金融・経済の仕組を解きほぐすブログ

金融・経済に関する日々のニュースや話題について私見を書いています


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トルコ・リラが大きく売られている。トルコはテロが頻発する前までは旅行に行く日本人が多かったし、トルコリラ建ての債券などは日本の金融機関でも多く販売されていたため、この通貨はなじみのある人も多いだろう。下はトルコリラの対ドルでのチャートである。チャートが上にいくほどトルコリラが売られ、米ドルが買われていることを示している。

 

 

昨今のドル高は新興国にとっては厳しい。なぜならこれまで利回りを求めて流入していた資金が、ドル高・ドル金利上昇によって逆流、すなわち新興国から資金流出していく形になるからだ。特にトルコは他国に比較して金融面が非常に脆弱な構造にあり、2013年の米国のQE解除の時にも話題になっていた。

 

新興国を見るときに気を付けなくてはいけないのは以下の3点である。

①経常収支及び対外債権・債務の構造

②外貨準備が潤沢にあるかどうか

③地政学リスク

 

①については、経常収支赤字、対外純債務国である場合、常に海外から資金を調達している構造にある。その場合、海外から資金流入が途絶えないことが重要になる。先進国で言えばアメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリアなどが代表的な国だ。新興国は経常収支赤字・対外純債務国である場合が多く、資金調達を概ね海外に頼っているため、海外からの資金流出が発生すると、自国通貨安→金利上昇→インフレ、最悪の場合資金調達そのものが困難になるリスクを抱えている。

 

そうした時に重要になってくるのが②の外貨準備である。外貨準備が潤沢にあれば、海外から資金流出が発生しても、外貨(ほとんどの場合米ドル)を使って、ドルを売って自国通貨を買い支えれば、金利上昇→インフレという流れをある程度防ぐことができる。

 

仮に②の外貨準備が少ない場合、取れる手段は政策金利の引き上げのみとなる。金利上昇は国内のインフレ率を高め、景気を冷やす。また、政府にとって金利上昇は債務負担の増大に繋がるため、政府は政策金利の引き上げを嫌う。そのため、資金流出を止めようとする中央銀行と金利上昇を嫌う政府との間で微妙な駆け引きが行われることが多い。

 

③は言うまでもないが、地政学リスクの顕在化は海外の投資家をナーバスにさせる。このような経済活動とは関係のないリスクは、投資家にとっては最も取りたくないリスクであり、それが顕在化することで海外からの資金流出を加速する可能性がある。

 

以上の観点からトルコを見た場合、2013年時点で既に極めて脆弱な状態にあった。今回はようやくそれが顕在化した形である。格下げ懸念もあり、トルコリラはまだしばらく売られる状態が続くだろう。どこでこの売りが止まるかを判断するのが一番難しい問題であるが、まずもって次回は主に①・②の観点からトルコの現状を分析してみたい。

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