• 27 May
    • そして、池上線 34

      OB展での再会について、西崎があれこれ推理を展開。 なるほど、さすがと思わせるものがあった。 だが森島が放ったひと言 「たんなる偶然じゃないと思います」   そして、続きの言葉に ドンっと胸を揺さぶられた気がした。 「ずーっと思い続け。。。常に行動とかマークしてたのじゃないでしょうか」   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・   はっ まさかそんな。。。。だが、いやそういえば。。。   酔いの頭で混乱するなか、必死に記憶を呼び戻そうとした。 西崎が追い打ちをかける。「それアリかもね。何年ぶりやったん?」 「4年ぶり」 「ふーん」 だが、西崎は「はあ!?」と驚き「ちょ、ちょっとちょっと。えーと。。。」 何やら指折り数えていたが 「なんかオカシイやん」 「え、どこが」 「あたま整理するわね。まず彼女との最初の出会いは確か1986年?」 「えぇ」 「で、OB展が1990年」 「えぇ」 「それが4年ぶりの再会て、なんかおかしくない?」 「え、どこが?」 「いったい何年のお付き合いだったん?」 「いや、何年というより・・・3、4ヶ月ぐらいかな」 「んなぁ!。。。。」   西崎だけでなく、森島も狐につままれたような顔をしている。   「あ、あのね。最初から確認するわね。。。あミドリ、ワイン。。。。ん、ありがと」 西崎はグイっと一口呑み、   「まず図書館での出会いが9月。。。」   「えぇ」 「そっからたった3、4ヶ月て、そんじゃあ秋から冬だけのお付き合いてこと?」 「えぇ、卒論のとっかかりが9月、で完成が翌1月だったから。。。」 「あ、あのね。卒論のことなど訊いてへん」 「あ、いや卒論で通いつめた図書館の日々。。。」   カタンッ。西崎は音をたてワイングラスをテーブルに置いた。   「し、仕舞いに怒るわよ」 なぜか急に西崎は不機嫌になった。   「ですから、図書館に通いの日が。。。。」 「まさかお付き合いは図書館だけってこと?」 「いや、帰りの喫茶店とか、五反田までの山手線。それと代々木公園。。。月いちぐらいでピクニックの真似ごと」 「んなぁ。。。小学生どうしの交際じゃあるまいし」 「ですから。。。そのう。。。」   確かに。西崎の云う通りかも知れない。   「そのう。。。て何よ」 「代々木の初日」 「えぇ」 「せっかくのデート初日。。。人妻て知らされて・・・」 「でも。。。肩を抱き寄せ『好きです』て云ったんでしょ。。。。 あー。あのあと、未だ訊いてなかったわ、あれから、どーなったん?」   「静かに振りほどき、『ごめんなさい』てだけで。。。」   「そ、それだけ?」 「えぇ」   「それであとは、小学生どうしの・・・・」 「えぇまぁ」 「手をつないだだけ?」 「いやいや、全然。手をつなぐどころか、肩を並べ歩くだけで」   「うそッやん、それ」 「と、とんでもない。彼女と会話だけでも、なんか満たされて。。。」   「ミドリっ、あんたどう思う」 気づけば森島もワインで赤ら顔になっている。   「佐伯社長さんらしいと思います」 「あ、あんたね。。。。」 「先生、素敵だと思いませんか」 「ど、どこがやの」 「たった3ヶ月だけの淡いお付き合い。。。それを30年もの間、心の中に仕舞い込み。。。」   「うぐっ。。。」 西崎にも何か感じるものがあったのか黙り込んでしまった。   が   「最初の話に戻るけど」と顔を上げた。 「えぇ」 「OB展での再会。。。あなたその時、独りやった?」   ぐふッ。   こちら側に、胸を突き上げるものが走った。 それを訊かれると痛い。   「実はその時。。。今の女房が横に。。。」 「え、結婚してたん?」   「いえ式は翌年に。。。」 「彼女、高野さんとの再会はそれ以後。。。」 「えぇ、あれ以来パタリと」   「やはりね」 「え?」 「わからない?」 「えぇまぁ」   すると 「ミドリ。何が素敵なもんか。男てやっぱ鈍感やわ、よー見ときなさい」と言った。   すると森島までもが 「そうですね先生」と言った。     気のせいか、東京タワーの灯りが、霞んで見えた。        つづく     今更ながら、言うまでもありませんが、当シリーズはフィクションです。 従いまして、地名、名前 等はすべて架空のものです。万が一 同姓同名同社の方が居られましても、なんら関わりは御座いません。

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  • 26 May
    • 初モリゾー君

      昨日から、初お目見え。モリゾー本当の名前は知らない。夏から秋には腰高以上に成長。そしてなななんと、師走に赤く染まるまで道行く人々の眼を癒やして呉れます。

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  • 22 May
    • 今年の見納め、サクラ草

      通勤途中にあるサクラ草。2月の厳冬期から、健気に咲いて道行く人々の目を楽しませて呉れました。横長のプランター三つ四つあったのだけど、とうとうコレだけに。来年もお願いします。目を楽しませてください。あと二年。。

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  • 20 May
    • そして、池上線 33

      高野さんからのハガキを眺めていた時、   「店、探すの苦労したわー」 二人とも両手にレジ袋を下げ西崎と森島が戻ってきた。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・   あ、どうも。一瞬うろたえたものの、ま、良いかと、ハガキはそのままにした。 「いやー歩いた歩いた」 ちょっと台所を使わせてもらうね。と言いながら二人は買って来たものをシンクの上に並べ始めた。 「え、えぇどうぞ・・・・」 けど、いったい何ごと? いったい何が始まるのやらと、 起ち上がってみれば、なんと殺風景なはずの、我が台所は ワインやら洋酒にビール。ピザやらサバの缶詰、焼き鳥にギョウザ などなど満載に彩られていた。   「なんとまぁ。。。あ、グラスが。。皿とかも」全然足らない筈。。。。 すると   「ほら先生、言った通りですね」と森島が箱を取り出した。   なんと、食材類だけでなく、グラスや皿にキャンドル。。 おまけに、袋入りの氷、ミネラルウォーターなども準備万端。 見る見るうちに、至れり尽くせり的な光景が広がったのだった。               ※ 数時間前までの殺風景な仕事場は キャンドル灯りの、何とも幻想的な部屋へと変身。     オレンジに輝く東京タワーを眺めながらの酒と馳走。。。     おまけに美女・・・(西崎には疑問符がつくが)ふたりに囲まれ、 とつぜん訪れた夜会に、最初ためらいがあったものの、 堪能気分を味わっていた。 それは、”癒し”にも似、長年すっかり忘れていた感覚で、 心の底に溜りきった澱(おり)を溶かせるような 何ともまぁ心地いいものだった。 またそれは、先ほど馬渕からの報告書で受けたショックなど すっかり吹き飛ばすほどのものだった。   「本当にありがとうございます」 深々と頭を下げると 「なにゆうてるん。こっちこそ。。。。佐伯さん。。本当にごめん」 なぜか西崎も頭を下げた。 「は?」 「後悔してるの」 「え?。。。」 「貴方の初恋捜し。。。。」 「あ、いや全然。。。」 報告書に、軽いショックを受けたものの、まだ決まったわけじゃない。   「まだ不幸て決まったわけじゃない。それにたんなる中間報告ですから」 「けど。。。。」 「けど?」 「転々とした住所、挙句に今は実家。それだけで何やら物語ってる気がするの」   確かに。。。。 「いや、やはりそれだけじゃ決まったとは言えないと思う、何かワケがあったと」 自分に言い聞かせるように言うやグイっとグラスを空けた。 すかさず 森島がワインのボトルを差し出し傾ける。 「あどうも」 「その理由(ワケ)ってやつが問題なんだわさ。 ミドリ、私にも頂戴」とグラスを差し出し 「あーやっぱ。いやや、こんなの。本当にごめん」 西崎のそれは、鳴き声にも聞こえる喋り方だった。 「え、どうしたの」 「そもそもが間違い、ひと様の心に踏み込むべきじゃなかった。ごめん」 ん? 西崎にしては珍しい。 「それも、貴女の仕事ですから。仕方がない。それに。。。」 まだまだ確かめるべきが多すぎなのを思い出した。 ハガキを取り出し 「これ見て欲しいんだけど」と西崎に渡した。 「えぇん?」 「勿論」 酔いもあったのだろう、また西崎の泣き言に、何もかも洗いざらい喋ると決めていた。 西崎はメガネをかけるや読み始めた。 「へーどれどれ。。。。 『急に押しかけたOB展。本当にありがとうございました。またこの茶碗、大切にさせていただきます』茶碗の礼状やね。。。OB展。あ、陶芸部」 ハガキを裏返したり、確認していたが 「これが何か?」 「消印は1990年てあるでしょう」 「えぇまぁ。それが?」 「馬渕さんが言うには 旧姓に戻ったのは1989年らしい。 でもハガキには高野のまま」 「変といえば変。けど、ありうる話やね」 「え?」 「急に押しかけたとあるけど、展示会の案内は出してたん?」 「いや全然。まったくの予想外でそらぁビックリで」 「やはりね。。。。」 そのあと、西崎はさすがと思わせる推理を展開し始めた。 旧姓すなわち離婚あるいは死別後独身に戻った彼女、何らかの偶然で 展示会を知り、居ても立っても居られず押しかけての再会。 だが、やはり心配をかけまいと、高野姓のままで押し通し。。。て奴だね。   すると 「たんなる偶然じゃないと思います」 森島がポツリと言った。 「え」一同振り向く。 「ずーっと思い続け。。。常に行動とかマークしてたのじゃないでしょうか」               つづく             今更ながら、言うまでもありませんが、当シリーズはフィクションです。 従いまして、地名、名前 等はすべて架空のものです。万が一 同姓同名同社の方が居られましても、なんら関わりは御座いません。

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  • 13 May
    • そして、池上線 32

      馬渕事務所からの報告書、中間報告とはいえ、肝心の部分が黒塗りにされてあった。 報告書を読みたくて、すっ飛んで来た西崎とも代 「今から訊きに行く?」 の声に、一同腰を上げようとした時、突然森島が声を上げた。 「今 ライトアップしました、東京タワー」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「あ。いつ見ても感動モノやね」 西崎も一旦は上げた腰を下ろし、 「こんな時間、馬渕さんとこ、いきなり3人で押しかけるのも何やな」 と言った。彼女にしては珍しい。 いつの間にやら、すっかり外は夕景の空へと移っていた。 確かに。。。それに・・・・ そもそも、ライトアップされた東京タワー。彼女たちとの見物が本日の第一目的だったではないか。 “実家と思われる住所に、心当たりがある場合至急のご連絡を” 報告書、最後の部分を指しながら 「とりあえず電話してみる。丹後半島。高野さんに間違いない思う」 所長の馬渕はワンコールで出た。 (これはこれは佐伯さん)あい変わらず軽い声。 西崎は、電話が気になって仕方ない。と云うそぶりを見せていたが、 気を効かせたのだろう。 「ライトアップも感動モンやわ」森島を促し、窓側へと立った。 (佐伯さま、お待ち申し上げておりました) 「あ、どうも。。。。」 (で、京丹後市。。。) 馬渕の言いかけを遮り 「は、はい。間違いないです。実家に間違いない、思います。竹野と書いて”たかの”て読む。そう云う会話の記憶があります」 (なるほど。では旧姓の吉岡。。。) 「えぇ、それについては・・・実は旧姓については初耳なんです。でも高野さんだと。。」 (じゃあ、高野しおりこと旧姓吉岡しおり。ご本人さまと断定し、継続調査させていただきますがそれでよろしいですね) 「えぇ・・・それで今。彼女は旧姓に戻られ、住まいは京丹後市と云うことなのでしょうか」 (・・・・・・・・) 馬渕は、少しの沈黙のあと (一応。住民票ではそのように) 「じゃあお元気でいらっしゃるかどうか。。」 (佐伯さま) 「あ、はい」 (あくまでも中間報告ということをお忘れなく) 「えぇ。。。すみません」 (それに、これまでの調査は、あくまでも住民票だけの追跡なのです。 あ、ですが二、三都内についてはもちろん確認のため現地調査も致しました。ですが、他県や京丹後市につきましては、これからなのです。今一度確認しますが、継続調査の了承でいいですね) 「えぇ、お願いします」 (了解です) 「あ、あのう」 (はい?) 少しのためらいがあったが思い切って訊いてみた。 「彼女、高野さんが旧姓に戻られたのはいつなのでしょう?肝心な部分が黒塗りなので、今からお伺いしょうと決めていたんです。西崎先生たちと」 (え、今からですか) 西崎先生と呼ばれ、西崎が反応しソファーに戻った。 やはり、聞き耳を立てていたのだろう。 「えぇ馬渕さんの都合さえよければ今から」 すると馬渕は、しばし沈黙のあと (それはちょっと。。。。都合が。。。) そりゃあ、まぁそうだろう。仕方ない。 指でX印。西崎にサインを送る。 「わかりました。仕方ないです」 西崎はバッグから手帳とメガネを出し、何やらペンを走らせていたが 【ちょっとミドリと出てくる、すぐ戻るから待ってて】 メモを寄越すなり森島と出て行った。 え?と見送りながら 「あ、あのぅ馬渕さん、最初の質問ですが」 (は?) 「ですから彼女が、旧姓に戻ったのはいつ頃?」 (あぁ。。。失礼1989年です) !? 「え、間違いないですか」 (一応書類上は) なんと、あれから3年後に旧姓に戻ったことになる。 「ズバリ、訊きます。離婚だったのでしょうか」 またも長い沈黙のあと、ようやく馬渕の声。 (佐伯さま) 「あはい」 (そのあたりご本人さまの同意が必要に。。。) 「例の個人情報保護という奴ですね」 (えぇ。恐れ入ります)                     ※ すぐ戻るとメモを寄越しながら、ふたりとも帰ってきそうになかった。 引き出しの奥から高野さんから葉書を取り出した。 消印は薄ぼんやりだったが、1990年と読める。 だが、差出人の名前は、どう見ても”高野しおり”のままだった。 ガチャリとドアが開くなり 「店、探すの苦労したわー」 二人とも両手にレジ袋を下げ西崎と森島が戻ってきた。 今更ながら、言うまでもありませんが、当シリーズはフィクションです。 従いまして、地名、名前 等はすべて架空のものです。万が一 同姓同名同社の方が居られましても、なんら関わりは御座いません。          つづく

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  • 06 May
    • そして、池上線 31

      「どうしたん。急に黙って」 西崎の言葉にはッと顔を上げる。 直ぐには答えられず、No.7の住民票を見せぽつりと言った。 「今、ここらしい。多分彼女の実家。丹後半島。京都の。。。」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「へー丹後半島かぁ」 西崎は受け取った住民票を眺めていたが 「よければの話やけど・・・」 顔を上げた。 「え?」 「もしよければ、報告書の方も、見せて欲しいんだけど」 なんだ、そんなことか 「あぁ。どうぞ」 「ありがとう」 受け取るや西崎、さっそく声を出し読み始めた。 「えー手始めに、大学職員名簿をとっかかりに調査を始め。。。 大田区。。。ここ高級住宅街やね」 「えぇまぁ」 「あ、大学はどこやったん?」 「え、言ってなかったっけ。青葉山総合。。。」 「うわっ凄。偏差値高いんでしょ」 「いやあそれほど。。。 西崎にと云うより、森島に聞かせるように 「いやあ、当時はそれほどでも。附属からエスカレーター式で。。。」 まだ続きもあったのだが 「でさあ。それより」 西崎に遮られる。 「ん?」 「肝心な奴訊いてなかったわ。」 「え何を」 「彼女・・・高野さんの顔、いまいちイメージ湧かないんだわさ、 例えば女優でゆーたら誰に似てたん?」 さあ白状なさいよ、とでも云うように身を乗り出した。 西崎の横で、森島もランっと目を輝かせた。 大学の話より、そっちに興味があると云うのか。 とうとう来たかとビクんと胸が慄える。 しばし答えに詰まり、沈黙の時間が流れる。。。 回想録を書いてる途中、いつも考えていたコトだ。 森島碧の面影が重なり。。。 だからあえて書かずに、と云うより書けなかった。 「ナニ黙ってんよ」 「あ、いや。最近の女優では思いつかないなぁ」 できるものなら此処には触れてほしくない。。。。 「じゃあ昔の女優でゆーたら」 そう昔。。。高野さんを初めて見たときの印象・・・・ 「藤村志保。。。覚えてる?」 すると 「あぁ藤村志保。なんとなくミドリに似た女優さんやね」 西崎は森島の顔をジロジロ眺めながら言った。 胸がふたたび鳴る。 言われた森島は 「え。。。」と真っ赤にうつ向いた。 西崎は森島の肩を小突きながら 「ナニ照れてるん」と冷やかした。 だが西崎の関心はやはり報告書に。ひらひらと報告書を揺らしながら 「しかしこうもまぁ転々と。彼女の亭主、商社マン?」 「あ、いや。。。。大学の助教授。。。いや教授?」 「へー。じゃあ歳の離れた亭主だったんだ」 「えぇまぁ」 「あ。」 「え?」 「なんか見えてきた」 「何が?」 「歳の離れた亭主より、若いあなたに簡単に心を奪われ。。。」 「あ、違うッ。そんな単純な人じゃなかったです」 気付けば自分でも驚くほどに、声を荒げていた。 「あ、ごめんごめん」 西崎がしょげてうつ向いた。 「あ、いえ・・・・」 声を荒げるほど否定したものの、 やはりそう云う気持ち。。。というか 心の何処かに、スキがあったのかも知れない。 だからこそ、しがない当時のこの僕なんかと。。。。 「けど、やはり変ね」 「何が」 「最初、高級住宅地でそのあと下町に転々と。。。」 確かに。。。報告書の途中、心が重いのはそこにあった。 「けど肝心のとこが黒塗り。これじゃ分からないね。今から行く?」 「え?」 「馬渕事務所」 西崎は言ったあと、さあ。覚悟はどう?と云うように覗き込んだ。 「う、うんまぁ」 「どうせヒマなんでしょ今日」 確かに。。。 その時、電話の1本もかかって居ないのに気付いた。 パソコンも、メール受信を知らせる音も鳴らず、ひっそりと佇んでるままだった。 「その顔。決まりやね」 「えぇまあ」 じゃ、用意しますか。 「あ」 急に森島が声を上げた。 「え?」 「今 ライトアップしました、東京タワー」    つづく 今更ながら、言うまでもありませんが、当シリーズはフィクションです。 従いまして、地名、名前 等はすべて架空のものです。万が一 同姓同名同社の方が居られましても、なんら関わりは御座いません。

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  • 29 Apr
    • そして、池上線 30

      森島の携帯が振動した。 あ、先生からです。 「今、芝公園駅改札出たとこらしいです」 「な、なんとまぁ。。。。」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「ごめん、来ちゃった」 「やあ・・・ま、とりあえず中へ」 「お疲れさまです、先生」 「暑っ。汗かいたわ、ミドリこれ」 どうやら駆け足だったのか、夏のような汗を光らせている。 西崎は、脱いだジャケットを森島に渡すと、勝手知った私の仕事部屋。 すたすた進むや、どっこらしょと、ソファーに腰掛けた。 ハンカチをぱさぱさと扇ぎながら 「冷たいのなんかある?」と振り返った。 「あ、はい。。。。ウーロン茶など」 (あ、森島に出すの忘れてた。。。)                ※ あらためて、真向かいの西崎を眺め、ぷっと笑ってしまった。 「何よ」 「あ、いや失礼」 すっぴん顔は、まぁ良しとして問題は彼女の格好だ。 一応ジャケットを羽織って来てたものの、中身と云えば、あのよれよれジャージ。 そのくせ、さっき脱いだのは、たしか黒のハイヒール・・・・ 「よくもまぁ。その格好で。。。」 「やっぱこれ変?」 「あ、いやまぁ。。。別にぃ」 「何が別にぃよ、しっかしまぁ。居ても立っても居られない。て、こう云うことね、 書きかけの原稿、おっぽり出し、気ぃついたら駅に向かってたわ」 「それはそれは。。。」 そこまで気になるかぁ。彼女の好奇心の強さは、一種の感動ものだ。 「で、それ」 ひと息ついた西崎の視線が、テーブルの封筒を指した。 ふと見ると、森島の目も封筒に集中している。 何やら澄み切った表情で、妙な感動を覚える。 「じゃあオープンしますか」 わざと軽薄っぽい声を発し、ぐいっとふたりの前に差し出す。 ふたりの固唾を飲む音が聞こえる。 「ほんまにええの?」 「もちろん」 強がって見せたのは、たんなる中間報告だろうの軽い気持ちからだった。 開けると7通ほどの住民票の写しが入っていた。 厚みの正体はこれか・・・・ だが、住所や氏名欄すら、所どころ、黒塗りで消されてある。 「いきなり住民票て、もう探しあてたんとちゃう?」 西崎が身を乗り出した。 「まさか。。。」 まさかとは思いながら、なぜか急にドキドキし始めた。 中身を全部取り出すと、住民票の束に、1枚の報告書が挟まれてあった。 だが <中間報告>のスタンプが見えた。 「なんやまだ中間報告やて」 ウーロン茶を一口呑み、元気よく読み始めた。 『えー ・・・・・手始めに、大学職員名簿をとっかかりに調査を始めました。。。。 。。。。。。。。。。。。。。。』 だが途中、徐々に声が小さくなり しまいにはとうとう黙り込み、眼だけで報告書を追うことになった。 文面の最後は、 。。。。ですから、別添の写しNo.7。 旧姓吉岡しおり氏、実家と思われる住所に、心当たりがある場合には、至急のご連絡をお待ち致します。 と締められていた。 住民票の写しには、1から7までの番号が振られてあった。 No1の東京都大田区から始まり、都内を2、3転々としたあと、他県へ。 そして最後のNo.7は 京都府京丹後市丹後町竹野で終わってあった。 ・・・・・・・・・・・・・・・・ (竹野と書いて”たかの”て読むんよ、知らないでしょ) 何かの拍子に、高野さんの口から出た言葉を想い出した。おそらく本人に間違いないのだろう。 しかしまぁ、こんなにも。。。住民票の束を眺めた。 あれから、こんなにも転々とするほど、苦労を重ねたと云うのか。一体、何があったのだろう。 そして。。。 そして今は実家だと云うのか。 話で聞いただけの丹後半島を思い浮かべようとした。 だがしかし、映像としてはすぐには、浮かんでこない。 何しろ30年も前、ちらりと聞いただけの話。 「どうしたん。急に黙って」西崎の言葉にはッと顔を上げる。「え、あ。うん」心配顔で見つめる森島と目が合った。 直ぐには答えられず、No.7の住民票を見せぽつりと言った。 「今、ここらしい。多分彼女の実家。丹後半島。京都の。。。」 今更ながら、言うまでもありませんが、当シリーズはフィクションです。 従いまして、地名、名前 等はすべて架空のものです。万が一 同姓同名同社の方が居られましても、なんら関わりは御座いません。         つづく

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  • 22 Apr
    • そして、池上線 29

      「西崎、こっち来れないかなぁ。」 馬渕探偵事務所からの報告を、西崎も呼んで一緒に見ないか。 森島に提案すると 「うわーそれ。最高」 はしゃぐように言うや、携帯を取り出した。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー だが、 何度か掛け直していたが 「ずっと『電話に出れません』のメッセージのままです」 あれ?おかしいですと、首をかしげながら振り向いた。 「テレビ局では?」 西崎は、ズバズバ本音を云う辛口キャラとして、ここのところ人気も急上昇。 あちこちの局からコメンティーターとして重宝がられていた。 「いえ、今日はずっと事務所のはずなんです・・・・あ、先輩に訊いて見ます」 と携帯を取り出した。 ! 「先輩?」 「えぇ・・・」 「もしや上田かずみ。。。。さん?」 「えぇそうですが」 「ほー、彼女まだ西崎事務所のままに居たの?」 上田かずみも数年前に、文壇界デビューを果たし、今や売れっ子作家のひとりだ。 「上田さんだけじゃなく・・・・」 森島は2、3人の名前を挙げた。いずれもそれなりのベテランの域。 と云うより、西崎よりはるか歳上の新人作家も居る。 とうの昔に独立したと、決め込んでいた作家たちだ。 「え、えッ!?」 「それが何か?」 「てっきり貴女だけかと」 「えぇ、住み込みは私だけ。先輩らは通い弟子のまま・・・」 「なんとまぁ。ナゼまた?」 「先生が離したがらないんです」 !? 「いまだに弟子可愛いがり。。。てやつか?」 面倒見の良さ・・・・確かに西崎にはある。がなぜそうまで。。 「いえ、彼女らの世代・・・て云うかそれぞれの年代が持つ独特の感性を手放したくないんです」 「感性?」 「いつか私におっしゃってました。同世代40代の気持ちはわかるけど、 50代、30代、20代の感性。これが永遠の謎。異世代からの目線をいかに再現するか、これが永遠の課題。。。なんだと」 「そのうち全世代のスカウトも?」 冗談のつもりだったが 「えぇそれが理想とおっしゃってました」 「なんとまぁ・・・・」 初耳だった。そこまで、こだわっての執筆だったとは。 「ですから。。。」 「は、はい」 「今回、先生を助けてくださって、本当にありがとうございます」 森島は改まった表情で、深々とお辞儀した。 「いやいや、礼には及びませんよ」 「いえ、先生の場合 とことんの追求が激しくて、ずーとスランプだったんです。男性目線など 知ってるようで、やはり全然ダメと、かなり落ち込んでいたんです」 「・・・・・・・・・・・・・・・」 「ですから、今回の その時、森島の携帯が振動した。 「あ、先生からです。」 「どうぞどうぞ」 手で合図するや、しばらく話し込んでいたがにっこりと微笑むや振り向いた。 「今、芝公園駅改札出たとこらしいです」 「な、なんとまぁ。。。。」 今更ながら、言うまでもありませんが、当シリーズはフィクションです。 従いまして、地名、名前 等はすべて架空のものです。万が一 同姓同名同社の方が居られましても、なんら関わりは御座いません。                          つづく

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  • 15 Apr
    • そして、池上線 28

      「これて、逆も真なりですよね」 「ほーう。例えば?」 「どえらい時を過ぎたなら、やがては幸福が。。。て」 きっぱり言い切るや、涙で光った瞳で私を見つめた。 あ。この瞳。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 西崎とも代の代理。。。あ、いや馬渕探偵事務所、所長の代理でやってきた森島碧。 こちらの挨拶を途中で遮り、部屋に上がりこむなりズカズカと窓側へ。 え!? 所詮、彼女もただの現代っ子か。ま、仕方ないか・・・・・ が、それは あの祖母に、一刻も早く真正面から見据える東京タワーを見せてやりたくての衝動。 さらに・・・・ 祖母の写真を挟み込んでいた単行本(ミモザの祈り) 【じゃが、順調なときほど、どえらい事が起こる】 退職日ぎりぎりに決定させた私のコピー案。今や版元こそ違えど、我が子も同然な愛着本。 大事そうに抱えてくれ、なんと帯のキャッチコピーが決めてとなって買ったという。。。 「逆も真なりですよね。。。」 単なる偶然なのだろうが、彼女との運命を自覚せずには居られない瞬間でもあった。 潤んだ瞳で私を見つめ返した森島碧。 その瞳もまた、高野しおりの面影と重なりあい。。。。 ドギマギする俺を試すべく、逸らそうとせず、じっと見つめ続ける森島。 え・・・・ たしか森島は、今年二十歳。いつもはラフな格好なのに、やけに大人びたスーツを着込んでいる。 だがひとり息子と同世代、いわば子供も同然の子娘じゃないか。 さっきからなに意識してるんだ俺。 森島からの視線を振り払うように 「あ、冷たいものでも飲む?」 ソファーにどうぞと、目をやった。 すると 「あ、お構いもしませんで・・・・」 !? 「は、はは。それ言うなら、どうぞお構いなく・・・」 「うわー。そ、そうですよね。めちゃ恥ずかしい。」 真っ赤に顔を染めながらソファーに座った。 なんだまだ子供じゃないか。。。なぜだか、ふっと心が軽くなった気がした。                  * 「では、馬渕さんからの」 伝言ですと、封筒をテーブルに置いた。 「え、けっこう分厚いですね」 たんなる中間報告だとばかり思っており、分厚い封筒は少し意外だった。 どうもと、手にすると 「じゃあ私はこれで」 と、いきなり起ち上がろうとした。 え!もう? (ナニ期待してたんだ) 「あ、あのぅ。」 「は?」 「あ、いえ。ほかに馬渕さんからの伝言とかコトづてとかは?」 (伝言もコトづて、同じ意味、ナニ焦ってる) すると起ち上りの腰を落としながら 「いえ何も。ただこれをお渡しするように。とのことだったものですから」 確かに。。。 一応は、ぎっしり詰まったであろう個人情報。元事務所の職員とは言え今や第三者。 封筒の中身について、あれこれ知り得るコトも、権利もない。 そりゃあそうだわな。封筒を持ったまま、黙っていると 「ただ。。。。」 「えぇ」 「先生。。」 「西崎?」 「はい、西崎先生。一刻も早く中身を知りたくて、うずうずしてました」 言ったあと、森島は何かを思い出したのか満面の笑顔を向けた。 だろうな。 そもそも今回の初恋捜しは、西崎の案件というか差し金。 それが無ければ、探偵など・・・思いも寄らなかった筈。 「じつは玄関の外で待機してたりして?」 すると 「え。なぜわかるのですか」 森島は目を丸くした。 「ええ!!ほ、本当ですか」 すると 「あはは、んなワケないじゃないですか」 「あー!まさか、大人をからかうか」 怒りのフリをしながらも、ナゼか心地いい森島との会話に愉しんでいる自分が居た。 一方で、封筒の中身。 一刻も早く その中身を確かめたい気持ちも、沸々と湧き上がるのだった。 ふいに 「え。駅は芝公園ですか。うわーめっちゃ近いんでしょ。東京タワー」 たしか初対面の日、彼女が発した言葉が走った。 夜のライトアップもそれはそれは見事なもの・・・・ 彼女らとの見物もオツなものに違いない。 「西崎、こっち来れないかなぁ。一緒に封筒を開けて見ましょうよ」「え!」「あ、いえね。せっかくだから都合ついたの話だけどこっち呼んで。。。。」「ほんまですか」満面の顔で覗き込んだ。「もちろん」 「うわーそれ。最高」 はしゃぐように言うや、森島は携帯を取り出した。 今更ながら、言うまでもありませんが、当シリーズはフィクションです。 従いまして、地名、名前 等はすべて架空のものです。万が一 同姓同名同社の方が居られましても、なんら関わりは御座いません。 つづく

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  • 12 Apr
    • アメブロを早く引越したい理由

      しかしまぁ。スマホで読もうと思うなら、イライラとの格闘を覚悟せねばならない。アチコチ広告リンクを網の目のごとく張り巡らせ、続きをタップのつもりが、プラセンタ美容化粧水ページに。おい、拙者還暦を遠に過ぎたジジィやぞ!

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  • 08 Apr
    • そして、池上線 27

      「ぜ~んぜん。あ、それよりミドリ、そっちに向かわせたから」 「は!?」 「彼女の消息らしきもの、なにか確認したいことがあるそうなの」 「え、なぜ彼女が」 「馬渕事務所からの電話、あなたの携帯に通じないらしいけど、まさか拒否してない?」 「あ!」 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 慌てて壁時計に目をやると、2時の針は回っていた。 1時半すぎに西崎事務所を出たというから、ふつうなら2時半すぎには着く。 ち、もっと早よ言え。と毒づく。 ふと散乱したままの応接テーブルが目に入る。 あちゃー。よりによってこんな時。 うわ、ジャージのまま・・・・ ま、これは良いか。西崎事務所を訪ねたとき よれよれのジャージ姿で西崎が現れたのを思い出す。 あ。コーヒ豆、切れかかっていたのでは?。 いや若い森島には冷たいのが良い? あ、ウーロン茶も空だったのでは・・・・ 慌てて冷蔵庫を開けると、飲みかけのミネラルウォーターだけがぽつんと寂しく。 仕方ない。表通り、国道沿いの自販機。 ん!?こ、小銭は? あ。そ、それより何より、 黒の、さ、財布。。。。いったい、どこいったぁ~~!? ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ エレベーターに乗り込みながら、妙にうろたえてる自分が可笑しかった。 何を慌ててる。俺。 森島碧・・・・ 彼女ともおおよそ2週間ぶりの再会。心のどこかに、彼女のことが常にあった。 なぜにまた? 春爛漫の洗足池公園。満開の下で共に弁当を広げたこと。 とつぜん彼女が泣きだしたことも要因のひとつだろう。 だが、それより何より、あの文学的才能。 強烈な過去が下敷きとは云え、あの才能は只者ではない。 おそらく西崎とも代、いや森島碧。本人すら気づいていないのでは。 しかしなぜこうも、胸が騒ぐ・・・・・・・・。                 ※ 「あの時はとつぜん申し訳ございませんでした」 きっちり2時半にやって着た森島は2週間前の詫びから口を開いた。 だが、 「あ、いやいや全然気になど・・・・・ 言いかけを遮るや 「うわー先生の言ってた通りです。す、すごいです」 「は?」 「東京タワーが真正面!」 「あぁタワー。。。。」 お邪魔します。と入るなり 「少し良いですか」 と元気よく、窓側に立った。 やはり。。。森島もただの現代っ子。 遠慮とかの意識はあんまり薄いのかも。ま、仕方ないね。 ややがっかりしながら横に立った。 森島はしばらくバッグをゴソゴソさせ、単行本を取り出したかと思うと さらに間に挟んでいた写真を取り出した。 おもむろに窓側に向けるや 「婆っちゃん、東京タワー。見える?」と静かに呟いた。 ! そういうことか・・・・。 彼女はしばらく、祈りにも似たその姿勢のままいたが ようやく「どうもすみませんでした」と顔を上げた。 「婆っちゃんの憧れだったんです。東京タワー。。。けれど、とうとう一度も見ないうち。。。」 と、ハンカチで涙を拭いながら言った。 「え、えぇ。。。」 唯一 庇ってくれたあの祖母ですね。思わず言いかけ、慌てて飲み込んだ。 ふと彼女が小脇に挟んでいた単行本に目が行った。 「あ、ミモザの祈り。。。。」 文芸新春、退職まぎわ、最後の編集に関わった記念すべき本。 帯のキャッチコピーで著者の寺島氏と言い合いになったが、 最終的には私の案が採用になったのだ。 そうかようやく出版なのか。 しげしげと見ていると 「これ、帯のコピーに吊られて買っちゃいました」 「え?」 「【じゃが、順調なときほど、どえらい事が起こる】これて、逆も真なりですよね」 「ほーう。例えば?」 「どえらい時を過ぎたなら、やがては幸福が。。。て」 きっぱり言うや、涙で光った瞳で私を見つめた。 あ。この瞳。 どぎまぎしながらも、私は高野しおりの面影をそっと重ねていた。 つづく 今更ながら、言うまでもありませんが、当シリーズはフィクションです。 従いまして、地名、名前 等はすべて架空のものです。万が一 同姓同名同社の方が居られましても、なんら関わりは御座いません。

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  • 01 Apr
    • そして、池上線 26

      その日は、そこいらの女優にも引けを取らない完璧メークだった。 なぜかその顔が、より寂しく、哀しげにも感じられた。 「佐伯くん」 「は、はい」 「私、キミより一回りも歳上。結婚5年目なの」 「は、はあ!?」 ――――――――――――――――――――――――――――――― 残暑の厳しい陽をさえぎる樹々の葉っぱが心地いい影を作り 公園すべての緑を運ぶ風が、ときおり吹き抜けた。 山手線 車窓からいつも見ていただけの明治神宮や代々木の杜は やはり、この上なく素敵だった。 都会のど真ん中とは思えない、静寂の薫りは最高だった。 「私、キミより一回りも歳上。結婚5年目なの」 「は、はあ!?」 高野さんが発した、その言葉が持つ意味をさいしょ理解できなかった。 さんまのドラマの話の続き? 池上線の詞の話題?それとも・・・・ あ、悪い冗談か。 「またぁ。悪い冗談など。今日の高野さん、なんか変ですよ」 「冗談なら・・・・・」 そう言って黙り込み 「この私も嬉しいてなるんだろなぁ。きっと・・・」 そう言うや、高野さんは観察するかのごとく僕の顔を覗き込んだ。 代々木の空は悲しいほどの青色が広がっていた。 遠く芝生の広場では小さな子供連れの家族が寝ころび 噴水のある場所では、なんと水遊びの幼児らの歓声が聞こえた。 高野さんの、ふわり化粧の香りが漂った。 いつもの素顔、少しそばかす混じりの顔だと、女学生の雰囲気があり すっかり同年輩と決めつけていたのだが、 それは単なる思い込みだというのか。 まじまじと化粧顔の高野さんを見つめ返した。 化粧の顔は、やはり高野さんには似合わない。 というか、歳上を感じさせるには充分な、なぜか悲しさと、哀れさがこみ上げた。 いつもの素顔が、高野さんには似合う。 ひと回り。。。。てコトは 32歳!? だからだからそれが、何だって云うのか。 すると「そんなに見ないで」 照れたようにうつむき加減に顔を隠し、細い肩を震わせた。 その仕草が、なぜか胸を打った。 やはり好きだ。可愛いひと・・・・・ だが、 結婚5年目なの・・・・・・ このひと言が、強烈にしかも深い悲しみが襲い絶望の淵へと閉じ込めた。 どう話を繋げば良いのか迷い、ふたりとも黙ったままの時間が流れた。 しばらくして高野さんは さっと、僕の腕を掴んだ。あ。え! 「だからさ、私。そういうことなの。」 「そういうことて、どういうことな」 やや乱暴な言い方で返した。 高野さんは意を決したかの表情で きっと僕を見つめ 「ごめん、そう云うことでキミとは深いお付き合いできないの、 あ、でも図書館ではいつも通り。お願いね」 と言った。 とっさに僕の腕を掴む手を、強く握り返し、もう片方の手で高野さんを抱き寄せた。 高野さんは小さく「あ」と叫んだ。 かまうものかと、抱き寄せた腕に力を込め、 「好きです」 とだけ言った。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー パソコンのモニターに向かって、そこまでの回想を打ち込んでる時、 西崎からの携帯が鳴った。 「へー大学んとき、陶芸部やったん?。初めて知ったわ」 相変わらず唐突だ。 ち。と舌打ちながら 「前に言わなかったっけ」 「ぜ~んぜん。あ、それよりミドリ、そっちに向かわせたから」 「は!?」 「彼女の消息らしきもの、なにか確認したいことがあるそうなの」 「え、なぜ彼女が」 森島碧・・・・なぜか胸がきゅんとなった。 (ナニ考えてんだ俺) 「馬渕事務所からの電話、あなたの携帯に通じないらしいけど、まさか拒否してない?」 「あ!」 0120ではじまる番号拒否をしたままだったのを、 その時、ようやく気付いたのだった。 つづく 今更ながら、言うまでもありませんが、当シリーズはフィクションです。 従いまして、地名、名前 等はすべて架空のものです。万が一 同姓同名同社の方が居られましても、なんら関わりは御座いません。

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  • 25 Mar
    • 忘れた頃に 風見兄的小笑い話

      本日のお題【去る者は追わず】荒れる国会中継を観ててこう裏切りをあっては、こんな心境なのだろう。。と、なぜか籠池氏の心境を慮った(おもんぱかった)それがしなのであります。去る者 追わず。。。。。ん!さるもの・・・・・さる物サル物猿モノ おわずオワズ負わず!あ、行ける!!と 相成り候で ござった。あは猿もの 負わず

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    • そして、池上線 25

      高野さんは、眩しそうに目を細め、車窓を眺めていた。 独り言のような喋り方だった。 だから思わず 「良いんですか」 確かめるように訊いた。 高野さんは車窓を眺めたまま、少しの沈黙があった。 「弁当でも作ろうか」 小鳥のさえずりに聴こえた気がした。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 山手線、原宿駅・・・・・・・ 今も、もちろんそうだが、30年前の当時から、 すでに最先端のファッションを扱うショップがひしめき合い、 休日ともなれば、都内。。いや全国各地から若者たちが押し寄せる憧れの街。 山手線車内は、そういう少年や少女たちの熱気があふれ返っていた。 季節・・・・・そう、たしか9月だというのに真夏を思わせる日々が続いていた。 少女たちの波に押し流されるように、ホームに降りたった。 まばゆい陽光が、ホームに容赦なく射し込んでいた。 (まさか彼女らも代々木公園?) もしそうならば、ややうんざり・・・一抹の不安も一瞬で消える。 彼女らの大波は改札竹下口へと向かい、 高野さんとの待ち合わせ場所。表参道口へは、人もまばらだった。 時計を何度も気にしながらうしろを振り返ったりした。 人を待たせるのが嫌で、約束の時間より、早めの到着。だけど すでに高野さんは待っていた。 すっかりいつもの印象とは別人で、原宿に溶け込むような鮮やかな色のシャツ。 細身のジーンズ。そして特に印象的だったのが、粋な花柄の大きい帽子。 コットンの大きいバッグにはおそらく手作り弁当? 初めて降り立った原宿駅。 都会とは思えない、木造の古臭い味が醸し出す、なんとも言えない魅力が満載。 なにもかもが素敵だ。 人生て悪くないものだ。矢でも鉄砲でも持って来いや。 暑さも忘れ、まばゆい青春の1ページが開く瞬間でもあった。 あの衝撃的な告白を受けるまでは・・・・・ 「とうとう終わっちゃった」 「え」 「さんまの男女7人物語」 「あぁあれ。連れに聞いたけど、かなり良かったらしいですね」 木陰のベンチで何やかんや盛り上がっていた。 「高山厳の、池上線。あれも結構良かったです」 すると高野さんは嬉しそうに目を細め 「でしょう」とはしゃいだ声を出した。 けれど、急に沈んだ表情になった。 「あれて不倫の歌なの、私らも・・・・かな」 「はぁ!?」 いつもは、まったくのノーメークな高野さん。 その日は、そこいらの女優にも引けを取らない完璧メークだった。 なぜかその顔が、より寂しく、哀しげにも感じられた。 「佐伯くん」 「は、はい」 「私、キミより一回りも歳上。結婚5年目なの」 「は、はあ!?」 今更ながら、言うまでもありませんが、当シリーズはフィクションです。 従いまして、地名、名前 等はすべて架空のものです。万が一 同姓同名同社の方が居られましても、なんら関わりは御座いません。 つづく

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  • 18 Mar
    • そして、池上線 24

      そのあとしばらくは写真談義に花が咲いていたが、急に社長は立ち上がった。 内線電話を呼び出すや 「あ坂井君、さっきのは取り消し。佐伯社長んとこ優先。。。 うんそう、風の系譜社さん。いい?必ずだよ」 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 「え、松浦社長。今のは、もしかして。。。」 8割ほどの期待を込め、おそるおそる訊いてみた・・・・ 「ええ、佐伯社長。ご希望の納期なんとか、しましょう」 「本当ですか」 「あぁ」 いかにも職人あがり、頑固一徹を絵に描いたような松浦社長。 この社長の言葉に二言はないだろう。 「あ、ありがとうございます。このたびの無理な依頼。本当に助かります」 背中に電流が走ったかのごとく、思わず起ち上がった。 そして深々と、長いあいだ、お辞儀を続けたのだった。 従業員10名足らずの松浦印刷所。取り引きは初めてだった。 出版3作目となる[有田焼、その魅力と歴史] 「松浦じゃなければ出稿はお断りします」 執筆者、田中慎一芸術大学教授による強い希望だったのだが、 葛飾区下町。バラック小屋風の社屋。 最初みた時など軽いめまいを感じたものだ。 (田中教授の言う印刷所、こことは別ではないか) だが、美術全集を得意とする印刷所。 その印刷物をみた時、考えは一変した。 細部や、中間色に至るすべての再現性が抜群。 聞けば大手印刷所の下請けがほとんどだと言う。 逆にいえば、大手印刷の請負だけで、印刷工程表はぎっしり。 零細出版社の小さな部数仕事など、入り込む余地はなかったのだった。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー まさかの奇跡をもたらした、代々木公園。 学生時代、寮のある田町から、高田馬場にある大学へと通う山手線。 その車窓から、ぼんやり眺めるだけの憧れの風景に過ぎなかった。 「高山厳が唄う池上線てニセモノですか」 「はぁ!?何それ」 レコード屋の翌日、勇気を出し高野さんに話しかけたのだった。 今思えば、なんと間抜けな質問。 でもそれがきっかけにもなり、すっかり親しい仲となったのだった。 ある日、ふたりで帰りの山手線。明治神宮の森を眺めながら 「この景色好きです。都会とは思えない緑」 何気なく、つぶやいた時だった。 「横の代々木公園、これがまた良いんだわ」 高野さんは微笑みながら言った。 「へーまだ行ったことないんです」 「こんど行こうか」 「え」 高野さんは、眩しそうに目を細め、車窓を眺めていた。 独り言のような喋り方だった。 だから思わず 「良いんですか」 確かめるように訊いた。 高野さんは車窓を眺めたまま、少しの沈黙があった。 「弁当でも作ろうか」 小鳥のさえずりに聴こえた気がした。 今更ながら、言うまでもありませんが、当シリーズはフィクションです。 従いまして、地名、名前 等はすべて架空のものです。万が一 同姓同名同社の方が居られましても、なんら関わりは御座いません。 つづく

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  • 11 Mar
    • そして、池上線 23

      風景写真のカレンダー。もちろん珍しくも何ともなく、むしろ写真のないカレンダーを探す方が苦労するだろう。 だが、代々木公園の写真となれば話はべつだ。 あるようで、無かった代々木公園のカレンダー。 社長はまだ戻って来そうにもない。おもむろに起ち上り、近寄ってみた。 まちがいなく、代々木・・・・ ん?と、次々にめくってみた。 次の9、10月には初秋 11、12月には晩秋から冬へ 紛れもなく、見事な代々木公園。 その季節の移ろいを捉えた写真だった。 あの時 あの場所 あの風 あの雨 ふたりで寝転がった芝生 ふたりで踏みしめた落ち葉 高野さんの肩、腕、笑顔、泣き顔。。。。 ああ、すべてが愛おしい・・・・ すべてが、なつかしい。 しかし何でまた・・・・ 写真の下、ごまツブほどの文字がある。よく見ると、絞りとかシャッタースピードとかの写真データ数字だった。 軽いノックにつづき「おまたせ」社長が戻ってきた。 「ん、おやおや納期の確認ですかな?」 カレンダーに手をかけ、うな垂れたままの私を見て社長が笑った。 「あ、いえ。見事な写真に見とれてました」 恥ずかしさをゴマかすため、とっさに出たが、真実の言葉だ。 「ほー。例えば?」 「まず、代々木公園をモチーフに選んだところ。知名度がありすぎ、 それが災いしてか、プライドの高い写真家はモチーフにしたがらないんですよね。写真展とか好きで よく出かけましたが、過去一度もありませんでした。それに。。。」 「うん、それに?」 社長は身を乗り出した。 「こう芸術性豊かに代々木を捉えてくれた写真、初めて見ました。この公園が持つ本当の良さを余すところなく、伝えてくれている」 眼を閉じれば  濃厚な葉っぱの風、芝生絨毯の薫り、枯れ葉の音。。。 あざやかに、蘇るにちがいない・・・。 すると 「いやぁ、お恥ずかしい・・・」 「はあ!?」 「撮影に、3年かかりました。春、夏、秋、冬。四季を捉えるの、1年じゃ無理なんですね」 「なるほど」 「佐伯さんも写真を?」 「いえ私は陶芸。。。けど、陶芸部の横が写真部だったんです。 今思い出せば、なぜか写真部の部屋に居た方が長かったです」 「それはそれは」 そのあとしばらくは写真談義に花が咲いていたが、急に社長は立ち上がった。 内線電話を呼び出すや 「あ坂井君、さっきのは取り消し。佐伯社長んとこ優先。。。 うんそう、風の系譜社さん。いい?必ずだよ」 今更ながら、言うまでもありませんが、当シリーズはフィクションです。 従いまして、地名、名前 等はすべて架空のものです。万が一 同姓同名同社の方が居られましても、なんら関わりは御座いません。 つづく

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  • 04 Mar
    • そして、池上線 22

      西崎とも代からの電話は、いつも唐突で、何かと騒動モノだ。 それもようやく慣れた頃に独立をし、彼女との縁もついに終わりだな。 ふと脳裏をかすった時に、今回の思いもよらぬ初恋さがしの仕事。 独立し二年目、ようやく出版社運営に慣れたとはいえ、 何かと小さいトラブル発生。印刷所に通い詰める日々が続き、 印刷所の社長と打ち合わせの最中だった。 「あのさあ、確認なんだけど」 「すまない、あとから掛け直すから」 「あ、ゴメン。けど5秒で終わるから」 ちらりと社長を振り返ると、工程表を眺めたまま肩を落としていた。 「じゃ、何?」 「すでにCDになってたんちゃう?」 「はぁ!?」 「ほら、こないだ届いたつづきのメール、池上線の。レコードて書いてたでしょ」 「あぁ、あれ。。。。」 社長を振り返ると、眼があった。 どうぞどうぞと、携帯のつづきと、言わんばかりに手を振ってくれた。 すんませんと、頭を下げ携帯を持ち変えた。 「いや、間違いなくレコードだったと」 「間違いない?」 「えぇ。」 そんなコトどうでも。。。と思いながらも、 いかにも彼女らしいコダワリだとあきらめた。 「それと、もうひとつ訊いてよい?」 「今、打ち合わせ中なので。。。」 社長は工程表と睨みっこしながら、少しイラついた表情を見せた。 「あのさぁ、ミドリに馬渕さんから電話あったみたいやけど、そっちも行ってない?」 「えっ。いやこっちには何も・・・」 「ふーん。なら良いの。じゃあ」 それだけ云うや、一方的に携帯が切れた。 5秒どころか、なんやかんや5分は経過していた。 「ちょっと、トイレ行って来ます」 少しイラついた表情で社長は席を外した。 すみませんと、頭を下げ携帯を見つめた。 馬渕探偵から電話。。。何らかの手がかりが見つかったのだろうか。 印刷所、会議室の壁のカレンダーを眺めた。 そう云えば、依頼してから、そろそろ2週間。 約束の中間報告の期限なんだろうな。 カレンダーを眺め、日付から視線をずらせた時だった。 思わず、あッと声を上げた。 彼女との一番の思い出場所。。。 まぎれもなく 代々木公園の風景がそこにあった。今更ながら、言うまでもありませんが、当シリーズはフィクションです。従いまして、地名、名前 等はすべて架空のものです。万が一同姓同名同社の方が居られましても、なんら関わりは御座いません。 つづく

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  • 01 Mar
    • 私を構成する成分は・・・

       ▼私を構成する成分は・・・いやはや、Fire TV Stick に、はまってる。仕事上でIT関係のブログ訪問先で偶然に眼にし、モノは試しと手に入れ。テレビに差し込むだけで  youtubeや、映画が愉しめるのであ〜る。前前から気になっていた  百円の恋、鍵泥棒のメソッド、ツレがうつになりまして。を月、火、水。と連夜の鑑賞会。ちなみに、amazonのプライム会員なら無料なのであるのは、云うまでもない。今夜は、クローズあたりを狙ってるのだが外国映画も悪くないな。と思案中。あは。 Fire TV Stick 音声認識リモコン付属6,480円Amazon<img width="400" src="https

  • 25 Feb
    • そして、池上線 21

      『たまちぃ、たまち。』 少し間延びの、車掌の声を聞きながら、いつもの反対側、西口に向かおうと決めた。 当時、Mと共同暮らしの学生寮は山手線、田町駅の東側。 運河、埠頭がすぐ迫る倉庫街へと向かう場所にあり、 レコード店はおろか、当時コンビニの一軒もなく、暮らすには少々不便。 実に殺風景な街だった。 西口を出るとすぐに、センタービル。遅くまで営業しているレコード店がある。 「池上線、これですね」 店員から差し出されたレコード。確かに(池上線)の曲名がある。 だが、高野さんが言っていた女性歌手じゃなく、高山厳と云う男性歌手だった。 「あ、いえ。違うと思いますが。。。」 「いえ、池上線ならこれだと思うのですが」 「発売は10年ほど前、女性の歌手だと。。。」 「え、10年前・・・・」 ニキビ顔のあどけなさの残る若い店員は、繁々とレコードを見ながら 「これ1984年。。。違いますね」と言った。 「あ、歌手の名前は?そっつから探してみんまっせ」 !? 「それが。。。。」 歌手名は聞いてなかった。 (そうだ明日、高野さんに確かめてみよう) これでまた図書館で話せる・・・・ 口実が出来たことに、すっかり満足し店を出たのだった。 それにしても。。。。 (そっつから探してみんまっせ・・・・) 東北弁? ニキビツラの赤いほっぺ、必死で探してくれた若い店員にも 印象に残る夜だった。 (そっつから探してみんまっせ) ん。なんか良いんでねえか。 女性。。。。 決して怖くなんかあるものか。あってたまるか。 うん。 何かしら、胸の奥からしみじみと、温かいものが 湧き出るのを感じていた。 それは遠い昔の、実に幸せだった頃の記憶。 怖いものなど、何も無かった頃。 人生て、まんざらじゃ無いのかも。 うん。そうに違いない。 夜空に向かって  女性なんか怖くないぞー。 心の中で叫んだ。 女性など、怖くないぞー。気づけば何度も繰り返していた。今更ながら、言うまでもありませんが、当シリーズはフィクションです。従いまして、地名、名前 等はすべて架空のものです。万が一同姓同名同社の方が居られましても、なんら関わりは御座いません。つづく

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  • 18 Feb
    • 「そして、池上線」連載20回記念!そして、池上線のあれやこれや

      IPODから流れる お気に入りを聴きながら、 あ この歌を題材に、ひとつ物語りが書けるのでは?  て、ひらめいた。 だがナァ とも思う。  あまりにも 直球勝負の題材なのだ。  歌の世界で、すでに物語りとして完結してしまっている。 おそらく不倫をテーマ(男の方に家族)な歌。 一途な女性の、哀しくも美しい愛の物語り。  いまさらナァ。とも思う。  この手の世界など かなり使い廻しされ、かび臭いのでは? 聞き飽き、いまさらナァ。  だが 一方で、 だからこそ古今東西、男女の普遍的な愛物語りを、今一度見直し、掘り起こすのもアリ。ではないか、とも思う。 切り口により、全く新しい物語りが、生まれそうな気もする。自信ないけど。  う~ん なのである。  歌の題名 そっくりそのまま、小説の題名に ピッタリなのである。  ちなみに 歌の題名は  (池上線) つい昨日の様に思いますが、上を投稿したのは、 昨年2016年、1月15日。 あーでもない、こーでもない。と悩みつづけ、 ようやく昨年5月にスタート。 なんと先週、無事に連載20回を数えました。 その記念に(というか、自分でも混乱がちなので、おさらいの意味から) 主な登場人物と、前回までのあらすじ。 ・佐伯勇次(50)  元文芸新春社、編集部部長。独立し、東京港区芝で独り出版社 (風の系譜社)を営む。 ・西崎とも代(41)  芥川賞作家、当代一の人気小説家 ・森島碧(20)  西崎事務所の新人。探偵事務所のティッシュ配りが縁で西崎とも代に 拾われる。悲しい過去を題材にした小説を文芸新春に応募。今後佐伯と新な関係に発展!? ・高野しおり(62)  佐伯勇次の初恋相手。大学図書館職員 ・馬渕憲一(58)  馬渕探偵事務所所長 ・三好菜緒子(28)  文芸新春社編集部部員。独立した佐伯勇次を 今でも慕い続け、何かと仕事を依頼している。---------------------------------------------------------------------------------------------------- 前回までのあらすじ 独りで出版社を営む佐伯の元に、売れっ子作家 西崎よりお呼びの電話が入る。 駆けつけてみれば、なんと初恋相手捜しを実際に行い、当時の思いや 初恋相手の過去、現在など洗いざらい語って欲しいとの依頼だった。 西崎は、女性目線での小説しか書けず、男性目線小説に挑戦してみたい と云う本音を吐露する。 ちなみに16話からの回想は、2016年から30年前、 1986年です。じゃ 続きは 乞うご期待!!え!今日は 無いのかよ。。。。 すみません。じゃあ。醤油ことで。

      2
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プロフィール

風見 兄(けい)

性別:
男性
自己紹介:
いまさら人に聞けない風見 兄(けい)とは

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