2017年の調査始めました | 遠藤雅伸公式blog「ゲームの神様」

2017年の調査始めました

毎年、新たなテーマを持って調査研究をしていますが、今年度はまず3つのテーマで調査を始めました。

 

ゲームの戦略性

 将棋や碁のような完全情報ゲームは、戦略性が高いと一般的に言われています。しかしコンピュータの性能向上によって、既にチェッカーはあらゆる可能性が計算しつくされてしまい、もはや戦略性があるとはハッキリ言えない状態になっています。
 このままコンピュータが進歩すると、いずれはチェス、将棋、碁も全ての可能性が確認されてしまう日が来るかも知れません。その時、プレイヤーは「戦略性」という言葉をどう捉えるのでしょう?
 この調査は、戦略性を感じるゲームとその要素から、ゲームにおける戦略性を不完全情報ゲームに活かす目的です。調査から明らかになった要素を、実際に簡単なゲームに実装して効果を検証する予定です。

⇒「ゲームの戦略性」アンケート

魅力あるアーケード

 昨年風営法が改正され、ゲームセンターへの規制が緩和されました。1984年の改正で保護者同伴でも18時以降は子供の立ち入りが禁止され、子供にとってのゲームセンターは遊技機設置面積が全施設の10%以下である風営法適用除外施設、要するに大型ショッピングセンターのゲームコーナーになりました。
 適用除外施設であれば、保護者の同伴なしで、18時以降も子供がゲームすることが可能という状況から、街中の路面店ゲームセンターは都市型大型店を除いて淘汰されてしまいました。おじさん達の原体験であるゲーセンは、もはや絶滅危惧種になっていたのです。

 こんなアーケードの復活はあるのか?アーケードの魅力の調査と、実際の店舗でのヒアリングにより、今後のアーケードの在り方を考えます。

⇒「魅力あるアーケード」アンケート

■笑える挑発行為

 対戦ゲームでは、相手とのやりとりの1つに挑発行為があります。アーケードの対戦では、リアルに直接相手を挑発することができましたが、オンラインゲームではゲームのエモートを利用したり、ユーザーが独自の表現を用いたりして挑発行為が行われています。
 挑発行為は相手によっては不愉快に思われます。しかし、コミュニケーション手法としては有効な方法であり、愉快な挑発は怒りを通り越して笑えるものとなっています。
 この研究では「笑える挑発行為」をゲームにおける楽しさの要素と考え、調査結果から得られた要素を簡単なゲームに実装して、多くの人が楽しいと思えるかどうかを検証します。

⇒「笑える挑発行為」アンケート

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 テーマは他にも準備中ですが、とりあえず夏の学会発表に向けて、3つのテーマで始めました。多くの方に答えてもらえると、今後のゲームがちょっと楽しくなるかもww