2008年12月14日 13時42分21秒
マキノ雅弘生誕100年・史上最大のカツドウヤ<その10>
Theme: マキノ雅弘
・・日本映画生誕100年・・
・マキノ雅弘生誕100年・史上最大のカツドウヤ<その10>
【蝶々雄二の夫婦善哉】 (東映 1965年)
ミヤコ蝶々の原案を依田義賢が脚本家したと言う本作は、蝶々と南都雄二司会の人気番組「夫婦善哉」の収録シーンから始まる。視聴者参加番組の走りであるこの番組に登場した素人の夫婦が、なんと司会の二人にそっくりさんのぜんざい屋の夫婦をそのまま蝶々雄二の二人が演じる。二組の夫婦の合成画面が昔々の映画とは思えない程、さりげなく見事である。そして映画はこのぜんざい屋の夫婦の物語となるのだが、二人の実生活そのままの物語がぜんざい屋に置き換えられて当人たちによって演じられる。しっかりもので尽くす蝶々と呑ん兵衛で女たらしの雄二、女と見たら口説きまくり、そして相手の女に・・・と、実生活そのものなんだけれど、それだけじゃない普遍的な芸道物の匂いが香る。そう脚本の依田さんのテイストが匂っている気がする。芸人物なんでもっとマキノ節があるかと思っていた割には、二人のキャラと依田脚本のアンサンブルに沿った控えめな演出が際立つ一編である。

【侠客列伝】 (東映 1968年) (東映 1965年)
ヤクザそのものを主人公にしたヤクザ映画を撮らないマキノさんにしては珍しいヤクザそのものを主人公にし、ヤクザの抗争を描いた珍しい一編である。健さんの親分菅原謙二は小田原を縄張にするヤクザだが、河津清三郎に後押しされた三島の親分遠藤辰雄がその縄張を狙っている。明治政府の賭博禁止法に合せて、関東の親分衆は日本大同会を結成することとなり、その結成式の世話人に菅原が選ばれる。それは河津らの陰謀で、忠臣蔵の内匠頭さながらいちゃもんを付けられた菅原は逆上して刃を抜き、逆に殺されてしまう。そして組は謹慎処分となりその間遠藤らが縄張を荒らす。筑波の親分中村竹弥の娘、桜町弘子と結婚するはずの健さんらは我慢の日々を送る。・・・そしてついに堪忍袋の緒が切れてなのだ。遠藤のところに草鞋を脱いでいる流れ者の鶴田浩二と芸者に身を落としたかっての恋人藤純子、その彼女に惚れる長門裕之、勘当されてたが舞い戻った若山富三郎、駕籠かきの藤山寛美、そして大木実に里見浩太郎、なかなかにオールスター・キャストで面白いのであるが、ヤクザの抗争そのものを描いているので、マキノさんも今一歩乗らないのか、健さんの相手も藤純子でなくて桜町弘子なんでラブシーンも盛り上がらず、安心して見てられるんだけど、最後の殴り込みシーンの陰惨さもマキノ映画らしくない映画だったように思う。
侠客列伝 [DVD]

¥4,347
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【蝶々雄二の夫婦善哉】 (東映 1965年)
ミヤコ蝶々の原案を依田義賢が脚本家したと言う本作は、蝶々と南都雄二司会の人気番組「夫婦善哉」の収録シーンから始まる。視聴者参加番組の走りであるこの番組に登場した素人の夫婦が、なんと司会の二人にそっくりさんのぜんざい屋の夫婦をそのまま蝶々雄二の二人が演じる。二組の夫婦の合成画面が昔々の映画とは思えない程、さりげなく見事である。そして映画はこのぜんざい屋の夫婦の物語となるのだが、二人の実生活そのままの物語がぜんざい屋に置き換えられて当人たちによって演じられる。しっかりもので尽くす蝶々と呑ん兵衛で女たらしの雄二、女と見たら口説きまくり、そして相手の女に・・・と、実生活そのものなんだけれど、それだけじゃない普遍的な芸道物の匂いが香る。そう脚本の依田さんのテイストが匂っている気がする。芸人物なんでもっとマキノ節があるかと思っていた割には、二人のキャラと依田脚本のアンサンブルに沿った控えめな演出が際立つ一編である。

【侠客列伝】 (東映 1968年) (東映 1965年)
ヤクザそのものを主人公にしたヤクザ映画を撮らないマキノさんにしては珍しいヤクザそのものを主人公にし、ヤクザの抗争を描いた珍しい一編である。健さんの親分菅原謙二は小田原を縄張にするヤクザだが、河津清三郎に後押しされた三島の親分遠藤辰雄がその縄張を狙っている。明治政府の賭博禁止法に合せて、関東の親分衆は日本大同会を結成することとなり、その結成式の世話人に菅原が選ばれる。それは河津らの陰謀で、忠臣蔵の内匠頭さながらいちゃもんを付けられた菅原は逆上して刃を抜き、逆に殺されてしまう。そして組は謹慎処分となりその間遠藤らが縄張を荒らす。筑波の親分中村竹弥の娘、桜町弘子と結婚するはずの健さんらは我慢の日々を送る。・・・そしてついに堪忍袋の緒が切れてなのだ。遠藤のところに草鞋を脱いでいる流れ者の鶴田浩二と芸者に身を落としたかっての恋人藤純子、その彼女に惚れる長門裕之、勘当されてたが舞い戻った若山富三郎、駕籠かきの藤山寛美、そして大木実に里見浩太郎、なかなかにオールスター・キャストで面白いのであるが、ヤクザの抗争そのものを描いているので、マキノさんも今一歩乗らないのか、健さんの相手も藤純子でなくて桜町弘子なんでラブシーンも盛り上がらず、安心して見てられるんだけど、最後の殴り込みシーンの陰惨さもマキノ映画らしくない映画だったように思う。
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