蝋画塾 Atelier Berankat のブログ

第二次大戦中に開発された、「蝋画」という描画技法を紹介するブログです。


テーマ:
春のお彼岸、良く晴れた春分の日に
今年もまた妹と待ち合わせ、墓参りに行った。
こういう機会にしかほとんど会うことはない。

菩提寺までの道は住宅街が続く。
家々の庭の草木を見ながら、ふと妹が言った。
「ベランダで植物を育てたいのにうまくいかない…
 家の庭、きれいだったね」

母が亡くなってから早十二年が経つ。
生前の庭を思い出すと、
花に溢れていたイメージしか浮かばない。
母はグリーンフィンガーの持ち主だった。

 

20年ほど前の庭


植物を育てるのが上手な人とそうでない人がいる。
いったい何が違うのか?

例えば、私には路傍の雑草が緑の一塊にしか見えなくても、
母は食べられる草かどうかを一目で見分けていた。
他に、家族でそれがわかる人はいなかった。

母は農家の出で、食糧事情の悪い戦中戦後の子供時代、
食材にするための山菜を、当たり前のように野山で採集していた。
生命維持に関わる食料採集の中で植物に視線を向ける、
そんな経験の有無が関係しているのだろうか。

ここ2年ほど、素材にする土を庭で掘り出す作業中、
そこに生える植物をそれとなく気にしていた。
母の死後、花をつけなくなったものもあれば、
母が植えた場所で毎年花を咲かせる
ものもある

作品作りに植物も取り入れる事はできないか?
いつしかそんなことを考えるようになった。


1年半ほど前に、
拓画というものをやってみたのも、
そんな気持ちの表れだったのかもしれない。
→ http://www.osterstr18.com/Osterstr18/Haw_to_make_TAKUGA_in_Japanese.html




植物を写し取る方法として面白く、
葉を版と考えれば、版画の一種とも言える。
しかし、墨と和紙はそれだけで美しく、
これ以上手を加える気にならない。

植物を使って作品作りをする作家は大勢いる。
3年前にブログに書かせてもらった
菅野美榮さんもその一人。
→ http://ameblo.jp/exwax/entry-11472717469.html

下の写真は、3年前に菅野さんのワークショップに参加した時
モミジバフウの実を蜜蝋でコーティングして作ったもの。
→ http://www.polaris-art.com/pastfile37.html

2013年9月、北鎌倉のポラリスにて

あらためてこれを見て、菅野さんの作品を想うと、
視線は直線的に、まっすぐ植物へ向かっているのがわかる。

やはりこれは菅野さんの表現方法なのだと思う。

私の場合、両親から過去に連なる祖先に向けていた視線を、
そのまま庭で起こる現象に振り向けている。
視線は湾曲して、土へ、植物へ到達した。

昨年5月の個展ー「未象の庭」の作品制作において
その方向性は既にはっきりしていたけれど…
→ http://ameblo.jp/exwax/entry-11985834381.html

作業として、実際に植物をあつかい始めたのは、
今年に入った頃からだった。
アトリエは今、
理科実験室のような有様だが、
まだ何の成果も出ていない。

 
 


1~3月の冬場、常緑の植物だけを相手にしていた。
それも、成果が出ない一つの原因ではないかと思う。
生き物が相手だから、農夫のように、
制作行程は植生の時間サイクルに寄り添うことになる。

今現在の庭は、一年で一番変化が激しい。
木蓮の花はあっさりと散り、青々とした葉を茂らせている。
キクモモの花も散り始め、牡丹は大輪の花を咲かせている。
少し目を離すと、蔓日日草やドクダミが勢力を広げている。

四月には木葉採月(このはとりづき)という異名がある。
今年の新緑の季節は、その言葉通りに過ごす事になるだろう。


きくもも

蔓日日草

牡丹



………………………………………………


簡単なものですが、蝋画技法の初歩を図解したPDFファイルを以下から配布しています。
https://ssl.form-mailer.jp/fms/0af30761220259
:これは実習を伴う教室や講座の受講者に配布している資料ですので、
この資料を見ただけで蝋画が描けるようになる保障はありません。


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