣所の注意書き。前ぶれがない分、インパクトが強烈だ。丁寧にルビまでふってあった。浴槽は薬用風呂と泡風呂の二つがある。薬湯は睾丸がピリピリする。風呂からあがって着替えている途中に浴場を見ると、整然とカランの上に風呂イスが置いてある中、僕が使用したところだけイスとオケが無造作に放られていた。常連客は皆ちゃんと片付けている。慌てて戻って指定の位置に戻した。昔、銭湯で濡れた体のまま脱衣所をうろついていて、背中一面に刺青を入れた紳士に「ちゃんと拭かないとだめじゃないか」と怒られて緊張したことを思い出した。ここの脱衣所には階段があり、2階は談話室になっている。誰も利用していない。一人そこでタバコをふかす。適度なだるさが至福のとき。