前回2部と言いましたが、長いので3部に分けます。
これらはビ・エックス商会ラブスター事業部より御依頼を受けた推奨文となります。

宜しければご一読ください。
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【前書き】
金魚と他の魚種を比較すると、大きく異なる点として「胃袋が無い」ことが挙げられます。

金魚の原種であるフナ科の魚達は、胃袋を持たない利点を享受するように長い時間をかけて進化をしてきました。
彼らの生息する水域は、主に河川の中流~下流域であり、中流域に於いては降雨時に増水し、下流域に至っては潮の満ち引きで海水が毎日浸入してくる、水環境が非常に「不安定」な領域でもあります。
このような場所では、彼らが日々摂餌するプランクトン類や小型甲殻類、昆虫類等はその時々により激しく種類が変わり、季節どころか天気や潮の満ち引きの影響で、コロコロと摂餌対象が変わってしまいます。
下流域に於いてセンシティブな嗜好性を持ち続けることは種の保存を危うくするという意味だったのかもしれませんが、彼らは胃袋を持たないことで、「目の前にあるもの」を「選り好み」せず無制限に捕食することを可能にしました。食欲のトリガーを血糖値に支配させず、あればあるだけいつまでも食べられる能力は、大型脊椎動物の中では得難い「優位性」であり、このことは今日、河川周辺の自然環境が崩壊し、水質が悪化しても、人間の保護や手助け無くしてある程度の繁栄を保ち続けていることからも伺える点でもあります。
何を食べてもある程度の消化が出来るよう、腸は非常に長く進化しました。

あるときにあるだけ食べる貪欲な食欲と長い腸は、長期の飢餓に耐えられる為の防御策も兼ねるのですが、人間が飼育管理を行う際、この点が最大の弱点ともなります。

野生のフナ科の魚と金魚の最大の違いは、水環境を人間によってコントロールされ、「同じ種類のもの」を継続して摂餌する点にあるといっても過言ではありません。
野生の状態であれば、偏った餌を捕食しても、それを補う餌は比較的容易にみつかります。同じものを継続して食べたくても、刻一刻と激変していく水環境がそれを許してはくれません。
その中で進化をし、繁栄をしているということ。
それは即ち、河川の中にある捕食可能な対象物、その全てを食べて、体がやっと一人前に保てるという意味でもあります。ビタミン、糖類、たんぱく質、ミネラル類、これらの項目に於いて単一の原材料由来のものだけから作られた飼料を与えた場合、必然的に栄養は偏り、バランスは崩壊します。
第一に栄養素の点において、人間の飼育下にあるフナ科の生き物=金魚は、飼育下にある他の魚種と比較しても、慎重に飼料の選択がなされなかった場合に、健全な体の維持が困難になり、寿命をまっとうできなくなるリスクをより多くはらむものであります。

第二に、長い腸に同じ属性のもの(配合飼料という意味になります)が日々入り続ける事も大きなリスクとなります。
野生のフナ科の魚達は、消化しやすいもの、しにくいもの、場合によっては餌ではなく微小な異物等、これらをランダムに摂取せざるを得ない環境の働きによって、腸が刺激を受け、消化・吸収・排泄を行います。また一方で、物理的刺激の少ない環境下では、腸内細菌叢が消化・吸収・排泄のサイクルを深く支配します。他の魚種よりも彼らは腸内細菌叢の働きに大きく依存し、その構成と総量如何によっては、生命すら危険に陥る場合が少なくありません。また、野生のフナ科の魚と異なり、特に金魚は審美基準で選別&淘汰を行われ、体型は「不自然な」ものとなります。多くは丸く大きな腹部を持ち、それは即ち自然のものよりも更に長い腸を獲得し、様々な品種が作出されていることも忘れてはなりません。野生のフナ科の魚でさえ、消化・吸収・排泄のサイクルを自らの動きだけで完遂できないのです。刺激の少ない飼育環境下にあっては、腸内細菌叢の働きは鰓・心臓に次ぐ重要なものであると言っても過言ではありません。
金魚にとって消化の悪い、腸内細菌叢に悪影響を与える飼料を継続して給餌することは、命取りであり、短期的にありとあらゆる理由で斃死させてしまうリスクを急上昇させるという意味でもあります。
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2/3に続きます。

1/3ではフナ科の生き物の食性と消化吸収についてご説明を致しました。
2/3ではヘルシーラブスターの機能についてご説明を致します。


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