過去の映画評 : ふじのこーせい official private site

           

           

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2017-07-08

セールスマン

テーマ:review
セールスマン 監督:アスガー・ファルハディ
脚本:アスガー・ファルハディ

“人の振り見て我が振り直せ”という諺は映画鑑賞にも有効で、登場人物の愚かな言動に対して、観客は嫌悪や違和感を抱いた果てに、自らの考え方や営みを省みることができる。しかし、そんな判断が簡単に割り切れないのが本作で、価値観が意図しない感覚で揺らいでしまう。劇団に所属する夫婦、転居先で何者かに襲われる妻、警察に被害届を出せず、犯人探しを始める夫…。前住人の秘密なども関わり、ミステリー調ではあるが、人間ドラマの心理面に重きを置いている。現代イランの社会背景、劇中劇で挿入される『セールスマンの死』、それらについての知識があるか否かで、本作の理解度は違ってくるが、逆に、本作を通して知ることもできる。親切や善意、それに反する行為の描き方が然り気なく絶妙で、登場人物の気持ちを考慮すると、容易く“人の振り見て我が振り直せ”ない、複雑な命題にモヤモヤしてしまう。アスガー・ファルハディ先生の出題は難問(苦笑)

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2017-06-24

ジェーン・ドウの解剖

テーマ:review
ジェーン・ドウの解剖 監督:アンドレ・ウーヴレダル
脚本:イアン・ゴールドバーグ/リチャード・ナイン

映画に限らず、楽曲でも文筆でも、作り手は様々な沢山のことを詰め込みたくなる。良くも悪くも、クリエイターは欲張り。ひとつの作品に情報が多いほど高得点!なのではなく、真に必要なものを見極め、余計な部分は削ぎ落とす作業が大切。つまり、足し算ではなく、引き算が巧妙な作品はセンスが良い。思い切った断捨離が作品の出来を左右する。ただし、必要・不必要の線引きは難しく、正解のない答えを探し出すようなもの。本作は、身元不明の女性遺体を検死解剖する、それだけのシンプルな設定なのに、体内から不可解な物証が見つかる過程はミステリーで、知的好奇心がくすぐられる。勿論、ホラー演出も上手い。しかし、何気ない幾つかの伏線が、いまひとつ痒いところまでは手が届かない。上映時間を86分に削ぎ落とし、引き算し過ぎて、多くを語らないことが逆に徒となっている。これ見よがしに、点と点を線にする“あざとさ”があっても良いかも知れない。

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2017-06-13

美しい星

テーマ:review
美しい星 監督:吉田大八
脚本:吉田大八/甲斐聖太郎

十人十色。百人百様。千差万別。本作を観て感じること、楽しみ方は究極の“人それぞれ”でしょう。作り手の意図を丁寧に勘繰るも良し、シュールな設定とコミカルな場面に笑うも良し、好きなキャストに見惚れるも良し。あるいは、三島由紀夫の原作を土台に好き勝手な脚色を施した吉田大八監督の“俺流の方程式”が意味不明で面白くないと思うも良し(苦笑) 賛否両論と言えば容易いが、そもそも、ジャンル不問で、明確な“答え”を提示しない作品なので、観賞きっかけは何でも構わず、とにかく触れることが先決の映画なのかも知れない。例えば、どこが袖で襟か分からなくて、着にくい服だけど着れば格好良い…とか、皮を剥いたり小骨を取ったり、食べにくい料理だけど食べれば美味しい…とか、白い紙に黄色い文字で、読みにくい文章だけど読めば面白い…とか、本作はそんな感覚に似ている。宇宙人であることに覚醒した家族を軸に、人類の危機を物語る異色作。

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