ビキニに毛皮のロングコート?!



海外のロックバンドが来日した際に、グルーピーと呼ばれる女たちが用意されることは周知の事実である。


中にはクリーンなアーティストもいるのかもしれないけど、ほとんどの場合は取り巻きの女たちが待機している。


日本のバンドでもグルーピーがついてることは多い。



追っかけのファンが昇格したり、モデルや女優の卵がいたり、ウォータービジネス(笑)のお姉さんがいたりと、バラエティ豊かな彼女たち。



私はうぶな高校生だったからグルーピーなるものの存在を知らなかったけど、追っかけをするうちに特殊な女たちの群れを目撃して、グルーピーなるものの知識を得た。


彼女たちは皆痩せている、異常に細い、そして全員ロングヘアーで厚化粧、露出度の高い洋服で一見すると娼婦!!


あるホテルで見かけた女は毛皮のロングコートを着ていたのだが、すれ違った時に中にはビキニしか着てないことがわかってビックリした!


今では大女優で、昔は11PMでアシスタントをしていたスタイル抜群のK・R、当時セブンティーンのモデルで人気があったS等が、グルーピーのトップグループだった。


夜の蝶でレスリー専属の女もいたが、彼女は気さくで以前はフィンガー5のピー(グルーピー)だったと話してくれた。



エリックは脚フェチで、彼のピーたちは全員マイクロミニかホットパンツをはいていた。


実際にエリックが彼女たちの前を通り過ぎた後、スタッフがその中の一人を呼びに来た様子を目撃したこともあった。


まるで大奥のように選ぶんだなぁと、妙に感心したおぼえがある(笑)


ファンの中にも有名な大金持ち三姉妹、I姉妹がいた。


3人ともものすごく細くて、いつも露出度の高い服装で厚化粧、しかし不細工で有名でもあった(苦笑)


さる有名な御家柄で大金持ちということは、追っかけなら皆が知っているほど目立つ三姉妹だった。

どの会場にも来てたし、ホテルにもいた。


私たちよりも年上で、不思議なオーラを発散していた。



いろんな種類の、しかし外見はよく似たグルーピーの女たち、



彼女たちのその後の人生はどんなものだったのだろう・・・・・・・



追っかけは、まだ高校生の私にいろんな人生の機微を教えてくれた貴重な経験でもあったのだ。

泣き落としで1万円!?




母に10万円もらって、追っかけの旅に飛び込んだ私・・・・・



でも、慣れない非日常の世界に、それまで普通の高校生だった私は移動にかかる費用やら何やらで、旅の後半にはすでに所持金を使い果たしていた!



仲間同士で、まだお金がある子が何とかやりくりしてくれて、しばらくはしのいだ。



宿泊代がないので、某有名ホテルの大きなトイレの中に泊まったり、広大な庭で野宿したこともある。



しかし、いよいよ限界を超える日がやってきた!



まだまだ世間知らずで甘っちょろい私達、ここは正攻法でいくしかないと考え、それぞれが体当たりで見ず知らずの他人に金の無心をする行動に出るというとんでもない作戦に出た!(爆)



某有名ホテルのボーイのNさん、警備員のバイトをしてた予備校生、ガードマン等、出会った人に泣きながらもう1円もお金がないから家に帰れない、と訴えた。



信じられないことに、それぞれが1万円ずつ貸してくれたのだ!



当時の1万円は今より大金だった。



しかも、私達が声をかけたのは20代の若者ばかり、



きっと、なけなしのお金を差し出してくれたに違いないのだ。



古き良き時代の奇跡だなぁと感慨深い。



私達も追っかけの旅から帰ってから、あたり前のことだけどきちんとお金は送り返した。




お金を貸して下さった方々の中の一人、Nさんとは今でも年賀状を出し合うおつきあいが続いている。




本当に人の縁は不思議なものだ。。。

駅長さんが情報開示?!(笑)





追っかけをしていて一番苦労するのは、BCRが何時の新幹線に乗るのか?、どこのホテルに泊まるのか?という情報の入手である!



当時の私たちは、いきあたりばったりで夜の街を徘徊して探し回るという、きわめて原始的で危なっかしいことをしていた。



大阪で彼らを見失い、どこのホテルに泊ってるのかわからなくなったことがある。



途方に暮れた私たちは、新大阪駅の駅長室に駆け込んだ。



なぜ駅長室に駆け込んだのか忘れてしまったけれど、たぶん新幹線で来たBCRのことを何か教えてほしい一心だったのだろう。



自分たちがきょう泊まるホテルもない等、いきなり現われて訴える私たちを不憫に思ったのだろう、



駅長さんは、「しゃあないなぁ。」と言いながら、おもむろに何やら紙を引出しから取り出した。



なんと!!BCRのスケジュールがすべて!新幹線の時間、宿泊先等すべての予定が書き込んであったのだ!!



一気にボルテージの上がった私たちは、あわてて書き写し「おっちゃん、ありがとう!!」大声で叫んで駅長室を飛び出した!



そして、彼らの泊ってるホテルへと急いだ。




今では考えられないことだけど、昔は人情味があったんだなぁ~って(笑)懐かしく思う。




人の心のありようも、今とは違ってもっとゆったりしていたように思う。




古き良き時代のエピソードである。