第３３回「モード・イン・フランス（Mode in France）」展２０１３年春夏コレクション開催
来場は社数で４８％増、人数で３６％増
第３３回「モード・イン・フランス（Mode in France）」展２０１３年春夏コレクション(フランス婦人プレタポルテ連盟主催)が７月１１日から１３日、東京・西新宿のヒルトン東京ホテル１２階と１４階で開催された。アクセサリーや雑貨の合同展示会「コレクション・フランセーズ」展も１４階で同時開催された。会期を約１ヶ月半早めるとともに、東京のみの開催となった今回。初日の来場は前年比４５％増、２日目も７０％増のペースで順調に推移し、３日間のトータルでは９２０社、１３２０人が来場。前年比は社数４８％増、人数３６％増となり、活発な商談が行われた。前回は東京に続き大阪でも２日間開催したが、その５日間の合計との比較でも、社数、人数ともに大幅に上回った。
２日目の夕方に行われたプレスミーティングでフランス婦人プレタポルテ連盟のパトリシア・ブラフマン国際部長は「日程を変更したことがよかった。今回は１０日から１２日までウェスティンホテル東京で開催されたモーダ・イタリア（イタリア貿易振興会主催）と同じ時期に開催したが、イタリアの関係者ともシナジー効果が期待できると話していて、次回もモーダ・イタリア展と同じ時期に開催したい」とするとともに「フランスの輸出は４・５％増。イタリアやスペイン、イギリスへの輸出は厳しいが、アメリカの２０％増をはじめ、ロシアやアジアも伸びていて、日本や韓国にも期待している」と強調。
フランス見本市協会では、「パリの見本市の開催時期が例年の９月初めから６月末～７月初めに早まった影響で、モード・イン・フランスも例年の８月末から７月半ばへと前倒しになったが、会期の変更に関して目立った問題はない。来年１月も『パリの見本市開催後の東京展』というスケジュールになる見込み。新作コレクションの準備が十分整っているという点で、バイヤーにも大きなメリットがある」としている。
ギャラリーラファイエットやプランタンなどでも展開しており、フランス婦人プレタポルテ連盟が「日本にぴったりということで、１年以上かけて口説き落とした」という初出展のレ・ザトリエ・ドゥ・ラ・マイユ（Les Ateliers de la Maille）。天然素材にこだわるニットコレクションを提案するブランドらしく、
バンブー、サマーカシミア、シルク、麻、大豆などを使ったカーディガンやノースリーブ、ニットのライダース、サマーカシミアのストールなどを紹介した。サマーカシミアで１２色、バンブーで７色などカラー展開が豊富なこともポイント。初出展にもかかわらず、専門店などから受注が入った。
１９０４年に設立創。業者はクリスチャン・ディオール本人の友人で、当時はオートクチュールのストッキングはすべてジェルブが作ったと言われ、現在もほとんどがハンドメイドだという、高級ストッキングのジェルブ（Gerbe）も今回が初出展。今回はジェルブのオリジナルコレクションとガスパール・ユルケヴィッチとのコラボレーションによるガスパール・ユルケヴィッチ・バイ・ジェルブ（Gaspard Yurkievich by Gerbe） の２ブランドの新作コレクションを展示した。糸まですべて自社工場生産するなど、品質にこだわり、７デニールから１８０デニールまでを製造。また、薄く「彫刻のようにモデルの脚を美しく見せる」技術でファッションフォトグラファーからも人気が高いほか、快適で線が残らないなど高い機能性からマタニティでも使われている同社。「ミニマムは一足から。日本にもすでに固定客を持っているが、より多くの女性に気軽に使用してもらいたい」というのが今回の参加の狙いだという。
一点もののアンティークピースを使い、季節に左右されない新しいコレクションを展開するアクセサリーのデルフィーヌ・パリアント（Delphine Pariente）は、星、チャンス、遊び、偶然の四つのテーマに沿って金銀メッキのビジューを発表した。石は珊瑚、メノウなどすべて天然石。パリのセレクトショップメルシー（merci）のための限定商品を展開しているほか、オーダーにも対応しているが、リーズナブルな商品も数多く揃えているという。
初出展のアンヌ・ウィリ（Anne Willi）は、やさしいタッチのプリントとグラフィックを中心に、無地との組み合わせた、長く流線的なフォルムを展開。バックスタイルやチェーンなどのディテールにこだわったデザインもポイントになっている。
ファーとレザーを展開し、これまでは秋冬だけに参加していたイヴ・サロモン（Yves Salomon）は、
夏物も欲しいという越えに対応し、夏のためのカラフルなカクテルなど、初めての春夏コレクションを紹介。素材はシルクと鹿皮の組み合わせなど、綿ギャバジン、シルク、コットンジャージーからカーフスキン、ラムスキン、パイソン、オーストリッチまでを使い、暑い日本の夏にも対応できるデザインを提案した。将来的には春夏向けを全体の全体の４０％までもっていきたいという。
パリのサンジェルマン・デ・プレのブティックをはじめ、ロシア、カナダなど、世界１０カ国４０店舗で展開するアクサラ（Axara）も初出展。２５歳から４０歳をメーンターゲットに、フレンチエレガンスを提案した。モード・イン・フランスへの出展は新規拡大を目的としたもので、「３０カ国以上で展開したい。日本は一番大きなマーケット。オーダーも受けている」としている。
オペラ近くのショップなど、直営店は３０店舗以上、セレクトショップでの展開は２０００店以上を数え、ここ数年輸出を伸ばしているロラン・ヴィダル（Lauren Vidal）も初めての参加。２０１３年春夏コレクションは白と黒、ロマンチックとミニマリスト、都会とボヘミアンなどミックスが特徴。
ギャラリーラファイエットやプランタンでも展開しているブリジット・バルドー（Brigitte Bardot）も初出展。同ブランドはブリジット・バルドーのスタイルをコレクションに反映させたもので、今シーズンはプリントを使ったデザインや細かなBBの文字を配したものなど、「ボボ・シック」なエスプリ（ブルジョワ・ボヘミアンなシックさ）と７０年代のスタイルがミックスしたデザインを紹介した。タグも本人の写真のポジのようになっている。
また、今回はバカラ、メゾン・マルタン・マルジェラ、ドリス・ヴァン・ノッテンなどと仕事をしたファッションフォトグラファー、フィリップ・ジャリジョン（philippe jarrigeon）による写真展「イコノラ（ICONORAMA）」を開催。写真をスカーフのように９０センチ四方の布にプリントした作品を展示した。
