March 05, 2009

内田樹さんからの手紙。

テーマ:ブログ
内田樹さんから、メールを頂戴いたしました。


『私の身体は頭がいい』『子どもは判ってくれない』
『私家版・ユダヤ文化論』『橋本治と内田樹』
『こんな日本でよかったねー構造主義的日本論』
そして、『街場の教育論』……。
個人的にここ数年、一番読んでいたのが内田さんの著作です。

ようやくご縁があって、現在発売中の4月号『もう一度、学校へ行こう。』で
取材をさせていただきました。

Esquire編集部より。


これから続々とお仕事をご依頼できればと、
思っていた矢先でしたのに……。

以下、内田樹さんからいただきましたメールです。


小谷さま

こんにちは。
メールいただきながら、返信が遅くなってすみません。
『Esquire日本版』廃刊の瀬戸際なのですか。

昨日の新聞には『諸君!』が廃刊という記事が出ていました。
この1年間でいったい何冊廃刊や休刊になったのか。
ぼくがよく書いていた『論座』も『月刊現代』もなくなりましたし、
『新潮45+』は必死のリニューアルで延命工作をしていますけれど、
正直言ってむずかしい気がします。
『AERA』も創刊持の100万部が
いまは20万部といいます、これも長くなさそうです。

ある種の社会集団を(性別、年齢、階層などで)「輪切り」的に切り出して、
そこをターゲットとする広告を集中的に出稿して、
そこをターゲットとする記事を書くというスタイル自体が
問われなければいけないのではないかという気がします。

逆に、性別とも年齢とも階層とも、
あるいは政治的イデオロギーとも審美的趣味ともかかわりなく、
「ひろい範囲に散らばる少数の読者」をめざした
ある種の「文体」や「語り口」のようなものを維持できるメディアの方に
生き残るチャンスがあるよう思います。

『Esquire日本版』がある年齢層、ある程度の学歴と年収のある
男性読者を固定的に想定しているなら、
マーケティング的にはむずかしいと思いますが、
ほかのメディアでは代替できない独自の「文体」を
維持しようとしている点はこの状況でも評価に値すると思います。

ハースト社が相手では苦戦すると思いますけれど、
雑誌の廃刊休刊のときに、存続のために戦う編集者というのは
大手の出版社にはいません。
ですから、小谷さんのご努力を貴重なものだと思います。
お役に立てませんけれど、どうかがんばってくださいね。




今回の取材をまとめた
『学ぶ前に学ぶ、学びを識るための基調講義。』と題した文章の中で、
内田さんはこう語ってくれました。


「書物の中には、世界共通の、人類共有のプラットホームがあります。
 その知のプラットホームに立ってはじめて、自分がどのような文化的、
 イデオロギー的な「檻」に幽閉されているのか、
 それがわかってくるはずです。
 リベラルアーツの「リベラル」という語は
「真理はあなたがたを自由にします」(ヨハネによる福音書、8:32)
 という聖書の言葉に基づいています。
 私たちが学ぶのは私たちを幽閉している「臆断の檻」
「無知の檻」から自分自身を解き放つためです。



「人類共有のプラットホーム」とはさすがにいきませんが(笑)
『エスクァイア日本版』も、
知的探求心を持つ大人たちのよき”メンター”として
これからも存在価値があるのではないかと、自負しております。

早期の復刊に向け、もちろんぼくだけではなく
編集部全員、さらにはOBの方々までが戦っています!


内田さん、私信の転載をご快諾いただきまして、
誠にありがとうございました!
『エスクァイア日本版』のスタッフとして
またお目にかかれる機会を、愉しみにしております!


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