アツキココロ

広島県在住の経営コンサルタント・児玉学の熱血ブログ。

「鶏口となるも牛後となる事なかれ」。ビジネスにおける自らの価値観を明確化することが出来た言葉です。

「自ら機会を創り出し、その機会によって自らを鍛えよ」。ビジネスマンとしての私の基礎を作ってくれた言葉です。

「成功するまで続ければ、失敗はこの世にはない」。独立に踏み出すとき最も背中を押してもらった言葉です。

「天は自ら助く者を助く」。経営者としての自分と、経営コンサルタントとして接する全クライアントに捧げる言葉です。

自分自身の経験や考えを発信することで、周囲の皆さんとの間に新たなコラボレーションを生み出すことができれば、こんなに嬉しいことはありません。

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23回「中小企業こそリソース・マネジメントを!;その4

次に着手したのは、営業活動における「ヒト・リソース」へのマネジメント強化対応です。ここでも、業務分析(簡易型ABC)を行ってそれぞれにかかる時間を調べました。すると、直接顧客と接する時間が以外と少ないことが判明。それ以外の多くの時間は「移動」や「事務処理作業」「会議」等に費やされています。確かに、ひとつひとつの活動にはそれぞれ意味があるのでしょう。決してサボっている訳ではない。しかし、倉庫内作業をアウトソーシングしてまで最も重視した「営業活動」は、吟味してみると「直接営業活動」に人的資源が思ったほどかけられていない。そんな現状が見えてきたのです。

そこで営業の各アクティビティを、直接営業活動のような「付加価値業務」と、移動時間のような「非付加価値業務」とに分けて業務毎の重みづけを実施してみました。更に、その活動を行っている人の人件費を活動時間に応じて割り振り、業務毎の生産性を分析しました。すると、面白いことに「人件費の高い人ほど非付加価値業務への従事が長時間を占めている」ことが分かりました。ここまで見えてくれば打つべき手はひとつ。「人件費の高い上位層の活動を直接営業活動等の付加価値業務へシフトし、非付加価値活動については下位者もしくは派遣等の外注に任せる」という仕組みへの転換です。「ヒト・リソース」は通常「活動の『量』」が主たる投下基軸ですが、実は無形資産のひとつ「知的資産(知産)リソース」を保有する対象でもあるため、その有効活用をおこなうためには「活動の『質』」の視点に立った投下も必要です。知産リソース保有者は優秀ですから、組織上上位者となっている可能性も高いのですが、その上位者の活動時間が必ずしも適切な対象業務に振り向けられていないのが、企業の大きな課題の一つ。知産リソース保有者を最も有効な業務に充て込んで行くこと、これがヒト・リソースのマネジメントの重要な部分です。

リソース・マネジメント上、「カネ」リソースのマネジメント(キャッシュ・マネジメント)も重要なんですが、中小企業経営の現場で最も目を振り向けて欲しい対象は、カネそのものではなく、カネとは違う形で目の前に存在しているリソースです。「モノ」「ヒト」「情報」「ノウハウ」・・・。おカネは数値ですぐ計れますし、実物として非常に分かりやすいのですが、それがそのままの形で経営に役立ちはしません。真に経営に役立つ「リソース」は、カネが変化して曖昧で捉えにくいモノになっています。感覚で分かっていても、それをマネジメントするにはもう少し「実態」としてつかむ必要があります。それが「資産活用度の計測」「業務の可視化」であり、それらを最大限に生かす「付加価値創造のストーリーづくり」なのです。中小企業はリソースが足りない、あなたはそう決めつけていませんか?業務の見える化を行い、その見えてきた業務の品定めが出来れば、意外や意外、中小企業には「リソース」がまだまだたくさんあることに気づかれるはずです。その潜在価値を、生かすも殺すも経営者次第。不況の今こそ、経営者の力の差が出るときです。



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22回「中小企業こそリソース・マネジメントを!;その3

更に、A社として、倉庫というモノ・リソースの「本当のキャパシティを最大限に活用しているかどうか」を検討し直すことにしました。倉庫の空坪は、「面積」だけでなく「体積」として把握する必要があります。その空間「効率」はどうでしょう?A社では、高い天井がもったいないという理由から、倉庫の一部に半2階が設けられていました。が、この半2階。元々無かったモノを増設した訳ですから何となく階高が中途半端で、使い勝手が悪い。クレーンもなく手積み・手下ろし作業を強いられる、確かに、空間効率は重要です。あまり動かない荷主の荷を保管する有効スペースを従来の面積以上に生み出す、という旧来型の荷物管理の発想で空間効率を考えると、半2階と言うことになります。でも空間は、床や壁で固めた瞬間からそれ以外の荷の動きには非効率になってくるんですね。今となっては「効率化(空間の有効活用)を図ったつもりが、かえって非効率化(手積み・手下ろし作業)を招いた」、と言われても仕方ありません。荷動きの速い現場となった今、真の空間効率追求を行うためには、「空間自由性」の確保の方が有効だと言う結論に達しました。

又、荷の動きを上手くコントロール出来れば、一見空いていないように見える空間も使える可能性が出てきます。究極は「お手玉理論」。これは駐車場ビジネスなどで良く言われる理論で、手は二つだが空中に放り投げることで三つ四つの玉を同時に扱えるように、1台分の駐車場にも23台の契約を取ることが可能だと言うことです。(例えば夜間のみ月極め契約とし同じスペースを昼間は時間貸しに転用する、立体駐車場で契約場所を固定せず、空いているスペースはフレキシブルに貸し出す、など。)しかし、倉庫業でそんなことが出来るのか?ここで、改めて荷を動かすことの意味が生きてきました。

営業担当に、営業上何を重視するのか聞いたところ「まず荷の確保」という答えが返ってきました。荷を引き受けた段階で、自社の倉庫に空きが無ければ他社の倉庫を間借りします。これを借庫と言います。この調査時、A社では外部に相当の借庫契約がありました。借庫は他社の倉庫を借りるわけですから、当然コストは自社倉庫使用より割高。一方、「空きが無い」と思われている自社の倉庫も、良く良く見れば空間効率・作業効率が必ずしも良くない。そこで、半2階を思い切って取っ払って広くて高い空間を生み出し、その空間の荷受け可能体積を算出。更に動きの速い、最初から動くことを前提とした荷物を多く引き受ける中で、荷物の搬入・搬出予定から倉庫滞留時間を割り出し、空間での組み合わせで適度に収まるようシミュレーションを実施。結果、自社倉庫の受入容量が約1割増となり、借庫契約の一部を打ち切って利益率がアップしました。

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21回「中小企業こそリソース・マネジメントを!;その2」



前回例に挙げた倉庫業A社は、庫内作業のアウトソーシング契約内容を見直し、通過荷物の量が増えれば増えるほどA社自身の収益にも結びつくよう仕組みを変える必要が生じました。一般的に、アウトソーシングの理想は「売上に応じて経費が変動すること(固定費の変動費化)」だと言われますが、モノ・リソース・マネジメントでは、「いかに早く損益分岐点を超える売上を上げるか」が勝負になります。そのためには、売上に応じて変動する経費のコントロールをするよりも、固定費の範囲内で1円でも多くの売上を上げていくことを先決すべきなのです。「高固定費・低変動費型」の「損益分岐点を超えるまで損失大、超えると利益大」という特長を真正面から捉え、その前提に立った「絶対売上の確保」を優先する姿勢。これが必要です。単純に固定費を変動費化したところで、損益分岐点売上高自体は変わりません。ただ、分岐点を下回るときの赤字の絶対額が小さくて済む分、上回ったときも黒字の絶対額が少なくなります。A社では、「営業強化路線」に基づき経費をかけてでも受注を増やしてきました。しかし、その売上増分を変動経費連動型にしたため、先に投資した経費の回収に資するための必要収益が、追い水のように逃げていく羽目になってしまったのです。では、一体どうすれば良いのでしょう?



鍵は、「ヒト・リソースのマネジメント」にありました。倉庫内作業のアウトソーシング先からは毎日作業報告がA社に上がっていましたが、「作業のプロ」を自任するアウトソーシング先に「任せっきり状態」となっていたため、A社では、その作業量が荷物の通過に伴う変動アウトソーシング料とちゃんと釣り合っているのかどうか全く分からなくなっていました。そこで、アウトソーシング先のスタッフ全員に対し、業務分析(簡易型ABC)を行うことで、その実態を計ることに。すると、何と通過荷の量の多寡にかかわらず、時間当たりの処理量に大きな違いが出ないことが判明しました。フォークリフトやデジタルピッキング装置を効率的に使う現在の倉庫では、倉庫キャパの範囲内一定量の荷物までは、定型化された作業で十分対応できるということが明らかになったのです。アウトソーシング先の、作業のプロとしての効率的作業は認めるとしても、通過荷の量と作業量に明確な相関関係が無い事が分かったからには、A社がとるべき道は一つ。それは、通過荷の量に関わらず、アウトソーシング経費を「固定化」することです。限られたスペース内での定型化された作業では、ヒト・リソースのスキル差が成果にそれほど影響を与えない。それが判れば、「倉庫内作業を最大限効率化したレベルで一定の固定コスト化する」事は可能ですし、引いては通過荷物の増大に伴う売上増分はそのままA社が利益享受する、ということも可能となる訳です。



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20回「中小企業こそリソース・マネジメントを!;その1」



中小企業は経営資源(ビジネス・リソース;以下「リソース」)に乏しい。本コラムで何度か触れてきた課題です。しかし、私は一度も「だから中小企業はダメだ」とは言ってません。そもそも「リソースの多寡でビジネスの成否が決まるのならば、大企業は永遠に大企業であり続け、ベンチャー企業は永遠に成長できない」ということになってしまいます。でも、当然大手でも潰れることはあり得ますし、ベンチャーも大手に育つ可能性があります。(じゃないとベンチャーは生まれませんよね。)要は、限られた「リソース」をいかに活かし、足りない「リソース」をいかに補っていくか―――ここにベンチャーや中小企業経営成功の鍵がある訳です。この「リソースの有効活用・適正運用を基軸とした経営手法」を「リソース・マネジメント」と言います。


 リソースには、「ヒト・モノ・カネ」のような有形資源と、「情報・知識・ブランド・信用・イメージ」などの無形資源があります。この中のいくつかのリソースから、そのマネジメントの要諦を見ていきましょう。まずは「モノ」から。


 モノ・リソースには「原材料や機械・車両・事務機等の動産」と「工場や事務所・ビル等の不動産」があります。「カネ」と「モノ」はイコールじゃないか、という話も聞きますが、カネで買えないモノもあります。モノは、同じモノでもその活用方法次第で価値が上がったり下がったりもする相対的な存在であるのに対し、カネはいつでも絶対価値で評価・取引されます。その分、「モノ」リソースには、ある特別な「マネジメントの視点」が必要となるのです。



 A社は倉庫業。倉庫業は典型的な「モノ」産業。モノ、即ち「倉庫」が直接収益を生み出す「生産装置」であり、モノが無いとビジネスそのものが成り立たない、という特徴を持ちます。このA社から、私に「最近収益率が下降気味で、その原因究明を手伝って欲しい」という依頼がありました。早速行って見ると、巨大な倉庫でたくさんの人が働いています。すごいな~、さすが某大手の関連会社だな~、と感嘆しつつ、ふと「なぜモノ産業の倉庫に、こんなにも人が溢れているんだ?」という疑問が湧いてきました。倉庫業は、荷物が倉庫に存在することでその「預かり賃」を頂く商売です。荷を動かして儲けるのは「運輸業」。倉庫運輸業と言うその双方を同時に受け持つ企業も多いのですが、あくまでこのA社のコアビジネスは「倉庫業」。更にこの企業、その倉庫内部の荷降ろし・荷積め作業を「アウトソーシング」していました。「なぜアウトソーシングしているんですか?」私が聞くと、その倉庫の責任者が言いました。「親会社からの指示で、『コア業務』以外は出来る限りアウトソーシングするように言われています。アウトソーシング化で当社をスリム化することが収益改善の道だ、ということですから。」・・・・コア業務以外?倉庫業で「荷降ろし・荷積め作業」以外に何がコア業務になるんだろう?聞いてみました。「空坪(空きスペース)をいかに埋めるかが、我々のビジネスの基本です。従って、我が社のコア業務はズバリ荷をとってくる『営業』です。」・・・調べて見て分かったことは、アウトソーシング契約が倉庫内荷物の「通過量()に対するパーセンテージ契約」になっていること。倉庫内の荷物の出入りが多い(通過量が多い)ほど、アウトソーシング先は儲かる訳です。その頃ちょうど荷主側でも「(滞留)在庫の圧縮」が叫ばれ、出来るだけただ寝かせておく荷は排除し、動きのある荷を倉庫業者に預ける傾向にありました。だから、やたらと人がたくさん働いていたのです。しかし、その「荷が動く」ことのメリットはアウトソーシング先に水平移動し、倉庫側は結果的にコストダウンになっていない。又その分、営業が稼いで来ようにも、面積に制限のある倉庫空坪の売りには当然限界がある。―――かくして収益は下降していた訳です。「モノ」リソースをマネジメントするには、そのモノが「どう収益貢献するか」を見極める力が必要です。「フロー(この例では通過荷)」と「ストック(同預かり荷)」のバランスしかり、内製業務とアウトソーシング業務の切り分けしかり、です。




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19回「働く野生の復活~中小企業の魅力」



 私が初めて社会人生活を送った企業グループは、今でこそ「起業家輩出企業」などと言われて相当に有名になっていますが、私が勤務していた時期には「とにかくヒトのやらない仕事をやる」をモットーにした、傍から見ると「結局何をやっているのかよく分からない、相当にうさんくさい(?)会社」というイメージが強く、なかなか「マトモな人」が就職しにくい雰囲気の組織でした。でも、その分、恐ろしくバイタリティのある人たちが集まっていました。更に、「PC(プロフィットセンター)制度」と呼ばれる「組織内組織」を創り出し、その擬似経営をどんどん若手に任せて結果を出す、という独特の経営スタイルを貫いていました。即ち、「一癖も二癖もある人材」を活かして「小さな組織の運営」を行い、「旺盛な好奇心と行動力で足らざる点をカバーし、結果を導き出す」という、正に「中小企業経営そのもの」を早い段階から体感させていたと言えます。

私は当時、それが働く上でいかに重要なことなのか良く分かっていなかったのですが、その後転職し、更に経営コンサルタントとして独立してからというもの、その意義の深さに改めて感じ入らずにはいられません。擬似とは言え「中小企業経営の現場」には、あらゆる要素が転がっていました。メンバー一人ひとりの存在感の大きさ。明確に把握できる一人ひとりの働きとその貢献度合。組織内で見える化された過程と結果。先頭に立って行動し、結果に対する責任を明確に負うPC長。その責任と権限を有するPC長と働く価値観を共有しながら、良い時は一緒に喜び、悪い時は共に励まし合い挑戦し続けるメンバー達・・・。泥臭く厳しい世界だが、その分やりがいも多く、結果的に人の早期成長を促す。正に「働く野生」とも言うべき「人が働くことの原点」が、そこには詰まっていました。



その後、私は株式公開企業(いわゆる世間的には大手企業)にも勤務しましたが、そこには残念ながら前述の企業のような仕組みは無く、よくある「28の法則(2割の優秀な人たちが8割以上の業績を上げ、残りの8割の人たちはただぶら下がっている状態)」型組織で、何やらがっかりしたもんです。そのあと独立前最後に勤務した会社は、中小を超え正に「零細」企業そのものでしたが、はっきり言えばここが最も自分を成長させてくれた、と言えます。他に誰もいないから、全てを我が事として真正面から捉え、あらゆる業務に精通せざるを得ない。この企業で、私は独立してもやっていける「本当のビジネススキル」を身につけたと思っています。



最近、富に中小企業勤務の人たちに元気が無いのが気になります。中小企業の素晴らしいところ。それは、働く野生を目覚めさせるその環境にあります。給料が安い?勤務時間が長い?それ以上の何ものにも代えがたい「良さ」が、そこにはあるのになあ・・・。この良さに、気づけるか気づけないか。この良さを活かし切れる意欲があるかないか。最初に勤務した企業の社是は、「自ら機会を創り出し、その機会によって自らを鍛える」というものでした。ベンチャースピリッツは、満ち足りた環境からはなかなか生まれ出ません。必ず辺境から生じるものです。自らが置かれた現環境が、厳しく「辺境」だと思っている方。それは自ら機会を創り出すチャンス、だと捉え直すこともできるはず。私は、多くの学生が就職希望先に最も求める要素を「安定した職場」だとか言い出した頃から、日本人全体の「働く野生」が減少し始め、結果的に今の日本経済全体の低迷を招いたと見ています。この低迷を打破する芽は、「安定していない分、やりがいもある(やらざるを得ない?)」中小企業の現場から出てくると信じています。






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18回「地域密着型経営とは」



先日、百貨店とスーパーの将来像について、TV局の取材を受けました。どちらも地元資本の有名企業を取り上げた番組。少子高齢化やグローバル化が叫ばれる中、全国大手企業との競争で地元資本の企業はどう対処して行くのか、というのがテーマでした。私は「地域密着型で行くか、全国展開型で行くか、まずはその方針決めが大事。全国展開型なら、大競争の中で№1を目指すしかない。しかし地域密着型ならば、決して№1にならなくても生き残る道はある。地域密着型産業には、それなりの市場ニーズがある。市場ニーズがある、ということは事業価値がある、ということである。その事業価値に則した事業運営が出来るかどうか、に今後は掛かっている。」と言うような内容でお応えしました。(実際のTV放映時には、カットされてましたけど。) 放映の対象となった百貨店・スーパーは大手企業ですが、中小企業でも全く同じことが言えると思います。例えば、食品スーパー。TV放映の対象となった株式上場スーパーと違い、中小規模の食品スーパーは、大規模なショッピングセンターを展開することは出来ません。しかし、今でも地元に結構多くの企業・お店が存在しています。ユーザー(消費者)が「近隣にある便利さ」「気軽に立ち寄れる店づくりと商品構成」などを求めている(=ニーズがある)から。それに応える体制が整っていれば、事業価値が認められて存続する訳です。



最近、地元資本企業では不動産関係の大型倒産が相次ぎました。直接の原因は不度産業独特の「仕込み」過多に伴う資金繰りの悪化ですが、同じ業態でも地域密着型で堅調に推移している企業があります。その違いは何なのか?堅調な1社と倒産した1社、共に昔少し仕事で携わったことがある私は、やはり「市場ニーズの捉え方」に大きな差があった事を思い出します。倒産した1社はいつも「全国№1」を標榜し、市場ニーズを「マス」で捉えていました。一方の堅調な1社は、昔から「地域に愛されて」を原点にし「ニッチ」にこだわっていました。これだけが原因ではないことは百も承知ですが、それでも中小企業経営にもつながるひとつの解がここにあるように思えます。



 地域密着、という意味では昨今のスポーツチームのフランチャイズ化、が参考になりますね。全国ブランドの有名チームだけが栄えればそれで良い、という時代は終わりを告げました。明らかに「マーケット」が存在している大都市偏在型、という時代も終わりを告げました。サッカーのJリーグで3連覇を果たした鹿島アントラーズの地元「茨城県鹿嶋市」は、人口わずか65,000人。そんな小さな地方都市でも「市場ニーズ」を見出し、あるいは創り出せば、成り立つのです。問題は、「第二の鹿嶋市」を目指してただモノマネをするだけの地域が多い事です。残念ながら、今しばらくは「地域密着型フランチャイズスポーツ」も、多くの失敗例が出てくるでしょうね。




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17回「中小企業はなぜ必要不可欠な存在なのか」



昨今の厳しい経済環境下、官民こぞって「中小企業支援策を」という声が上がっています。中小企業が我が国の経済基盤を支えているという事実は、その企業数・従業員数の割合として圧倒的多数を占めていることに起因します。その基盤たる中小企業が立ち行かなくなるのは、結果的に我が国経済全体の衰退につながるのも又間違いないのですが、時々出会う「支援頼り」という姿勢の中小企業にはいささかの疑問が生じます。



私自身が携わってきた案件で、最も疑問に感じたのは「昔からの商店街に存在する個人商店主」の姿勢。お店は至便性の高い駅前や中心市街地に存在していますが、店主の大半はそこに住まず、郊外の住宅地に住んでいます。開店時間は遅く、閉店時間は早い。週に1日は定休日を設ける。品揃えは少ない。商品知識は豊富でも、サービス力は均一でない。・・・そんな商店主が、行政に対して口にするのはいつも「支援してくれ。支援が無いと潰れる。潰れるとまちが衰退する。」・・・。こうした老舗の商店主は、政治的発言力だけは強いですから、過去にも多くの税金が「中心市街地の活性化」名目で商店街に投下されてきました。しかし、その結果はアーケードを取り付けては又取り外し、街路を車両進入禁止化して歩行用モニュメント等を設置しては又乗り入れOKに変えてモニュメントを廃棄し・・・、などなど正にマッチ・ポンプの典型的な繰り返しに終始しています。結局商店街がそれで蘇った、という話はほとんど聞きません。



中小企業が「中小規模の企業」として存在している理由には、大きく3つのタイプが考えられます(大手企業の関連・グループ企業を除く)。1つ目は「成長過程にあるベンチャー企業」。この領域の企業が、明日のソニー・ホンダになる可能性を持っています。この手の会社は基本的に経営基盤がぜい弱ですから、「多産多死」という前提でセーフティネット的な支援策を講じていく必要があります。2つ目は「あえて規模を大きくしないことを望む企業体」。上場等を目指して規模を大きくする選択肢もありますが、あえて大きくしない。その代わりに独立自尊を大事にする。そういう価値観も当然あります。これらの企業体は、それぞれ必要とする仲間と緩やかな連携を組みます。11社は小さいですが、その波及効果を考えると、実は市場に与える影響度はかなり大きい。ですから、その連携を後押しするような側面支援策が望まれます。3つ目は「事業の内容的に大規模な組織が向かない企業」。個人の特殊技術や技能、専門知識を商売道具とする事業で、医院や歯科医院、設計・デザイン事務所、弁護士・税理士等のサムライ業、など。「生活や企業活動密着・利便性寄与」事業と位置付けられるこのグループは、「社会インフラ」としての整備が今後も必要な領域と考えられますが、公的な支援というものが直接的に必要とは思われません。我が国経済の活性化に寄与する鍵は、特に1つ目・2つ目グループの中小企業をいかに多く生み出し元気にしていくかにかかっていると考えられます。



さて、では「昔からの個人商店」というものはどのグループに属するのでしょうか?成長意欲があるなら1つ目。専門性があるなら3つ目ですが・・・。残念ながら成長意欲も専門性も弱いと見られるので、残る選択肢は「2つ目=あえて大きしない企業体」ということになります。その成否を左右するのは「仲間づくり」や「柔軟な連携姿勢」。でも、声高に「まず支援を」と言っているわがままな人たちと、一体誰が「本気で仲間になろう」と思うでしょうか?2つ目領域企業の基本姿勢である「独立自尊」とは、「頼らない」ことなんですから。頼らないことから始める。逆説的ですが、「頼らない姿勢の企業に、側面支援を行う」。これが中小企業支援策のあるべき姿だと、私は考えます。





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16回「中小企業の人事」


中小企業は規模が小さいために、人事異動というものがあまりありません。しかし人事が停滞すると、組織としてのダイナミズムが失われ、歪みは大きくなります。マンネリ化、セクショナリズム、視点の狭小化などなど・・・。

A社は、80名規模の物流企業。拠点は本社と営業所の計2か所ありますが、営業所と本社間では過去、人事交流はないそうです。本社内でも、ほとんど人事異動がありません。入社時にある部署に配置された人は、基本的にいつまでたっても同じ部署。当然のように、セクショナリズムが蔓延しています。なぜ、そんなに人事異動が無いのか、経営陣に聞いてみました。すると、驚くべき答えが。「過去に経営判断で人を異動させたら、異動先の部署の上長が気に入らないと、優秀な異動人材がふてくされて辞めた」とか。えっ?何?それだけ?他には?「自分の部署の業績に最も貢献している部下を無理やり異動させた、と言う理由でその上長が暴れた」。・・・、「一度ダイナミックな人事異動を行おうとしたところ、外部のライバル他社に情報が漏れて、優秀な人材を数人まとめて引き抜かれた」。・・・。正直あきれましたが、この企業の人事異動不信は根強いようで・・・。

一方のB社。パートを含め、100名近い従業員を抱えるサービス業者です。拠点は現在7つ。近接した市域内とは言え、全店舗回ると車でも丸1日かかるような距離関係。店舗展開を始めてから以降、その店舗間での人事異動を積極的に行っています。その人事異動が、この企業のダイナミズムを生んでいます。抜擢あり、失敗者への復活制度あり、疲れた人の一時休止あり、などなど。本人の気に沿わない人事もあるでしょう。やってみたら「違った」ということは、経営サイドにもあるでしょう。それでも、この「フレキシブルさ」が救いとなって、皆どんどん成長しています。この企業の中心は、若い女性スタッフ。もともと自宅通勤の人が多かったのですが、本人の理解を得て、異動に伴う一人暮らしも推進。(もちろん、会社側が家賃補助します。)一人暮らしと異動に伴う環境変化が、相乗効果を生むのでしょうか?わずかの間のその成長ぶりには、本当に驚かされます。可愛い子には旅をさせよ、とはよく言ったものです。この企業、一部のベテラン社員にその変化ぶりについていけず落ち込む人も出ます。企業にとっての家賃補助は、財務的負担も大きい。でも、組織の活性化に人事異動は欠かせない、と割り切っています。

ところで、冒頭のA社。今、この企業では、部署を跨いだあるプロジェクトを立ち上げ、このプロジェクトを通じた人事の交流を始めています。最初に催した飲み会では「違う部署の人間と一緒に飲むのは入社以来初めてだ」などという声があちらこちらから出て、そのギクシャクさは想像以上でしたが・・・。中小企業の強みのひとつは、何といっても人間関係の深さ。少々の軋轢を恐れて、その良さを消しちゃ~イケマセン。

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15回「中小企業の事業承継」

中小企業の抱える大きな課題のひとつに「事業承継」問題があります。親族に後を継ぐ者が居なかったり、居ても過酷な経営を嫌って継ぎたがらなかったり・・・。中小企業だからと言って、経営者の後を継ぐ者は何も親族に限ったわけではありませんが、残念ながら社員にもなかなか任せるに値する人材が居なかったりで・・・。ここには大きなミスマッチが起きています。

A社は、ある地方の中堅卸会社。厳しい時代にも関わらず、創業者の先見の明によって、特定市場にしっかりとした地盤を築き利益を出し続けています。しかし、あまりに創業者が有能過ぎたのか、創業者の急逝後は・・・。まず創業者の未亡人が後を継ぎましたが、仕事をやったことが無かったためマネジメントが機能しません。そこで、未亡人は自分の身内を外部から呼んできて役員に押し込みました。が、これが残念ながら無能な人だったため、旧来からの役員が猛反発。しかし、大株主の未亡人は「血は水よりも濃し」と言い張って譲らない。どうしてもその身内をトップにしなければ、「会社を閉める」とまで言い出す始末。実際に100名近い従業員が路頭に迷う一歩寸前まで行きましたが、結局、大口債権者たる銀行筋からの圧力で未亡人も折れ、ようやく古手の幹部が社長を継ぐということで矛を収めました。しかし、無能な身内役員はそのまま残り、抗争のあおりを食った形の有能な幹部数名が辞め、組織の力は大きく衰えたのでした・・・。

 

一方、B社。同じ卸会社ではありますが、こちらはより小規模の企業で従業員は10名そこそこ。業界内の激変もあり業績は青息吐息ですが、大口顧客のおかげで何とか経営を継続中。ここも3代目社長が急逝。この会社には、社長の身内でない有能な専務が一人おりました。業務に素人で後を継ぐ気もない3代目の未亡人はその専務に後を継いでもらおうと考えましたが、なぜか彼はかたくなに拒否。よくよく聞いてみると「他の従業員が誰も自分の言うことを聞かない」とか。この専務、自分ひとりの仕事は良く出来ても、従業員の管理は全く出来ない人だった訳です。結局、専務と定年間近の常務の二人が何度も未亡人を訪ね説得を重ねた結果、まだ若年だった子息(4代目)が成長するまで、という条件付きで未亡人が社長を引き受けたのでした。しかし。その後素人未亡人が社内で動き出すと、あれほど社長就任を懇願した専務と常務が反発。社内は真っ二つに割れ、ただでさえ厳しかった業績は悪化の一途を辿っていきました。最後には、外部コンサルを入れて若年の子息を社長にすることにして、両者和解。ただ、若年の新社長がまた頑張りはじめると、何となく幹部との間に隙間風が再び・・・。

それに比べてC社。従業員10名程度の小規模建設会社。創業者がまだ元気なうちに、幹部2名を呼び宣言します。「俺は親族に後を継がせる気は無い。お前ら二人でこの会社を継げ。」当時社長70代前半。呼びつけられた幹部はひとりが40代前半。もうひとりはまだ30代半ばでした。「え~、無理っすよ。社長まだまだ元気じゃないっすか。」若い幹部二人は叫びますが、頑固が取り柄のこの創業社長、「いや、俺はもう辞める。あとはお前ら二人で続けるかどうか決めろ。」と結論を二人に投げつけてしまいました。困った二人の幹部は1ヶ月間悩み続け、従業員・信頼できる取引先等にも何度も相談した結果、二人で後を継ぐことを決意。結論を社長に告げたところ、ニッコリ笑った社長は一言「俺も最後にいい仕事をした」。今年、創業社長は亡くなりました。後を継いで10年になる二人の他人経営者は、立派に事業を継続しています。今、創業者の子息(ちゃんと居たんです)と株の相続等で話をしていますが、子息も「オヤジに『絶対にもめるな』と何度も言われてきましたから、どうぞ良いようにしてください。」と穏やかな委譲が無事完了しようとしています。この事業承継、正に「あっぱれ!」の一言、です。

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14回「フリーライダーは誰だ?」

 不特定多数の人々が受ける利得に対し、そのための責任を全うせず利己的な動きをする人の行動を、ゲーム理論で「フリーライダー(ただ乗り者)」と言います。社会保険料の未納問題しかり、CO2排出問題しかり、です。企業内にも様々なフリーライダーが存在する訳ですが、中でも厄介なのが無自覚フリーライダーの存在です。無自覚だけに、その増殖に周囲も気がつかない例が多いようで・・・。

 A社は老舗のアパレル企業。長引く不況の中、次年度の反転攻勢に期待を寄せて経営トップは、各部門長に目標数値を掲げさせました。出てきた数値は計画段階から「赤字目標」。あきれた私がその「無意味さ」を指摘すると、返って来た言葉は「本部費が入ってますから。本部費を除けば黒字です。」・・・何それ?じゃあ本部はいらないの?「いや、本部が無いと各店舗は回りません」。じゃあ、必要経費じゃない?その金額の大小や負担割合の多寡はさておき、本部費のような間接経費を考慮して計画を作るのは常識。もちろん、数字遊びのための達成不可能目標は意味がありませんが、だからと言って最初から赤字目標では・・・。戦略的赤字(新規事業などで当初はどうしても償却費負担が大きく赤字になるような例)でも無い限り、予算が赤字ならばやらない方がまし。「本部費」とか「共通費」「管理費」とか言われている経費の存在を、直接部門(プロフィットセンター)の人たちは軽視しますが、健全な企業には健全なコストセンター(非生産部門;間接部門)の存在が不可欠です。「本部費を負担しなければ黒字」という発想が出てくること、それ自体が無自覚フリーライダーです。いや、このような発想が当たり前のように出てきた状況から推測すると、間接部門自身が「フリーライダーでは無い」という自信を、直接部門にちゃんと示せていないのかも知れません。直接部門と間接部門双方が、互いにフリーライダーとならないよう厳しくチェックし合い、健全な負担・貢献のバランスを共通認識する必要があります。

 一方業務用品卸のB社は、営業部門の担当者が皆「新規顧客開拓」をしません。曰く「日々の配送業務が多忙で」。曰く「ルーチンワークだけ真面目にやっていれば、それなりに売上が上がるから」。・・・確かに、この会社の営業マンは朝から晩まで忙しそう。一人が受け持つ卸売先も多い。でもそれって、過去の先輩方が築き上げてきたものへの「ただ乗り」ではないでしょうか?「私は一生懸命仕事をやっている」と言いますが、そんな企業の元々ある資産に胡坐をかいただけの仕事こなしを「一生懸命」という言葉で正当化する。ここに無自覚フリーライダーを生む要素が潜んでいます。現状に安泰する姿勢は、そのまま実は過去の財産を食いつぶすフリーライダーと言えます。

無自覚フリーライダーの増殖が始まると何が拙いか?まず、周囲も一見フリーライダーに見えないから、その行動や考え方を評価してしまうんです。そうすると、次にフリーライダー的要素を持たない「真の利益創出者」が、だんだんやる気を失っていきます。ただ乗りの存在が問題なのは、「悪貨が良貨を駆逐する」的な悪循環を起こし始めること、です。何度か出てくる効果的な改革案が掛け声だけに終始している企業は、無自覚フリーライダーの増殖を要チェックです。

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