愛知県豊川市で先日、一家5人を殺傷した30歳の長男は中学を卒業してから定職につかず、自宅にひきこもっていたという。インターネットが世の中とつながっていると実感できる唯一の手段だったとしても、その契約が打ち切られたからといって、養ってもらっている58歳の父親らに切りつけるというのをどう理解したらいいのか。仮に事件がなかったとして、会社員だった父親の収入がなくなっていた場合、両親のため働くようになっていたのだろうか。

 社会問題化しているひきこもりは、今回の長男のように仕事をした経験をほとんど持たないまま30代、40代と高年齢化しており、生活保護予備軍ともいわれている。

 大阪では虐待事件が相次いでいる。寝屋川市で1歳10カ月の三女を虐待死させたとして逮捕された26歳の父親は、定職につかず家賃滞納でアパートを追い出され、生活保護を受けていた。妻から定職に就くよう求められても「生活保護があるからいい」と受け流し、そのくせ、苦しい生活にいらだちを募らせていたという。

 頻発する虐待事件を取材する中で、働かない、働く意欲に欠けた若い親の実態が事件の背景に浮かび上がる。

 急増する働かない若者。教育関係者によると、その予備軍になる可能性が高いのが中卒者や高校中退者であるという。特に大阪では高校中退の状況が深刻で、平成20年度の府立高校の中退者は2712人で、5人に1人が中退する高校もある。

 中退理由の半数近くが「学校生活・学業不適応」であり、「経済的な理由」は54人しかいない。事態を重くみた厚生労働省は今年度から、不登校になった高校生や中退したばかりの元高校生を放置せず、高校を卒業させて仕事に就かせるための支援事業に乗り出した。高校の授業料無償化よりも、高校中退者をどう減らし、就労させていくかの方が急務だろう。

 この事業に参画しようとしていた学校法人神須学園(大阪府岸和田市)の前川篤さんは、ニートやひきこもりに対し大切なのは「彼らを信じることとあきらめさせないこと」と話し、彼らと交流を深め、「勉強できる人もいる。キミみたいに勉強が嫌いな人もいる。自分なりに一生懸命やれば、それでいい。キミならできる」と励ましていた。ところが、4月3日急逝してしまった。享年73。働く若者を増やしていくための具体策について、その先が聞きたかった。(大阪社会部長 内野広信)

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