第50回 『少年と自転車』 | 勝手にFUKUOKA国際映画祭のブログ

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【賞 評(ここが好き)】


今回の受賞は…

ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ兄弟監督の

『少年と自転車』


ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ兄弟は


ベルギー出身で『ロゼッタ』や『ある子供』など

世界的に評価の高い作品を制作している監督だ。


この兄弟監督の作品の特徴をあげるとすれば…


大きく2つだろう!



1つは社会の深部に生きる貧しい人間たちに


クローズアップしている点。


それは…時にトレーラーで暮らす貧しい少女だったり、


我が子を売ってしまう若いカップルであったり、


崖っぷちにいる人間たちを常に描いている。

これはジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ兄弟自身が

本格的に映画を撮り始めるまでの数十年間、


労働者階級が多く住む団地に暮らしながら、



ドキュメンタリー映像を制作してきた事が影響している。





もう1つはドキュメンタリータッチで撮影する点。


『ロゼッタ』や『ある子供』などの作品にも共通しているのだが、


カメラは手持ちでドキュメンタリーに近いワークで撮影している。


これにより…実際のリアル感を出し、


物語に対する感情移入を促している。




さて…本作『少年と自転車』だが…


親から見捨てられ、施設にあずけられていた少年シリルと


引き取ってもらった里親の女性サマンサとの心の絆を描いている。


一見、世界中どこでも作られていそうな、感動狙いのストーリーだが…


流石…ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ兄弟監督。



施設にあずけられいた少年の善と悪、



そして里親の女性サマンサの必ずしも善だけではない部分も表現し、


リアルで見事な作品になっている。


もちろん!ドキュメンタリータッチの撮影法も健在!




『弱き者にこそ人は惹きつけられる!』



是非…観てほしい!







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