D.focis AMEBREAK Interview

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ZEEBRA やSEEDAら、日本のトップMCたちに楽曲を提供してきたアメリカ人プロデューサー:D.FOCIS。日本在住時に着実にプロデューサーとしてステップアップしていった彼だが、US帰国後の活動は決して順風満帆とは言えなかったようだ。そんな彼が、この数年のUSでの活動を通して学んだUS音楽業界の厳しさと裏の姿、そして挫折しながらも前に進もうとする自身の姿を描いた「THE BE STRONG LP」を無料ダウンロードという形で9月にリリース。以降、立て続けにミックステープをリリースするなど、再び前進を始めた彼に話を訊くことが出来た。日本人が彼の姿勢/思いに学ぶことは多い筈だ。

インタビュー:伊藤雄介(Amebreak)
リリック対訳:福岡 彬

「最近何年も音楽を作っていた親しい友人が自殺してしまったんだ。彼はアーティストとして成功する夢が破れてしまって、もうその痛みを取り除くことが出来ないと思ってしまったんだ。その一件があったことによって、夢を追い続けることっていうのがどういうことなのか伝える時だと思ったんだ。また、他に夢を追い求め続けている人たちに、他にも同じような人がいること、止まらないで動き続けるように伝えたかった」
 

 日本語ラップの熱心なリスナーで、アルバムのクレジット欄を常にチェックしている人なら、D.FOCISというプロデューサー/MCの名を一度は目にしたことがある筈だ。彼はデトロイト出身のアメリカ人で、2007年まで数年間日本に在住していたのだが、その期間に彼は様々な日本人HIP HOPアーティストに楽曲を提供し、有名なところではZEEBRA “STOP PLAYIN' A WALL” “REASON feat. SIMON, D.O”、SIMON “LIVE ON STAGE”、SEEDA “AROUND MY WAY” “SO HIGH”といった良曲を手掛けてきた。筆者も彼が日本に住んでいた頃に知り合い、その太いビートに似合わぬ(?)謙虚な人間性に好感を持って交流を持っていた。

 ZEEBRAのようなビッグ・ネームとのコラボレーションが功を奏したのだろう、徐々に彼の仕事量は増えていったのだが、ある日突然彼は筆者に「アメリカに戻る」と告げてきた。彼は日本で身に付けたプロダクション・スキルと自分のビートに対する確固たる自信と共にアメリカはアトランタで一旗揚げようと考えたのだ。アメリカに戻る直前、ZEEBRAが開いた送別会に筆者も出席したのだが、その際に彼が語ってくれた将来へのヴィジョンや、彼の日本のシーンに対する恩義の気持ちを訊いた筆者は、彼の成功を願ってやまなかった。

 だが、日本人リスナーの想像をはるかに超える商業主義やコネなどが蔓延するUSアーバン・ミュージック・シーンにおいて、無名のトラック・メイカーが名を上げるのはそう簡単なことではない。FOCISもその例外ではなく、US帰国後の数年間は相当にタフな時期だったようだ。彼の帰国後も筆者は時々メールで彼と連絡を取り合っていたのだが、今年の夏、彼から「自分のアルバムをフリー・ダウンロードでリリースする」というメールが届いた。それが、今年の9月にリリースされた「THE BE STRONG LP」だ。

 「THE BE STRONG LP」は、彼がこの数年間に味わってきた挫折や苦しみを語ることで、夢を追い続けるリスナーにエールを送るという、極めてエモーショナルなアルバムだ。奇しくも同時期に聴いたRHYMESTERの“ONCE AGAIN”が、所謂「負け犬ソング」としての形態を取っていながらも、少なくとも彼らのキャリアは順調な右肩上がりを見せているのに対して、「THE BE STRONG LP」は、現在進行形で深い闇をさまよっている様が相当にリアルで、筆者は思わずアルバムを聴いた後涙してしまったぐらいだ。英語のリリックが分からないリスナーにとっては、筆者の伝えたいことがもしかしたらあまり伝わらないかもしれないが、それでも是非「THE BE STRONG LP」を聴いてみてほしい。彼がこのアルバムで伝えようとしていることは余りに尊い(ダウンロードのリンクは記事の最後に記載)。...........read the full interview here$Download NEW TOKYO 2
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