怒り | タイタンを遠くはなれて。

怒り

 僕は、振りあげた拳をどこに振り下ろせばいいのか? 

 人はみな弱い。

 それはそうだ。

 でも、僕だって傷つく。


 僕が尊敬している人は昔、

 「自分より弱い人間と戦ってはいけないよ。」

 って教えてくれた。それは暴力だって。


 フィッツジェラルドも、すべての人間が

 お前のようなアドバンテージを持っているわけじゃ

 ないんだってことを忘れるなって言ってた。


 それはそうだ。ハハ。

 アドバンテージか。。やれやれ。


 強さを振り回してはいけない。

 それは暴力だ。


弱さにすがってもいけない。 それは甘えだ。 甘えは暴力よりもたちが悪い。 僕たちは砂漠のような所に生きているんだ。 そう、この町が地獄なんだ。 だから、痛がってはいけない。 それは、痛いのだ。 それは、とっても、痛いのだ。 分かり切っていることを、ぼやいてもしょうがない。 この激痛を背負って、それと共に歩くしか道はない。 そう、立ち止まっても、振り返ってもいけない。 君の後ろにあるものは、ただの虚無だ。 君が虚無を見た時には、 君はすでに虚無に食われている。 虚無に喰われた後には、 ひとかけらの祈りすら残りはしないだろう。 だから、前に進むんだ。 足をふみあげて 前に送り出して 踏み下ろすんだ。 このヌカルミに捉えられてはいけない。 足をふみあげて 前に送り出して 踏み下ろすんだ。 なぜ、進むかなんて考えてはいけない。 それは虚無だ。 どうやって進むかをかんがえるんだ。 そう。 もう。恐れはない。 もう、僕には恐れはない。 そこにあるものを壊しこじ開けてでも。 前に進んで行くのだ。