時間ができた。
映画を観た。
今日は...「隠し砦の三悪人」を観た。
...観てしまったw。
いまさら語るまでもない何度も観た私の大好きな娯楽映画だが、久し振りに観て改めて感じたことが多かったので、少しだけ。

この映画は、ジョージ・ルーカスの1977年のあの「スター・ウォーズ」の元ネタとして有名である。
改めて観てみると、ホント、うまい具合にアレンジ、いや「パクって」いるw。
ただ、三船敏郎扮する真壁六郎太のキャラクターをルークとハン・ソロ、そしてオビ=ワン・ケノービの3人に分割して配置していたり、C-3POとR2-D2のコンビは又七と太平のように「主役」ではない。

そう...この映画の主役は実は真壁六郎太や雪姫ではなく、又七・太平の凸凹コンビなのだなと、改めて確信した。
もちろん物語の骨格は六郎太と雪姫が軍用金を携えて敵陣突破、国に帰還しようとすることだが、そのお家騒動に巻き込まれた又七と太平のいわゆる「巻き込まれ型」の物語ともいえるのだ。

その二人のキャラクターがこの映画を支えている。
欲に駆られて立身出世を目論んでいた百姓コンビ...とにかくこの二人のその強欲さ、仲の良さ(あるいは悪さ)が、千変万化することで物語が進行していくのだ。
戦に「敗れ」て落ち延びようとする冒頭から、「金」を見つけて、さらには六郎太にその強欲さを都合よく利用されつつ行動する中盤、そしてクライマックスからラストに至るまで...この二人の人間味溢れるキャラクターを大前提に物語が構成されている。
その二人の強欲なキャラクターを中心にすえつつ二転三転する逃亡劇は、4人の脚本家の創意工夫、アイデアに溢れている。
もちろんその二人だけではなく、真壁六郎太と雪姫のそれぞれの苦悩もさしはさまれるのだが、それはあくまでもサブ・ストーリー。

そうはいってもまあ古い映画なので、今観てみると多少スピード感に欠けるかなという部分もなくはないし、少し冗長に感じられるシーンもある。
それは特に前半1時間の展開に感じられる。
まあつまり、実際に「金」を携えて隠し砦を出発するまで1時間を要するということである。
もちろん、その1時間は押しなべて楽しい1時間で、又七と太平の丁々発止で魅せるし、真壁六郎太の思わせぶりな登場で観るものを引きつけるし、さらには雪姫の登場でもそれは同じである。

で、いざ後半。
そこからは次から次へと畳み掛ける危機また危機、緩急巧みな逃亡劇が繰り広げられるのだ。
どんでん返しも用意されており、ラストの着地の仕方も見事。
ちゃんと「主役」の二人のシーンで終わっているというのもミソだ。

それにしても三船敏郎はかっこいいし、千秋実と藤原鎌足は芸達者だ。
雪姫の上原美佐だってよく「大根」といわれているが、私は決してそうは思わない。
あの気品と力強さ...私は好きだなあ。

あと黒澤作品初のシネマ・スコープ。
素人目にもそのワイド画面は、あらゆる場面で見事に活かされているように思う。

いやー、やっぱりキャラクター作りが重要だな。
そのキャラクターをしっかりと構築し、それをちゃんと踏まえて物語を描かなければ、面白い映画やドラマなど決して生まれないのだ。
久し振りに観たが、ホント、いろんな意味で時間を忘れ、夢中にさせてもらった2時間19分であった。

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