■はなぶさ旅館のサンキューレター
昨日まで合宿をしていた、伊豆長岡温泉「はなぶさ旅館」
は、お客さんにこういうお手紙をこまめに書いて出しています。
以前は書いていませんでしたが、4年くらい前からやり始めました。
このたびははなぶさにご来泊頂き有りがとうございました。
今回は息子さんと、二人で富士山の表と裏から見るドライブで、
遠くから、本当にお疲れ様でした。
次回は家族皆さんで、御来館下さる事、スタッフ一同心よりお待ちしています。
身体に気をつけてお過ごし下さい。
係 みさお
お客さまがチェックアウトしたあとに、担当した仲居さんがこういうハガキを書いて出します。
20室ぐらいの小さな旅館でお客さんとの距離が近いですから、こういうことができます。
こういうものを出すようにしたら、それまで27 %だったリピート率が48%にまでアップしました。
リピート率というのは、売上に占めるリピーターの割合が半分近くになったということです。
これはものすごく単純な話です。
しくみでいうと、お客さまがチェックアウトしたら担当した仲居さんがお手紙を書く、というものです。
ものすごく単純なしくみ。
でもこれをするだけでものすごくリピートが増えます。
伊豆長岡温泉は昔からある名湯ですから、温泉はもちろん良いです。
はなぶさはは、何が特徴かというと料理がとても美味しいです。
温泉旅館の食事って、3日目でも結構飽きますよね?
2日までは大丈夫なんだけど3日目が関門で、蕎麦とかカレーライスが食いたくなったりする。
でも、はなぶさは3日いても飽きません。すごいなと思う。
料理に特徴、個性があります。
1つ目の個性は「飛び級ステーキ」。
牛肉ってA5級というのが一番上なんですって。
でも、A5ランクの牛のうち100頭に1頭ぐらい、ランクがつけられないくらい美味しい肉ができるんだって。
それを「飛び級」と言っています。
その「飛び級ステーキ」の食事のついたプランがすごい人気です。
通常よりも5000円くらい高いんですけれどね。
もう1つは「味しゃぶ」です。
富士山の近くの農場の富士ポークをしゃぶしゃぶにする料理。
これまたうまくて人気です。
そのほかに懐石料理があったりするから、3日いても飽きないんです。
でも、それだけではリピーターは増えないですよね。
そこで、お客さまとの関係性をつくるためにサンキューレターを出すことにしました。
はなぶさの社長がボクの塾に来たときは6年ぐらい前です。
「塾に行った頃は廃業しようかなと思っていたんです」と後から言っていました。
お父さんの時代からやっていた旅館なんですね。
それが今はすごいですよ、安売りもしていません。
どのくらいすごいかというのは、伊豆長岡温泉の状況を説明するとわかります。
伊豆長岡温泉には、震災前には44軒の旅館がありました。
それが現在は34軒です。
お客さまが来なくなって一年間くらいに10軒廃業しているんです。
そういうなかで、「はなぶさ」が安売りせずにちゃんとやっているのは完全に関係性のおかげです。
リピーターが多い。
おなじみさんと、あるいは地域との関係性をつくっているからです。
そういうところはちゃんと繁盛しているんだな、と思います。