日本看護協会(日看協、久常節子会長)は6月10日、保健師、助産師、看護師の各看護職の全国職能別集会を横浜市内でそれぞれ開催した。看護師職能集会では、「安全で効果的な医療提供に向けた看護職の業務範囲の見直し・拡大」をテーマに基調講演やシンポジウムが行われ、約4000人の来場者が講演者やシンポジストの話に熱心に耳を傾けた。

 基調講演した東大大学院の真田弘美教授は、「私たちの仕事を国民に理解してもらうには、成果を見せなければならない」と、看護の“見せる化”を強調した。
 真田教授は「特定看護師(仮称)の成功が新しい未来を開く」とした上で、看護の行為が診療報酬上で初めて評価された「褥瘡ハイリスク患者ケア加算」(2006年度改定で新設)が、特定看護師の議論が始まる一端を担ったと説明。同加算における皮膚・排泄ケア認定看護師(WOCN)の評価の背景として、褥瘡の予防や治癒が24時間の生活を支援する「看護の基本」があったとした。また、褥瘡治療のガイドラインの作成やWOCNへの教育の成果を強調した上で、“見せる化”の戦略として、▽医療全体の中で看護を見る▽研究結果を実践で適用する▽研究に参加する環境を持つ―の3点を挙げた。

■「療養上の世話」の精神を忘れるべきでない

 その後のシンポジウムでは、日看協の洪愛子常任理事、国学院大法科大学院長の平林勝政教授、緩和ケアパートナーズ代表取締役の梅田恵氏、訪問看護ステーション「青い空」の篠原かおる所長の4人がそれぞれ講演した。

 洪常任理事は、日看協の専門・認定看護師などの資格認定制度が果たしてきた役割を強調するとともに、制度の透明性を高めるため、資格を認定する第三者機関の検討の必要性を示した。一方、平林教授は法律家の立場から、業務範囲拡大をめぐる法解釈について説明。看護師の業務として定められている「診療の補助」として、特定の医行為を担う特定看護師に関しては、医師の包括的指示を前提に要件を法律に明記すべきとする考え方に賛同した上で、「(保助看法上の)『療養上の世話』の精神も忘れるべきではない」と語った。
 がん看護専門看護師でもある梅田氏は、専門看護師(CNS)が業務範囲拡大のリーダーとしての役割を担うとし、CNS自身の活動の評価が不十分なことなどを今後の課題として指摘。篠原所長は訪問看護の現場における他職種との連携の重要性を示した上で、「在宅では(他職種が)看護を一緒に共有することが必要だ」と述べ、信頼関係の構築が看護の評価につながるとした。


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